人物の瞳を検出して瞳にピントを合わせやすくする「瞳認識」を搭載。 ポートレートやストリートでの撮影などで、顔の手前に障害物がある場合や動きのある人物でも、しっかりと瞳にピントを合わせます。
カスタムメニューa4「オートエリアAF時の顔と瞳認識」で[顔認識と瞳認識する]を設定しておくと、オートエリアAF時に高精度な「瞳AF」が作動。カメラが自動的に「瞳」を検出してピントを合わせます。
「瞳AF」はAF-S時だけでなくAF-C時も有効。AF-C時にシャッターボタンを半押しし続ければ、動いている人の「瞳」も検出し追い続けます。動きのあるポートレート撮影でも、AFは安定して瞳を追尾。瞳にピントが合った画像が、確実に、しかも簡単に得られます。
人物の大きさに応じて「顔認識」と「瞳認識」を効果的に自動切り換え。的確なピント合わせを実行します。
複数の瞳を検知すると、フォーカスポイントの左右(別の瞳を認識している方向)に、または、または両方が点灯。マルチセレクターやサブセレクターによる直感的な操作で、ピントを合わせたい瞳を簡単に選べます。ファインダー撮影時にも容易に選択できます。
マウントアダプター FTZを介してNIKKOR Fレンズを使用しても、「瞳AF」はNIKKOR Zレンズ使用時と変わらず有効。正確に瞳を検出してピントを合わせます。
今回、Z 6の「瞳AF」でポートレート撮影を行っていただいた河野英喜氏に、その実感をうかがいました。お話のポイントはインタビュー映像でもご覧いただけますが、ここではさらに詳しい内容をお伝えします。
非常にシンプルで分かりやすいというところが大きなポイントだと思います。
他社にも「瞳AF」はありますが、ニコンの「瞳AF」は、人物の左右の瞳の選択なども事前の設定を行うことなく、撮影をしながら簡単に選べます。画像モニターでの選択はもちろんですが、ファインダー内で撮影状況に応じて直感的に選べることが嬉しいですね。
さらに瞳を追うフォーカスポイントの動きがとてもスムーズでチラつきも感じないため、撮っていて疲れないという実感もありました。
瞳へのフォーカスは的確でかつ素早いですね。
人物が動いてもフォーカスポイントがあちこち迷うことが少ないと感じました。また、瞳の部分にモデルさん自身の手とか、他のモデルさんの頭というような障害物が重なっても、瞳が長時間隠れてしまわなければ、ある程度キープして追い続けてくれます。これはとても助かりますね。
ピントを合わせる瞳の選択も、マルチセレクターやサブセレクターで素早くできます。複数のモデルさんがいる場合も、「どの人にしますか」、「どちらの瞳にしますか」というように、フォーカスポイントの左右に三角印が表示されるので、どの瞳をカメラが認識しているか分かりやすく、選びやすいですね。
ポートレート撮影は、小さな瞳にピントを合わせていくことが基本と言えます。ですから、より繊細なフォーカシングがポイントになってくるのですが、「瞳AF」によって、その部分をある程度カメラに任せて、撮り手は自由にカメラを動かしながら、モデルさんの表情を追いかけていけます。
そして、全体的にフレームの中の画づくりや、なにを入れるのか、なにを外すのかというところに、より意識を向けることができるようになりました。
さらにモデルさんとのコミュニケーションにも余裕が生まれ、モデルさんをどんなふうに動かして、どのような表情を引き出していこうかという発想もより拡がるだろうと思います。
今回はNIKKOR Zレンズのほかに、FマウントのAF-S NIKKOR 85mm f/1.4Gも使用しました。Zシリーズのカメラには、マウントアダプター FTZを介してNIKKOR Fレンズも使えるので、私が普段使っているAF-S 85mmも使うことにしたんです。
そこで、「瞳AF」のパフォーマンスが気になるところですが、結果はZマウントのレンズとまったく変わらない精度と速さで応えてくれました。
しかもこの撮影ではあえて窓ガラス越しの難しい状況にも挑戦したのですが、とても雰囲気のある素晴らしい一枚になったと思います。
「瞳AF」はZマウント、Fマウントのレンズを選ばない機能ですね。
プロの仕事でも十分に使える機能だと思います。実際に自分が使ってみて、フォーカスの速度や精度がとても高く出ていますので、むしろ使わないのはもったいないかなと。コントラストが低い曇りの日などでも、ピントが来ている枚数が各段に増えました。ポートレートにおいては、「瞳AF」([顔認識と瞳認識する] )にセットしておけば間違いなく撮影できますね。