Lesson07
屋外撮影にチャレンジしてみよう!
―自然光を味方につける! 屋外撮影の基本テクニック―
大好きな作品のコスプレを楽しむなら、屋内だけではもったいない!
イメージに合うロケーションを見つけたら、思い切って屋外撮影に出かけてみましょう♪
澄んだ青空とキラキラの陽射しに包まれて、開放感溢れる撮影体験が待っているはず。
教えてくれるのは数多くのコスプレ写真を手がけるプロフォトグラファーのmari先生!
屋外撮影ならでの楽しみ方と、気をつけてほしいウィークポイントをしっかり学んで、
いつもとはひと味違うコスジェニックな一枚に仕上げてみて!
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1 屋外撮影の最大のメリットは
明るさと広さ!屋根や壁のない屋外撮影では、見渡すほどの広さや、空から降り注ぐ太陽の明るさが最大のメリット。人が溢れかえる屋外イベントの会場だって、光の向きと背景を工夫すれば普段撮れない“満足感の高い”一枚が撮れるはず!キャラクターのイメージに合うなら、その場で思い切りジャンプして撮るのもおすすめ。背景いっぱいに広がる空の高さと明るさが味方して、驚くほどコスジェニックな写真に仕上げてくれること間違いなし。
“レンズフード”は屋外撮影の強い味方!
イベントで当たり前のように見かけるようになった一眼レフカメラを手にしたコスプレイヤー。よく見ると、そのほとんどが「レンズフード」を付けずにレンズ単体で撮影をしている。本当はすごく便利なアイテムなのに…。レンズフードの役割は大きく分けて3つ。フレアやゴーストといった不要な光をカットする「強い陽射しを避ける」効果。落としてしまったときも安心な「レンズを保護する」効果。そして最後に忘れちゃいけないのが「見た目がカッコいい!」ってこと♪
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2 光は大きく分けて3種類。
“美肌”に写す光の向きは!?スタジオの照明と違って、自然光は天気や時間に左右されていつも同じじゃない。被写体へ当たる“光の向き”によって、仕上がりの印象は大きく変わることに。ここでは代表的な3種類の光「順光」「斜光」「逆光」それぞれの個性を学んでいこう。光の向きを理解すれば、イベント会場での写真もグっとキレイに仕上がるはず♪
順光
真正面から受ける光が順光。コントラストが強く、顔の陰影がハッキリと出てしまうのが特徴。ほうれい線が目立ったり、眩しそうな表情になりがちなので、光の強い日は避けた方が無難。
斜光
横から光を受けるのが斜光。顔の凹凸に影が生まれてしまうけど、立体感が生まれてドラマチックな印象になることも。写真はやや後方から光を受けて、左右の明暗差を強調させてくれている。
逆光
被写体が光を背負う形になるのが逆光。陰影のコントラストが少なく、全体にやわらかい印象にまとまる。光が直接肌に当たらないのでキレイな質感に。屋外ポートレートではおすすめの光の向き。
コツさえ掴めば怖くない!
“逆光”をマスターしよう!キレイな肌に
仕上げたいなら…?肌の質感をキレイに写せる逆光だけど、そのまま撮ると顔が暗くなってしまいがち。屋外撮影には欠かせないアイテム「レフ板」を使って、光の反射で顔を明るくしてあげよう。顔を明るくできるだけでなく、黒目にキャッチライトも入って目力がぐっと増した印象に。使うポイントは、レフ板の光で被写体の顔が明るくなっているか、角度を確認しながら使うこと。被写体とフォトグラファー、2人だけの撮影の際は、下の写真で紹介したように協力しながらレフ板を使うのがおすすめ。
表情も背景も明るく
撮るには…?逆光のときに背景に露出を合わせると、どうしても被写体が暗くなってしまう。そこで便利なのがフラッシュ。フラッシュを発光させて被写体の暗さを明るくすれば、背景の鮮やかさそのままに、影になった被写体を明るく撮ることができる。作品に合わせてクールなイメージだって作れるおすすめのテクニック!
TIPS
コスプレの小道具を
レフ代わりに♪“本”など白いモノで顔に光を集められる♪
レフ板を持っていないとき、コスプレの小道具でもレフ板の代用が利くので覚えておこう。代表的なものは本。
開いた状態で顔の下に持ってくれば、反射した光が顔をやわらかく照らしてくれる。衿まわりが白い衣装でも同じように顔を明るくしてくれる。レフ無しの状態
本をレフ代わりに
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3 背景にこだわって
“カッコイイ”写真に仕上げる♪被写体を包む背景によって写真のイメージは大きく変わってくる。せっかくのコスプレ衣装も背景が残念だと台無しになってしまう。背景をボカしたり、単なる壁にも遠近感をプラスすることでカッコいい写真に仕上げられるのだ。
背景をキラキラに
ボカすには背景をボカすことで被写体が浮き上がり印象的な一枚に。このボケは「絞り」とレンズの「焦点距離」によって決まっていて、絞り(F値)を開けば(数字を小さくすれば)ボケ味は増していく。さらに望遠レンズなど、焦点距離が長いほどボケは大きくなっていくのだ。被写体と背景の距離を空けることも、しっかりとしたボケ味のために必要なポイント!
TIPS
“焦点距離”ってなに?
レンズの種類を表す単位で「mm」で表記されている。この数字が大きいほど画角はアップになる。50mmと100mmのレンズを比較した場合、露出とシャッタースピードが同じなら100mmの方が背景のボケ味が大きくなる。
焦点距離の短いレンズ
広角レンズをはじめ、焦点距離の短いレンズほど広い範囲を写すことができる。海や建物など背景を活かした1枚に仕上げたいときにおすすめのレンズ。
焦点距離の長いレンズ
望遠レンズをはじめ、焦点距離の長いレンズは焦点距離が長くなるほど、同じ距離から撮った場合に被写体を大きく(アップに)写すことができる。背景をボカしたいときや、遠く離れた被写体を撮るときに便利なレンズ。
人が溢れるイベントでは
撮影場所に壁前を確保イベント会場は人が多く、背景がうるさくなりがち。そこで頼りになるスポットが壁の前だ。でも、単純に正面から撮ってしまうと“記念撮影”のように平面的なつまらない写真になりがち。ひと味違う仕上がりにしたいなら、斜めから撮ってパースを活かした背景にしてみてはいかが? コスプレの世界観と合わせて、キラリと光る一枚に仕上がってくれるはず♪
正面から
斜めから
TIPS
ISO感度を上げて失敗を無くす
光が足りないときは
“感度”を上げてみよう♪暗い場所でフラッシュを使わず撮影すると、シャッタースピードが遅くなって手ぶれが起こりやすい。このとき“ISO感度”を高くすると、同じ露出とシャッタースピードでも下の写真のようにぐっと明るいものに。イベント会場が暗いときなど、手ぶれが気になるなら一度感度を上げてみよう!
ISO感度400
ISO感度1600
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4 様々なアングルを活用して
“撮りたい”を目指す!同じコスプレ衣装でも、カメラアングルを変えることで被写体の表情や印象は全く違うものに。代表的な「ハイアングル」「正面アングル」「ローアングル」の3つの角度を比較して、それぞれの写真へのエッセンスを学んでコスジェニックな一枚に仕上げよう!
ハイアングル
妹キャラならハイアングル!
被写体の上から撮るアングル。見上げた顔が甘えたような印象で可愛らしい仕上がりに。表情や瞳を印象的に撮りたいときにピッタリ。背景を地面のみにできるので、混雑したイベントで背景がゴチャゴチャしているときもまとめやすい。
正面アングル
見たままをそのまま残せる
正面から撮ると実際の見た目に近いイメージで撮影できる。全身を正確に撮ることができるので、衣装の出来映えをしっかり残すことはできるが、表情やポーズに工夫がないと、見たままの棒立ちで単調な写真になりやすいので注意しよう。
ローアングル
ローアングルで女王様風に!
下から撮ることで脚の長さが強調され、スタイルがとてもキレイに見える。被写体がファインダーを見下ろす形になるので、女王様キャラにはピッタリ!イベントでは、上に向けて撮ることで背景に人混みも写り込まない利点も!
Nikon D5600なら
タッチ&バリアングルで
撮影アングル自由自在自由に角度を変えられるバリアングル画像モニターで、大胆なローアングルや、大勢の人の頭越しからでも不自由なく撮影が可能。
液晶モニターを見ながらのライビュー撮影なら、スマホ感覚のタッチパネルで様々な角度からイメージを直感的に捉えることができる。さらに美脚に撮りたいなら
高低差を利用して!コスプレでの美脚写真なら、高低差を使ったローアングル撮影が最適。例えば階段や公園の遊具を利用すれば自然な高低差を作り出せる。さらにコスプレイヤーならポーズにもこだわりたい。アングルで脚長に見えるのはもちろん、脚を重ねることでより細く見えるように♪ さらに足の甲を伸ばせば、その分の長さも脚長効果にプラスされて仕上がりの美しさがグッとアップ!
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5 コスプレ撮影にオススメ!
ひと味ちがう
「Nikon D5600」タッチ操作&バリアングルで
“進化系自分撮り”コスプレ撮影は、せっかくなら一眼レフカメラでキレイに残したい。Nikon D5600ならタッチ操作&バリアングルで一眼レフカメラでは難しかった自分撮りもカンタン。顔の近くに白い布を敷いて、太陽からの光を背負って撮影すれば、たった一人で逆光+レフ板の“進化系自分撮り”が撮影できてしまう。
ファインダー撮影でも
タッチ操作ができる
“タッチFn”あらかじめ設定しておけば、フォーカスポイントの移動や絞りの変更など、ファインダーをのぞいたまま、指で画面をスライドさせるだけ操作可能。手前に持った花から被写体の顔にフォーカスを移動させることも直感操作で行なえる。コスプレイヤーが見せる一瞬の表情だって見逃さないはず。
手前の花にフォーカス
奥の被写体にフォーカス
望遠ズームが作り出す
キラめくボケ味D5600にダブルズームキットとして用意されているズームレンズ
「AF-P DX NIKKOR 70-300mm f/4.5-6.3G ED VR」なら、未体験の撮影領域に誘ってくれる。コスプレ撮影で一番注目したいのが背景のボケ味の美しさ。望遠ズームならではの、光の反射が丸く輝くボケ味は、屋外撮影の醍醐味のひとつ。イメージする作品の一コマを鮮やかに切り取ってくれる。撮影時、被写体との間に十分な距離が必要なのも望遠レンズならでは。
まとめ
屋外撮影の決め手は、光の向きと背景の選び方。
肌や表情をやわらかく撮るなら「逆光」+レフ板で間違いなし♪
背景をボカしたり、壁を上手に使って世界観を表現してみて!
クレジット
撮影・レタッチ/mari、丸山大智
モデル:火将ロシエル
モデル・タレントとして活動中の人気コスプレイヤー。
オフィシャルブログ:
http://lineblog.me/kasyou_rosiel/
オフィシャルサイト:
http://coprte.com/
撮影協力/シンボルプロムナード公園
※このページの写真は一部を除いてNikon D5600で撮影しています。使用した写真にはレタッチを施してあります。