撮影場所:室内
時期:初夏
時間帯:日中
天気:薄曇り
今回のテーマは室内で撮るポートレートです。あらかじめ撮影場所の家具やインテリア、自然光の入り方や間接照明などどんな光源があるかを確認しておき、それを十分に活かせる撮影プラン、仕上がりイメージを固めて撮影に臨むとよいでしょう。
さほど遠くまで引けない屋内での撮影、またポートレートではモデルのとのコミュニケーションが必要なため離れて撮る望遠レンズは使いにくいでしょう。大きなボケ味と適度な距離感を保って撮影できる中望遠、ゆがみなく見た目に近い印象で撮れる標準画角のレンズなど、部屋の広さや撮りたい画角に合わせて機材を選びましょう。また室内は暗くなりがちですので、明るめのレンズを用意しておくと安心です。
撮影監修:斎藤勝則
NIKKOR Z MC 50mm f/2.8
NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
ワンルームマンションの一室と、大きな窓と家具が並ぶスタジオの2か所を借りて撮影を行いました。ワンルームマンションでは部屋にあるベッドやクッションなどを使い、アットホームな空気感、リラックスしたイメージで撮りました。スタジオではおしゃれな家具の雰囲気を活かして、花、布、グラスなどの小道具も使いながら撮影しています。
レンズは50mmと105mm、2本のマイクロレンズを選びました。ポートレートでマイクロレンズ? と思うかもしれませんが、大きく美しいボケと解像感の対比がとても印象的に人物を捉えてくれますし、また周辺の雰囲気を写し込んだ引きの画からモデルの一部分に寄った画まで多様な画作りが可能なレンズですので、ポートレート撮影でも大変活躍します。明るいレンズであるということも、光が少ない状況で撮ることも考えられる室内では有利です。
NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
窓を背景に横向きに立ってもらい、小道具として用意したかすみ草をレンズの前に入れて撮影しました。105mmのレンズで絞りをf/3まで開き、手前のかすみ草と背景を大きくボカしています。やわらかく美しいボケと対比してピントの合ったモデルにパッと目が行きます。背景となった大きな窓の向こうには草木が茂っており、大きくボケたことでグリーンが美しいグラデーションとなり写真をより幻想的にしています。
NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
顔を正面からアップでフレーミング、あえて目ではなく顔の前に落ちた髪の毛にピントを合わせて撮った1枚です。絞りをf/3.2まで開き、さらに撮影距離が短くなるほど被写界深度が浅くなるのを利用してほんの一部分のみピントを合わせています。あわい斜光に照らされた髪の毛のやわらかな質感や毛の流れなど、1本1本の毛を繊細に捉えたレンズの解像感がよく伝わります。105mmのレンズを使っていますので、モデルとの距離感も近づきすぎることなく撮影できました。
NIKKOR Z MC 50mm f/2.8 VR S
窓ガラスを背に座ってもらったモデルを、50mmのレンズで室内の雰囲気を入れ込みながら引きで撮影しました。逆光ですので「アクティブ D- ライティング」は強めに、晴れていたため窓の外が白飛びしすぎないよう-0.7露出補正をかけています。絞りをf/8まで絞ったことでモデルの衣装の柄から床板の模様など細かい部分までしっかり描写されているのがわかります。
室内にある家具、インテリア、小物を効果的に写真に取り入れた撮影アイデアをご紹介します。ロケ撮影では持ち歩くのが大変な撮影小物も室内であれば準備しやすいですし、モデルの表情やポージングにもバリエーションが出ます。アイデアを練って、準備しておくのがおすすめです。
マクロ撮影だけでなくスナップ、ポートレート、風景まで幅広いシーンで楽しめる最短撮影距離0.16mの小型軽量マイクロレンズです。マイクロレンズ特有の大きくやわらかなボケ、ゴーストやフレアを効果的に低減した抜けの良いクリアーな画像、Zマウントだからこそ実現した高い解像力が魅力の1本です。
マクロ撮影からポートレートまで、ひと際美しいボケと鮮明に描写する高い解像力とのコントラストが目を惹きつける最高峰の中望遠マイクロレンズです。開放F値2.8の明るいレンズはVR機構と併せてブレを効果的に補正。暗いシーンを始め、多様な現場で幅白い表現が楽しめます。最短撮影距離は0.29m。
このギャラリーでは「レンズレッスン」で撮影した作品を掲載しています。
レンズの種類や目的で絞り込んで作品を検索することができますのでこの種類のレンズでどんな作品が撮れるのか、またお持ちのレンズの参考にしながらご覧ください。