Lesson01
コツを覚えて
コスジェニックな1枚を!!
メイクも衣装もバッチリ、背景の雰囲気もいい、でも“コレ!!”って1枚にならないのは何故?と
日頃コスプレ撮影で悩んでいるあなた!実は、コスプレ撮影にはちょっとしたコツがあるのです。
コスプレならではのいい写真、いわばコスジェニックな写真を撮影するためのコツを、
コスプレ写真を多く手掛けるプロフォトグラファーに教えてもらいましょう。
一緒に学ぶのは、コスプレ撮影修行中のレイヤー璃波(りなみ)さん。
さあ、レッスンスタート!
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1 二次元を目指して、
明確なイメージを!普通に撮ると、どうも何か違う…のがコスプレ写真。目指すアニメやゲームは二次元だけどコスプレは三次元。そのまま正面から撮っても同じにはならない。そこでまず大事になるのが、撮りたい写真や再現したいシーンのイメージ(元気?ポップ?ダーク?など)を明確にすること。そのうえで、イメージに合わせて人物や空間を立体的に捉えて上手に使うこと。この2つを意識するとコスプレ写真はぐんと魅力的に。では、コスプレの代表選手・制服でやってみましょう。
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2 どんなキャラでどんな動きか
考えて撮ろう!- Before
- After
やりがちなのは、Before写真のようにポーズはつけているのに、同じ目線から撮っていて動きが小さくなってしまうこと。キャラがおしとやかな子ならまだ構わないけど、元気な子ならもったいない!それなら、こんな風に相手に近寄って元気なイメージを強調しよう。大きな動きを印象づけるのは奥行き。顔や手足をグっと上や前に出してパースを強調するといい。もちろん表情にも気をつけて。
目線の高さを変えると
イメージが変わる!!どんなキャラの性格か、どんな心象か、どんな雰囲気かをアニメやマンガで伝えるときによく使われるのがアングルを極端に変えること。「上から目線」だと偉そうだし、下から見あげるポーズだと幼くかわいらしいイメージになる。効果を意識して縦のラインだけでも目線の位置を変えると写真のバリエーションが増えるんです。
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ハイアングル
こんな風に手を使って動きを出すと躍動感がでて元気系にぴったり。また、小首をかしげておねだりするなどの可愛い系のキャラのイメージにもハイアングルはベストマッチ。モデルより上から見下ろすように撮影すると、下へ向かう縦のパースが強調されるから、笑顔などを印象づけたいときやキャラの小ささを印象づけたいときに使えるテク。
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ノーマルアングル
モデルと同じ目線の撮影は、普段自分の見ている感覚に一番近いため撮影しやすい。その分、明るい?シリアス?コミカル?表情は?ポーズは?全身?アップ?背景は?と撮りたいイメージを明確にしてポーズ・表情・小物などで演出しておかないと“コレ!”というコスジェニックな1枚になりづらかったりするので注意。
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ローアングル
クール、ドS、オレ様/女王様系のキャライメージなら脚長効果抜群なローアングル。とはいえ、人物に近寄りすぎると画面は脚ばかりになり顔が見えなくなるのでほどほどに。カメラ位置がかなり下になるので、相手に台に乗ってもらって自分はしゃがむなどしてカメラを低く構え、立ち位置の高低をつけるなど工夫を。
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3 空間を制する者は
コスプレ写真を制す!?カメラを構える目線位置を縦のラインでいろいろ変えてみるだけで、写真のイメージがまるで変わることは前項で実証済み。今度は、横のライン、つまり空間に奥行き感を増すことで効果をアップさせるテクニックを公開。実は背景はイメージを決定づける重要なパーツ。背景の活かし方とキャラの配置を変えると写真のイメージがかなり変わってくるので工夫と研究を!
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奥行きのある背景を
使ってみよう!(1)前項は人物への目線を変えて縦のラインを強調したけれど、今度は奥行きのある背景を使って空間を意識させるバージョン。目線はノーマルだし、ポーズもおとなしめだけれど、背景のロッカーの奥行きのラインで横の広がりが感じられてイメージが変わってくる。背景の色が少ないため、中心のキャラがより目立つのもポイント。
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奥行きのある背景を
使ってみよう!(2)奥行きのある背景で動的なポージングにしたバージョン。同じ衣装なのに躍動感あふれるイメージの写真に仕上がる。ロッカーの並びのラインで奥行きがあるので、構図は人物をセンターに置いて、奥行き感を強調しているのがポイント。ここでローアングルで撮ってもまた別にかっこいい感じになるのでイメージに合わせて撮影を。
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奥行きのある背景を
使ってみよう!(3)ロッカーの斜めのラインで奥行き感は残したままグっと人物に寄って写真の雰囲気を変えたバージョン。何を印象付けたいかを(今回の場合は表情)考えてアングルや構図を変えると、同じ場所で撮影してもこれだけイメージがガラっと変わる。表情や背景の明るさでもまたイメージは変わってくるので色々と撮ってみて会心の1枚を目指そう。
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まとめ
イメージを明確にして、人物や空間を立体的に捉えることが大事!
表情・ポージングだけじゃなく、アングルや奥行きを意識してみて!
璃波(りなみ)さん
撮りたいイメージをしっかり持つことが大事なんだ、と気付きました。そして、空間を意識して撮影すると、こんなにイメージが変わるなんて驚きでした。
Tips
いい肌を作ればレタッチも格段にラク!
普段のメイクでも下地は大事なのはご存知の通り。しかし、コスプレの場合はもっと肌感が重要! 厚塗りでなくムラなくなめらかな人工的な肌に仕上げられれば、ウィッグやカラコンとの相性はより良く、完成度が上がる。最近はコスプレ専用ファンデーションなども販売されているので、チェックしてみて。
クレジット
撮影・レタッチ/井上依子(YOL)、渡邉(yakul) モデル/じるこ、璃波 ヘアメイク/福岡亜樹
撮影協力/CURAS川崎
http://hacostadium.com/curas/
※このページの写真は一部を除いてNikon D5500で撮影しています。使用した写真にはレタッチを施してあります。
ハコスタについて
今回、撮影に協力いただいたCURAS川崎は、コスプレに特化した撮影スタジオのパイオニア、ハコスタの系列スタジオ。ハコスタは「もっと気軽に、もっと楽しく、もっと安く、レンタルスタジオを」をコンセプトに大阪・東京で展開。大規模な都市型コスプレイベントも開催中。