Lesson13
おひとりさま撮影術part2―ひとりで女の子&男の子編―
初出しの衣装やイベント直前には、自宅でお試し撮影をする人は多いはず。
ついついスマホのカメラで簡単に済ませがちだけど、
一眼レフを使って、「宅コス」をもっと素敵にコスジェニックな作品に仕上げよう。
今回は自宅スペースをフル活用の「おひとりさま撮影」企画第2弾!
女の子と男の子に着替えての自撮りアイデアを大紹介。
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1 ふんわりした光は女の子コスの味方!
ひとりで女の子&男の子衣装で撮影する今回の「おひとりさま撮影」。女の子コスでナチュラルな美肌を目指すなら、スピードライトの光よりやわらかい自然光がおすすめ!まずは自宅の中でふんわりとした自然光を見つけてみよう! 前回同様にスマホアプリ「SnapBridge」のリモート撮影&セルフタイマー機能を利用して撮影スタート♪
その前に前回の
Lesson.12
レッスンを復習してみよう
おひとりさま撮影術part1自然光で美肌に撮れる場所ってどこ?
➀まずは窓際で撮ってみよう
窓際はやわらかい自然光で撮るときの特等席。窓の横に座って撮影すれば、やわらかい光が顔を照らしてくれて美肌効果だって期待できる。窓の向きや時間によって光は変わるので、何度か試してベストのタイミングで撮影しよう。
自分を挟むようにレースカーテンを配置すれば、レフ板と同じ効果で影が少なくなり優しい印象に。レースカーテンはハンガーラックにかけると便利。
➁窓からの自然光を逆光に
窓を背にして撮影することで、逆光撮影のような光に包まれた1枚に仕上がる。ここで大事なのがレースカーテンを閉じること。白いレースカーテンが外からの光を拡散してくれるので、柔らかく均等な光になります。
先ほどと同じようにレースカーテンで挟んで撮影することがポイント。窓からの光が反射して、逆光で暗くなった顔や衣装を明るくしてくれる。
瞳のキャッチライトで
表情も明るく!キャッチライトとは黒目に写り込んだ光のこと。キャッチライトが入ると生き生きとした表情に見えるだけでなく、まるで少女漫画のキャラクターのような「キラキラ感」もアップさせてくれます♪
窓に向かって撮影
窓から見える空などの明るさがキャッチライトとなって瞳に写り込む。
窓を背にして撮影
白い紙などで光を反射させて瞳にキャッチライトを入れる方法も。
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2 男の子コスはコントラストを操るべし
ふんわりした印象の女の子コスと違って、男の子コスの場合は影がとても重要。男性らしいゴツゴツとしたイメージを際立たせるために、光と影のコントラストを意識して撮影することが大切です。
男性らしさを強調する撮り方とは?
➀陰影を意識して撮る
コントラストを高めるおすすめの方法は、暗い場所でスピードライトを使って撮影すること。鼻筋やあごのラインに陰影が生まれるようにスピードライトの光を当てることで男性らしいシャープな印象に仕上がります。
今回は昼間の玄関で撮影してみた。余分な光は黒い布で遮り、鼻筋やあごに影ができるようにスピードライトの光は横の壁にバウンス(反射)させて撮影。
➁語りかけるポージング
ポージングや表情でも男性らしさはプラスできる。まずは理想の男の子キャラになりきって、カメラを女の子に見立てて語りかけてみよう。優しく見つめたり、誘ってみたり、照れずにしっかり演じることがとっても大切!
少し強引な俺様系の男の子キャラなら、手で相手のあご先に触れるようなイメージで。指先まで含めて男性キャラのセクシーさを表現してみよう!
TIPS
合成しなくても一人二役できちゃう!
女の子キャラ用のウィッグと衣装を使って、一人二役でリア充一直線の抱擁シーンを撮ることができる。カメラに写らない左手にスマホを持って、「SnapBridge」のライブビュー画面で写り方を確認しながら微調整していくと便利。
衣装の中にクッションを詰めて、その上にウィッグを被せたスタンドを乗せる。不自然に見える箇所は右腕で抱きしめながら隠してしまおう。
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3 自宅をフル活用!
もっと自由におひとりさま撮影家の中には撮影で使えるポイントがまだまだあります。高低差を使ってアングルを変えたいなら階段がおすすめ。気に入った背景が見つからないときは、前ボケを使ってごまかすのも重宝するテクニックのひとつ!
階段の高低差でアングルに変化を!
おひとりさま撮影では、カメラを三脚に固定して撮影することが多いので、撮れるアングルはどうしても限定されがち……。高低差を使える階段は、おひとりさま撮影の可能性を広げてくれる貴重な存在なのです。
※階段での撮影はくれぐれも安全に配慮して行ってください。
前ボケで背景をごまかそう
➀造花を使った前ボケ
イメージ通りの背景がないときは前ボケを使ってみよう。前ボケとは被写体よりもカメラ寄りにあるものを意図的にボカすテクニックのこと。写したくない部分を隠してくれるだけでなく、造花などの小物を使えばふんわりとしたイメージをプラスできます。
ハンガーラックや洗濯ハンガーに前ボケさせたいものをぶら下げると1人きりでも難しくない。
➁電飾を使った前ボケ
暗い場所で電飾の光が前ボケとなるように撮影することで、丸くキレイな玉ボケをつくることができる。スピードライト2灯を天井バウンスさせてスローシンクロ撮影。背景は電飾の光が分かりやすくなる黒布がおすすめ。
電飾の片方をカメラ側に付けて、もう片方を自分で持って撮影する。このとき電飾がレンズの前に入り込むようにするのがポイント。
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4 バスルームは自分だけの
プチスタジオ!家の中でおひとりさま撮影にピッタリの場所がある。それはバスルーム♪ 白い布を貼れば光がキレイにいきわたります。バスルームは自分専用の小さなスタジオに変身します。
白布を貼ってスタジオ風にする
光がきれいに回るように、バスルームの壁三面に白い布を貼り付ける。照明はカメラに取り付けたスピードライト1灯での天井バウンスのみ。撮影後にニコン純正RAW現像ソフトウェア「Capture NX-D」でホワイトバランスを調整して背景を好みの白色に調整しよう。
※画質モードはRAWデータで撮影。
今回はバスタブの中に立って撮りました。白い布を貼った左右の壁に交差するように赤いリボンを貼っていく。
目の前に三脚で固定したカメラを設置し、スマホの「SnapBridge」でリモート撮影すればOK。基本のセッティングはリボンの撮影と同じ。
「SnapBridge」のセルフタイマーは3秒間。右手にスマホを持ったまま、短時間で花びらを投げる必要がある。コスプレ愛で何度もチャレンジしてコスジェニックな1枚を目指そう。水しぶきを撮るなら黒布で!
水を使えるのがバスルームならではの水撮影にチャレンジしよう。難易度が高いイメージのある水撮影だけど、ポイントを押さえれば撮影自体は難しくない。ポイントは背景の暗さとスローシンクロさせるスピードライトの位置。同じセッティングでシャボン玉を使った撮影もできるのであわせて紹介します!
水しぶきは背景が暗くないときれいに撮れないので、壁三面に黒布を貼り付けてスタンバイ。シャワーを出しながら濡れない位置に立って撮影する。スピードライト2灯でシャワーの水しぶきを挟むように撮るのがポイント。
※カメラ本体やスピードライトが濡れないように注意しましょう。
水しぶき撮影のときの左手のスピードライトを無くし、スタンドに設置した1灯のみによるスローシンクロで撮影する。水しぶきのときと同じく「SnapBridge」によるセルフタイマー撮影を利用しよう。シャボン玉の美しい位置を追求して、何度もトライしてみて!
自分好みの写真の色を見つけよう!
画質モードをRAWデータで撮影した画像は、無料のニコン純正RAW現像ソフトウェア「Capture NX-D」で色やコントラストなど、自分好みに調整することができる。下の写真のように、ピクチャーコントロールの「輪郭強調」「明瞭度」「コントラスト」を高めれば、より陰影をクッキリとさせられ、「彩度」を高めればウィッグやカラコンの色をぐっと鮮やかにすることが可能。
撮影時の色やコントラストそのままの状態で現像した写真。肌色はきれいに写せているけど、もう少しコントラストを高めて雰囲気を出したい……。
「Capture NX-D」で「明瞭度」「コントラスト」「彩度」を高めた写真。色とコントラストが強くなり、二次元らしさのある1枚に仕上がった。
まとめ
自宅の限られたスペースでもアイデア次第で
「おひとりさま撮影」の可能性はまだまだ広がるはず!
一眼レフでの宅コスをもっと楽しんでみて♪
クレジット
撮影/山本哲也
レタッチ/yumiko Matsunaga
- モデル:
- 桐生あかり
Twitter:
@a_256384
撮影協力/guesthouse MOSHIMO
※このページの写真はNikon D5600および、D7500、スピードライト SB-500で撮影しています。使用した写真にはレタッチを施してあります。