目で見た印象に近い画で撮影できる標準域の単焦点レンズの中でも、今回は40mmのレンズをピックアップ。様々な被写体を捉えた作例を、撮りかたのポイントも含めたっぷりとご紹介します。35mmや50mmを使っていた方にとっては新鮮な感覚で、また初心者の方にも広すぎず狭すぎず、汎用性の高いちょうどよい画角としておすすめの1本です。
撮影監修:斎藤勝則
NIKKOR Z 40mm f/2
クラシックなマニュアルレンズにインスパイアされたデザインを採用した「NIKKOR Z 40mm f/2(SE)」。本コンテンツでご案内しているNIKKOR Z 40mm f/2のもつ機能・特長と性能はそのままにアイコニックなスタイルのこのレンズは、1980年代に発売されたフィルム一眼レフカメラ「ニコン FM2」の雰囲気をまとうZ fcボディーにぴったりとマッチする佇まい。リングのローレットを当時の設計図を研究して忠実に再現するなどこだわりをもってつくられた、撮影が楽しくなるような高いデザイン性と操作性を両立したレンズです。自分好みのスタイルに合わせてレンズが選べるのは楽しいですね。
広角、標準域の単焦点レンズといえば28mm、35mm、50mmなどになじみのある方が多いのではと思います。では、40mmはどのような写りかたをするのでしょうか。
同じ場所から35mm、50mmで比較撮影してみると、35mmは広角らしく広く背景を入れたポートレートとして、50mmは人物をメインとしたポートレートとして、40mmはその中間、人物と背景をバランスよくフレーミングできる印象です。
次に、40mmで同じ被写体を様々な角度で撮影しながら、レンズの特長を見てみましょう。
APS-Cサイズ(DXフォーマット)のカメラに装着すれば、60mm相当(35mm判換算)の中望遠レンズのように撮影することができます(フルサイズ(FXフォーマット)のカメラでも、[撮像範囲設定]を[DX(24×16)]に設定することで60mm相当の画角で撮影できます)。
大きく美しいボケ味、中望遠画角の程よい圧縮感や立体感のある描写はポートレート撮影にも最適です。
広々とした風景全体を写せるほど広い画角ではありませんが、目の前の風景の中から画になる場所を見極めフレーミングしていくという40mmならではの見せかた、画作りが楽しめます。
歪みの少ない自然な印象のポートレートが撮れる40mm。開放値F2という明るいレンズを活かした大きなボケ味や短い最短撮影距離を活かした画作りができ、またモデルさんに威圧感を与えないコンパクトさも魅力です。
持ち歩きながら気軽に撮影できるコンパクトさ、目で見たものをそのまま捉える40mmレンズはスナップに最適です。開放絞り値がF2と明るいため美しいボケ感を演出するだけでなく、暗所や逆光時も単焦点レンズならではの描写力が得られます。
広角では歪みが気になったり、標準では少し下がらないと撮れなかったりと他の画角でのテーブルフォトに苦手意識のある方に特におすすめしたい40mm。テーブルフォトも目で見た印象そのままに撮影ができます。明るいレンズの美しいボケ感は物を印象的に写し、また短い最短撮影距離を活かして引くだけでなく物に寄った画づくりができるのもうれしいポイントです。
汎用性の高い40mmの画角を持つ、コストパフォーマンスの高さも嬉しい小型・軽量の単焦点レンズです。開放F値2と明るく、また9枚の絞り羽根によって得られる円形に近い美しいボケ味は被写体をより印象的に描写。新開発の小径・高トルクSTM(ステッピングモーター)により、高速・高精度で静粛なAF制御を可能にしました。街角スナップやポートレート、最短撮影距離0.29mを活かしたテーブルフォトまで多彩なシーンで活躍する1本です。
このギャラリーでは「レンズレッスン」で撮影した作品を掲載しています。
レンズの種類や目的で絞り込んで作品を検索することができますのでこの種類のレンズでどんな作品が撮れるのか、またお持ちのレンズの参考にしながらご覧ください。