105点のフォーカスポイントはすべてクロスセンサーで、全点が選択可能。構図をずらすことなく、被写体のピントを合わせたい部分にAFでピント合わせができます。しかも、ひとつひとつのフォーカスポイントを縦横3列ずつのトリプルセンサー配列とし、AFエリアをD5比約1.6倍の高密度でカバー。小さな被写体もより確実に捉えることができます。
新開発のマルチCAM 37Kオートフォーカスセンサーモジュールは、さらなる低ノイズを追求。中央のフォーカスポイントで-4.5EV、その他のフォーカスポイントすべてで-4EV対応を達成※しています。低輝度下でも、あるいはコントラストの低い被写体でも、高速高精度なAF撮影が可能です。
複数の処理をシーケンス制御マイコンと並行して実行し、演算処理、制御の総合的な高速化を実現するAF専用エンジンをさらにパワーアップしました。これにより、約14コマ/秒※の高速連続撮影時にも全点同時測距を実行。得られたD5比約1.6倍のデフォーカス情報によって、捉えた主要被写体をその周辺から識別し、安定してピントを合わせ続けます。特にAFロックオンで「横切りへの反応」の強度を上げた際に、目的の位置に一段とピントを合わせ続けやすくなりました。
新AF専用エンジン、画像処理エンジンEXPEED 6、そしてこれらと共働するアドバンストシーン認識システムの性能向上によって、D6は様々な性能を一段と強化。特に、顔・上体検出情報、デフォーカス情報、動き検知情報によって、被写体の平面方向への動きの追尾性能が向上しています。また、光学ファインダー撮影時にデジタル一眼レフカメラで初めて※、瞳の位置を優先したフォーカスポイントの選択に対応。人物をポートレート的に撮影したい場合にも、より瞳にピントが合った撮影がしやすくなっています。
テレコンバーター使用時にも、合成F値※1が5.6までの明るさの場合は、105点すべてのフォーカスポイントが有効※2。合成F値が5.6より暗い場合でも、多くのシーンでAF撮影が可能です。合成F値が8となる場合でも、15点のフォーカスポイントが有効です。
フォーカスポイントのサイズを[標準]と、新たに設けた[広め]から選択できます。[広め]に設定しておくと、シャッターチャンスが突然訪れた場合など、標準サイズのフォーカスポイントでは被写体を捉えにくい場面で有効です。
テニスのスマッシュやバレーボールのスパイクの瞬間、あるいは短・長距離走のゴールシーンなどを特定の構図で撮りたいと考えるフォトグラファーにとって、D5のグループエリアAF(HL:横一列)と(VL:縦一列)はたいへん有効でした。D6はこのグループエリアAFのAFエリア形状のバリエーションを17に増大。構図やフレーム内の障害物などに応じた使い分けが可能です。AFエリア形状は2つまで、カスタムメニューでグループエリアAF(C1/C2)に登録しておくこともできます。
■ 17パターンから選択可能
カメラが自動的に、105点すべてのフォーカスポイントの情報から主要被写体を判別してピントを合わせるオートエリアAF。D6では新たにAF開始位置の設定を可能にし、オートエリアAFの応用範囲を広げました。例えばスケートボードやBMXのレースで選手が稜線から飛び出てくるような場面でも、AF開始位置を選手が現れると予測される地点に設定しておくと、突然現れた選手にピントを合わせることが可能。撮影者はこれまで以上にフレーミングに集中して撮影できます。
カスタムボタン(Pvボタン、Fn1ボタン、Fn2ボタンおよびレンズのフォーカス作動ボタン等)に[AFエリアモード]を割り当て可能。割り当てたボタンを押している間、あらかじめ設定したAFエリアモードに変更し、ボタンを放すともとのAFエリアモードに復帰します。被写体や撮影意図に応じて、AFエリアモードを切り換えられます。
D6では、ズームレンズの場合にワイド端とテレ端の2点で取得した微調節値を登録可能。ズーム全域で最適な微調節値を反映できます。さらに、AF-S NIKKOR 180-400mm f/4E TC1.4 FL ED VR、AF-S NIKKOR 500mm f/5.6E PF ED VR、AF-S NIKKOR 120-300mm f/2.8E FL ED SR VRでは、同種のレンズでも個体ごとに最適なAF微調節値を登録可能。同種のレンズを複数本所有している場合、個々のレンズだけの微調節値を使用した撮影が行えます。
「AFロックオン」※の効き方を、「横切りへの反応」と「被写体の動き」の2つのパラメーターで設定できます。「横切りへの反応」は、カメラ前を横切る被写体への反応を[敏感](横切り被写体に素早く反応してピントが合いやすく、横切り被写体通過後は素早くもとの被写体にピントが合う)~[鈍感](横切る被写体があっても、もとの被写体からピントが外れにくい)で設定可能。「被写体の動き」は、追従したい被写体のカメラに向かって来る動きの特徴を[ランダム](動きの速度が急激に変わる)~[スムーズ](緩やかな速度変化で動く)で設定できます。D6では、D5と同じ設定でも狙った被写体からピントが一段と外れにくくなっており、ラグビーやサッカーなどで、次々入れ替わるゲームの主導権を握る選手を撮りたいときや、陸上のトラック競技などで特定の選手を高倍率まで追い続けたいときなど、撮影者の狙いやスキルに合わせて設定できます。