ニコンのフラッグシップカメラでは、これまでも横位置撮影と同様に縦位置撮影でも快適性を追求してきました。Z 9は画像モニターに4軸のチルト機構を採用。横位置では画面を上90度、下43度、縦位置では上90度、下23度傾けることができるため、多彩なアングルから撮影可能です。
縦位置での静止画撮影時には、画像モニターと電子ビューファインダー内の情報表示類が縦位置表示になるため、設定確認も簡単です。
操作ミスを起こさない操作系のレイアウト、カスタマイズ可能なボタンの多さはプロフェッショナルフォトグラファーにとって欠かせない要素です。Z 9のボディーはこのようなニーズを満たしながらも、D6と比較して体積で約20%の小型化を実現しています。独立したフォーカスモードボタンを新たに設置し、ファインダーから目を離すことなくフォーカスモードとAFエリアモードの変更が可能。画像確認作業の高速化に配慮しており、再生・拡大・縮小ボタンは、縦位置でも横位置でも右親指で素早く操作できる位置にレイアウトしています。さらに、カメラの正面にある3つのFnボタンは誤操作を防げるよう十分な間隔を空けて配置しています。また、再生機能をプロテクトボタンに割り当て、D6同様の操作性にカスタマイズすることもできます。
N-RAWやオーバーサンプリングの4K UHD 60p/50p等発熱量が多い設定を使用する際、カメラの内部温度が上昇して自動的に電源がOFFになるまでの時間を、「自動電源OFF温度」を[高]に設定することで延長できます。長時間撮影することを優先したいときに便利です。[標準]時、[高]時ともに、突然電源がOFFになることはなく、一定温度に達すると画像モニターに30秒のカウントダウンが表示されるので、余裕をもってカメラの冷却対策や予備カメラの準備ができます。
星景撮影のような暗い場所でも、設定や画像確認に必要なボタンはイルミネーションで明確に視認できるため、昼間と同じようにスムーズな操作が可能です。
「スターライトビュー」をONに設定すると、撮影画面が明るく見やすくなり被写体の確認が容易になるほか、AFの低輝度限界も-8.5EV※まで拡張されるため暗いシーンでもAFでピントを合わせやすくなります。
暗さに目が慣れたときにメニューや被写体を見やすくする「赤色画面表示」を搭載。明るさを抑えた赤色で表示し、目の負担を軽減します。
静止画モード、動画モードともに、数多くのボタンやダイヤルに多彩な機能を割り当て、撮影現場のニーズに即して使やすさを高めるカスタマイズが可能。機能割り当てが可能なボタンを追加するとともに、割り当てられる機能に[フォーカス位置の登録]と[フォーカス位置の呼び出し]を追加しました。あらかじめレンズにピント位置(フォーカス位置)を登録して、その位置に素早くピントを合わせる(フォーカス位置の呼び出し)メモリーリコール機能を使用可能※。頻繁に決まったピント位置で撮影する場合に便利です。
カスタム設定はボタンやダイヤルに留まりません。撮影画面カスタマイズでは、画像モニターとファインダーの表示を撮影者のニーズに合わせて変更できます。設定情報を非表示にして、画面の端から端までを確認しやすくすることもできます。
パワーズーム(PZ)レンズ装着時、レンズのズームレンズを回す以外にも、カメラのボタン操作で電動ズーミング(パワーズーム)が可能です。ズーミングの速度も設定可能。特に動画撮影時には一定の速度で滑らかにズームイン・アウトする映像が容易に撮影できます。さらに、カメラの電源をOFFにしてもズーム位置を保持する設定も可能です。
シャッターボタンを全押ししてから一定時間経過した時点でシャッターがきれる「露出ディレーモード」を新たに搭載。シャッターボタンを押す操作で発生する振動をリモコンを使わずに回避できるため、細かい振動も気になる風景撮影や天体撮影に有効です。
ファッションやポートレート撮影では、モデルに撮影タイミングを知らせることが大切です。Z 9では、ニーズやシーンに合わせて5種類の電子シャッター音を選択可能※。電子シャッター音のON/OFF、音量調節(5段階※)ができます。
Z 9はすべてがプロフェッショナルのワークフローの高速化を追求して設計されています。約0.4秒※の高速起動が可能なため、シャッターチャンスに瞬時に対応できます。再生画面のサムネイル表示モードでは、スムーズなタッチ操作で高速の画面スクロールが可能。目的の画像をよりスピーディーに選択し送信できます。
Z 9は、D6同等の高い防塵・防滴性能、優れた堅牢性を確保するだけでなく、一段と高度な信頼性を実現しています。マグネシウム合金を採用した前面、背面カバーは、底面カバーと一体化した構造にすることで高い放熱効率を実現。また、各パーツの素材を徹底的に見直しており、-10°Cでも支障なく作動します。ボディー内のVR機構にはロック機構を搭載し、電源オフ時などにイメージセンサーを固定。悪路走行など過酷な環境での移動等で、イメージセンサーがダメージを受けないよう保護します。さらに、メカシャッターを必要としない設計によって、シャッター耐久性や故障のリスクを気にすることなく大量の写真を躊躇なく撮影可能。シャッター幕の摩耗によるダストの発生もありません。
Z 9は従来のセンサークリーニングに加えて2つのダスト防止機能を搭載し、イメージセンサーにダストが付着するリスクを最小限に抑えています。イメージセンサー前の光学フィルターに、世界初※のダブルコートを採用。導電コートでダストの付着を軽減するとともに、フッ素コートで付着したダストの拭き取りを容易にしています。さらに、センサーシールドを搭載。カメラの電源OFF時にセンサーシールドを閉じることができるため、レンズ交換時にもダストが付着しにくく、指も触れにくくなっています。
Z 9では手ブレ補正が進化。5軸補正のボディー内センサーシフト方式VRと、2軸補正のレンズシフト方式VRが連動し(シンクロVR)※1、6.0段※2の手ブレ補正効果を発揮します。手ブレが気になる望遠撮影や低速シャッタースピードでの静止画撮影、動画撮影の手ブレの影響も、より効果的に補正できます。
Z 9ではRAWユーザー向けに高効率RAWを新たに採用しています。新アルゴリズムの高効率圧縮により、非圧縮RAWと同レベルの高画質を維持したまま、約1/3※のファイルサイズを実現。データが軽くなるため、メディアへの記録やパソコンでの編集作業などが軽快になり、これまで以上にRAWファイルが扱いやすくなります。
Z 9のLi-ionリチャージャブルバッテリー EN-EL18dは、1回の充電で、最高約700コマ※1、連続撮影時には約5310コマ※2の静止画撮影、約170分※3の動画撮影が可能です。USBケーブル UC-E25(別売)を使えば、撮影中にモバイルバッテリー※4やパソコンからUSB給電も可能。さらに長い時間撮影できるようになるので、屋外でのタイムラプス撮影や動画撮影に大変便利です。
リモート撮影時や、プレスルームなどに一時的にカメラを置いておくような際に、セキュリティーワイヤーを使って盗難を防げるケンジントンロックに対応。機材から離れていても安心です。
Z 9の表現の幅をさらに拡大できるよう専門メーカーと提携し、Z 9と互換性のある多彩なアクセサリーを用意しています。特に広告・ファッションジャンルの静止画撮影用に、普段使い慣れているライティングアクセサリーを展開。また、動画撮影用に、ブレを極力抑えたい場合、長時間の記録が必要な場合に有効なアクセサリーや、ファンタム電源が必要なプロフェッショナル仕様のマイクロホンを使用可能にする、XLRアダプターにも対応しています。