Nikon Imaging
Japan
プレミアム会員 ニコンイメージング会員

Lesson35:雨のしずく

撮影シチュエーション

撮影場所:雨の日の屋外

時期:夏季

時間帯:日中

天気:

雨の日は外に出るのも億劫になりがちですが、そんな日にこそ出会える風景があります。街は風情を変え、色濃く艶やかに映る濡れた草花、水たまりや降る雨の臨場感、傘をさす人々も雨の日ならではの被写体です。
今回は、雨の風景の中でも「しずく」をテーマに絞って撮影を行いました。カメラの雨対策はしっかりとしながら、また土砂降りなどで撮影条件が厳しい日は避けるなど安全を優先しながら撮影を楽しみましょう。

撮影監修:斎藤勝則

今回選んだレンズ

マイクロレンズ

AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

  • 雨粒にぐっと寄ったクローズアップ撮影で、形状や質感までもシャープに捉えることができます。
  • 標準レンズに近い画角で、ポートレートや風景、スナップ撮影なども楽しめます。
  • 今回はZ マウントのミラーレスカメラでの撮影を行ったため、マウントアダプター FTZを装着して撮影しました。
標準ズーム

NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

  • 広めの風景からスナップ、一部分に寄った画までこれ1本で幅広い画が撮影できるため、雨の日のレンズ交換の手間を省くことができます。
  • 最短撮影距離がズーム全域で0.3mと短いため、雨粒に寄った画も狙うことができます。
  • 軽量なうえ水滴の侵入を防ぐ防滴に配慮した設計で、雨の日にも持ち運びがしやすい1本です。
撮影場所と撮影位置

雨が降ったり止んだりの1日。カメラにはしっかりと雨対策をして、レインコートと光を通す透明なビニール傘で街の中を歩きながら撮影を行いました。機材は通行性や防滴に優れたZ マウントのカメラとレンズをメインセレクト。レンズ交換を最小限にするためマイクロレンズと1本でも幅広い画が撮れる標準ズームを持って行きました。
基本的に手持ちでの撮影になるうえ、小さく動きのある雨のしずくをしっかりと捉えるためにはある程度早いシャッタースピードが必要です。薄暗くなる雨の日はシャッタースピードが遅くなる傾向がありますので、ISO感度を上げて対応しましょう。仕上がりのイメージに合わせて露出やホワイトバランスで色味を変えてみるのもおすすめです。

撮影した写真の比較

マイクロレンズ

AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

草花についた雨粒は雨の日ならではのフォトジェニックな被写体です。葉の表面にある細かな毛に弾かれきれいな丸みを帯びたしずくの繊細な美しさを表現するため、マイクロレンズでぐっと寄って撮影を行いました。クローズアップ撮影ではピントの合う範囲が狭くなるため、球体の表面にしっかりとピントを合わせましょう。
上から覗き込むように撮るためレンズ面に雨がかかるのを避けやすい被写体ではありますが、暗くなりがちですので手ブレには注意が必要です。今回はISO感度を800まで上げ、シャッタースピードを1/400秒まで確保。雨粒の表面に映りこむ影さえも見えるほど大きく、繊細に捉えることができました。

マイクロレンズ(焦点距離60mm)で、最短撮影距離から撮影

標準ズーム(焦点距離60mm)で、最短撮影距離から撮影。マイクロレンズではかなり寄って撮影できることがわかります

マイクロレンズ

AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

マイクロレンズで雨のしずくをクローズアップ撮影。今度は絞り(周囲のボケ具合)を意識して撮影を行いました。1枚目はある程度絞り込むことでしずくの立体感をしっかりと見せ、リアリティーある描写にしています。2枚目は絞りを開放気味にして花についたしずくの一部分にピントを合わせ、ふんわりと幻想的なイメージで撮影しました。
マイクロレンズでは絞りだけでなく被写体との距離感によってもボケかたは大きく変化します。近接撮影になるほどピント合わせも手ブレもシビアになりますので、シャッタースピードが遅い場合はISO感度を上げるなどしながら撮影を行いましょう。

絞り値:f/4.8で撮影

標準ズーム

NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

フェンスや手すり、ガラスや壁面、車のフロントなど街を歩けばあちこちに雨粒を見つけることができます。シチュエーションに合わせながら、標準ズームで自由に切り取って撮影してみましょう。
1枚目は手すりの上面に落ちた雨のしずくを撮影、広範囲にピントが合うよう絞りを絞って斜め横から立体感が出るようフレーミングしました。大小さまざまな形のしずくにフォーカスすることで、不思議な模様が連なるアート風の作品になりました。
2枚目は、持っていた透明のビニール傘を撮影の小道具として使用。傘に付いたしずく越しにカメラを構えると、窓の内側から撮影したかのような不思議な雰囲気で撮ることができます。色味のあるアジサイを背景に、しずくにピントを合わせた1枚です。

雨の日の装備

レインカバーハンディータイプ3

雨の日にカメラとレンズを守る対策として、カメラ用のレインカバーを準備しておくと撮影時も便利で安心です。またレンズフードはレンズ面を水滴から守るためにも必ず装着しましょう。機材を入れるカメラバッグも濡れないようレインカバーなどをかけて保護することを忘れずに、カメラやレンズが濡れたときに拭くためのきれいなタオルも準備していきましょう。

レインカバーを持っていくほどでもないけれど雨が心配な日や撮影中の急な雨のときに役立つアイテムとして、シャワーキャップがおすすめです。持ち歩くときは全体を覆うようにかぶせ、撮影時は先端を花形フードの先端に引っ掛け(丸形フードの場合はテープで止める)、モニター側はファインダーを避けるようにしておくとよいでしょう。
場所も取らないので、常に携帯しておくと便利です。ただし簡易な方法になりますので、雨の強いときは注意してくださいね。

こんな写真も撮りました

使用レンズ・機材

NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

広角24mmから中望遠70mmの使い勝手のよい焦点距離を持つ、Z マウントの標準ズームレンズ。開放F値はf/4で一定、また最短撮影距離もズーム全域で0.3mを実現。ボタンレスの沈胴式ボディーを採用し携行性にも優れ、機動力と高い光学性能を両立させました。幅広い撮影フィールドや被写体で活躍する1本です。

製品の情報はこちら

AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

ゴーストやフレアの少ない鮮明な画像が得られるナノクリスタルコートを採用したマイクロレンズ。コンパクトなサイズと60mmの焦点距離が、撮影だけでなくポートレートや風景など幅広い被写体に活躍します。最短撮影距離は約18cm。

製品の情報はこちら

ギャラリー

このギャラリーでは「レンズレッスン」で撮影した作品を掲載しています。
レンズの種類や目的で絞り込んで作品を検索することができますのでこの種類のレンズでどんな作品が撮れるのか、またお持ちのレンズの参考にしながらご覧ください。

ギャラリーはこちら

ニコンイメージングプレミアム会員
ニコンイメージング会員