上質と機能を融合したデザインと、光学メーカーならではの最先端光学技術を追求したレンズブランド、1 NIKKOR。長年にわたって培ったNIKKORの信頼と実績を受け継ぎ、その高品質はニコンならではの数々のテクノロジーが支えています。
ニコンのデジタル一眼レフカメラに採用されているFXフォーマットやDXフォーマットとも違う、新規格のセンサーフォーマットを採用。小型サイズのセンサーがレンズを含むカメラシステム全体のコンパクトな設計を実現。また、高画質と高速性を両立します。
レンズマウントとは、カメラとレンズを装着する機構です。Nikon 1の開発に合わせて生み出されたこのマウントは、センサーのポテンシャルを引き出し、同レベルのスペックを持ったデジタル一眼レフカメラ用のレンズと比べて、軽く携帯性に優れたレンズ設計も実現しています。
ナノクリスタルコートは、ニコンが最先端の半導体露光装置を開発する過程で生み出した、非常に効果的なレンズ反射防止コーティングです。ナノサイズ(1ナノメートルは、1/1,000,000mm)の極めて微細な結晶粒子からなる超低屈折率層を持ち、可視光線(380nm~780nm)の全領域で、多層膜コーティングなどの従来の反射防止コーティングの限界を超えた、高い反射防止効果を実現しています。これにより、従来のコーティングでは低減が困難だった、赤い光によるゴースト防止効果も飛躍的に向上しました。さらに、斜めから入射する光に起因するゴースト、フレアに対しても大きな低減効果を発揮し、安定してクリアーな画像が得られます。特殊な製造工程が必要で、プロフェッショナル愛用の一眼レフ用交換レンズでも一部の高級レンズにしか採用されていません。
EDレンズは、ニコンが世界に先駆けて開発した、プリズムの色分解作用を少なくするED(特殊低分散)ガラスを使用したレンズです。EDガラスは低分散で、しかも結晶素材の蛍石のように異常部分分散性を有し、2次スペクトルの除去が可能。通常の光学ガラス使用のレンズでは焦点距離が長くなるほど色収差の補正が困難になり、焦点ズレによって発生する色のにじみを、EDレンズは効果的に低減します。NIKKORレンズでは、望遠系のレンズを中心に幅広く採用し、優れた描写性能を実現しています。ニコンはさらに、EDガラスの光学特性を徹底して追求し、より低分散で、2次スペクトル除去能力などの諸性能が極めて高く、優れた色収差補正能力を実現したスーパーEDガラスも開発。
非球面レンズとは、片面または両面に球面でない曲面を持つレンズで、球面収差などさまざまな収差を効果的に補正します。特に、広角系のレンズで問題となるディストーション(歪曲収差)のコントロールに、大きな効果を発揮します。ディストーションは、被写体がレンズを通して結像する際、像高(画面中心からの距離)によって倍率が異なるために生じる収差(像の歪み)のことです。ニコンは1960年代に世界に先駆けて非球面レンズの設計理論、加工技術を確立。1968年には世界で初めて非球面レンズを採用した「35mm一眼レフ用交換レンズOP Fisheye-Nikkor 10mm F5.6(正射影方式魚眼レンズ)」を発売しました。その後も数多くのレンズに採用し、レンズのコンパクト化、優れたコントラスト・描写性能を実現しています。また非球面レンズには、ガラスレンズの上に樹脂を非球面形状に形成する「複合型非球面レンズ」、直接ガラス素材を非球面形状に形成する「ガラスモールド非球面レンズ」の2種類があります。
屈折率が2.0以上と高く、1枚で通常の光学ガラスレンズ複数枚分同等の補正効果が得られます。それにより1枚で像面湾曲と球面収差を同時に補正でき、小型・軽量化を可能にしています。
水深15mの防水性能※1と落下2mの耐衝撃性能※2を兼ね備えた世界初※3のレンズ交換式デジタルカメラ用レンズです。レンズ前面の保護ガラスには、水圧に耐えられるように強度を持たせ、さらに汚れを付きにくくするため、表面には撥水性のあるコーティングを施しました。また防水仕様にするために、レンズの両端にシーリングゴムを入れ、さらに衝撃にも耐えられるように外観はできるだけシンプルにしています。これらにより、高い防水、防塵、耐衝撃性に加えて、既存レンズと同等の光学性能を確保しています。山、海、プール、スキー場などアウトドアシーンにおける写真や動画の撮影に最適です。
VR機構は、レンズ内のセンサーがカメラのブレを検出し、ブレを打ち消す方向に光学系の一部を駆動して画像のブレを軽減します。夕暮れや夜景、暗い室内での撮影などシャッタースピードが低速になる場面や、望遠レンズでの手持ち撮影等で起こりがちな手ブレに効果的です。また、この手ブレ補正効果は、CIPA(カメラ映像機器工業会)規格による試験条件に準拠し、シャッタースピード最大4.0段の大きな手ブレ補正効果が得られます。VRをONにすることで、撮影者が通常手ブレしてしまうシャッタースピードでも手ブレの少ない画像を撮影できます。また、薄暗いシーンでも、ISO感度を抑えて撮影することができるので、高感度ノイズを軽減することもできます。
ニコンのVR機構では、「シャッターボタン半押し時」と「シャッターボタン全押し時(露光時)」では、アルゴリズムを変えています。「シャッターボタン半押し時」にはファインダー像の見え方に着目し被写体を捉えやすくするため、ブレ軽減の度合いを少し弱めに制御する、半押し時専用のアルゴリズムを採用しています。「シャッターボタン全押し時」には、半押し時とは異なる露光時専用のアルゴリズムを採用し、露光する瞬間のブレを最大限に軽減して、シャープな撮影画像を提供します。このようにニコン独自のデュアル・アルゴリズムによって、長時間にわたって見続けられる快適なファインダー像を実現しています。
ニコンのVR機構は、撮影シーンの違いやレンズの仕様によるブレの違いを考慮し、レンズごとに最適なブレ補正のパラメーターを設定しています。また、1製品のVR機構の開発に10,000枚以上の実写テストを実施することで、それぞれのレンズに最適化したチューニングを行っています。これは、全てのレンズにひとつのVR機構で対応するボディー内補正方式では実現が難しい、レンズ内補正方式ならではのメリットです。
レンズ内補正方式では、各レンズに合わせてVR機構設計を最適化できるため、望遠撮影でも変わらない補正効果が得られます。一方、ボディー内補正方式では、レンズの焦点距離が長くなるほど大きな撮像センサー移動量が必要となり、補正効果が低減する傾向にあります。
ブレ補正のために端に寄ってしまったVR光学系を、露光前に瞬時に光軸の中心に戻し、改めて露光時のブレ補正を実行する技術が露光前センタリングです。露光直前にVR光学系を光軸の中心に戻すことで、全方位に等しく最大限の移動量と光学性能を確保できます。
足場が安定している状態で、しっかり構えて撮影する際の手ブレを効果的に軽減します。構図の変更などの意図的な動きと手ブレを区別し、手ブレのみを補正することが可能であり、さらに撮影時のファインダー像をより安定した像として確認することができるため、被写体に集中して撮影することができます。
自動車や船舶、ヘリコプターなどの揺れる乗り物の上で撮影する時などは、意図的な構図変更とは無関係に大きくゆっくりした動きがカメラに伝わります。このような撮影状況でアクティブモードを選択すると、大きくゆっくりした動きもブレとして認識し、ファインダー像、撮影結果ともに的確に補正機能が働きます。さらに、手持ちや歩きながらの動画撮影時にも、的確に補正機能が働きます。Nikon 1では初期設定でアクティブモードになっています。
流し撮りとは、動いている被写体に合わせてカメラを動かしながら撮影するテクニックの事です。水平に移動する被写体の場合は、水平方向のカメラの動きを検知して、自動的にブレ補正の機能を制御、上下のブレのみを補正します。特にモード切り換えの操作を必要としないため、シャッターチャンスを逃しません。
レンズを複数の群に分割し、それぞれを独立して移動させることで、特に明るいレンズで目立ちやすい撮影距離による収差変動を軽減し、遠距離でも近距離でも良好な描写が得られます。
オートフォーカス時でもフォーカスリングを回せば、タイムラグ無しでマニュアルによるピント合わせができる機能です。これにより、オートフォーカスでは意図したところにピントが合わせにくい場合でも、瞬時に微調整をすることができます。
滑らかなズーミングで、質の高い動画撮影が楽しめます。さらに1 NIKKOR VR 10-100mm f/4.5- 5.6 PD-ZOOMはスイッチをスライドさせることで、等速で静かなズーミングが可能です。撮りたい映像に合わせてズーム速度も変えられるので、表現の幅が広がります。
沈胴機構は使用していないときにレンズがコンパクトに収まる設計になっており、電動・手動の2種類があります。電動ではカメラ本体の電源ON/OFFに連動して鏡筒が自動的に伸縮します(パワー沈胴)。手動ではレンズの沈胴機構に連動して、カメラ本体の電源ON/OFFが切り替わります※1※2。
ニコンが独自に開発したAF駆動用のSWM(Silent Wave Motor)は、進行波を回転エネルギーに変換して、フォーカス光学系を駆動します。STMやVCMと比べて大出力が得られ、質量が大きいレンズでも静粛に駆動できます。
STMはパルス電力に同期して動作するモーターで、電気信号1パルスにつき1ステップ分回転します。起動や停止時のレスポンスや制御性が高く、シンプルなメカニカル構造により駆動音も極めて静かなことが特長です。動画撮影時など、レンズの駆動音が気になる場面で活躍する新技術です。
ニコンが独自に開発したAF駆動用のVCMは、スピーカーの原理を発展させたリニアモーターです。ギアを用いることなく、光軸方向にダイレクトに力を発生させることができるため、限りなく無音に近いフォーカシングが可能です。1秒間に約2000回もレンズの位置を確認しながら制御することで、高速かつ高精度なオートフォーカスを実現しています。
フォーカスリングを回転させるスピードに応じて、フォーカスの送り量を変化させます。速く回転させることで、ピントの位置が大きく移動し、ゆっくり動かした場合には小さく移動します。それにより直感的なフォーカシングが可能となります。
ニコンが独自に開発した、広い波長域で高い透過率を実現する多層膜レンズコーティングです。レンズ構成枚数の多いズームレンズでも、逆光時等のフレアやゴーストを軽減し、高コントラストで豊かな階調表現が可能です。カラーバランス、色再現性に優れ、デジタルカメラ特有の現象である、撮像素子からの内面反射によって発生するフレアやゴーストも抑制します。
フォーカス、絞り、VRなどの駆動機構で静音性に優れた設計をしており、特に動画撮影に配慮した独自の静音規格を設けています。それにより、カメラ本体の電子シャッターとの組み合わせで、ほぼ無音に近い撮影が可能となるため、音を出してはいけない場面で便利です。