撮影場所:山沿いのローカル鉄道
時期:梅雨
時間帯:午前中
天気:曇り
パワーあふれる列車の走行写真や旅情に満ちた鉄道風景写真など、さまざまな表現が可能な鉄道写真。鉄道ファンではないかたには敷居が高く感じられるかもしれませんが、望遠と広角の両方をカバーするレンズがあれば、さまざまな表現に挑戦することができ便利です。また列車運行の妨げにならない位置から撮影するなどマナーを守り、安全には特に気を付けて撮影を楽しみましょう。
撮影監修:斎藤 勝則
AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-6.3G ED VR
雨の日の午前中。ほとんど影ができない曇り空のため、光の向きを気にせずに撮影場所を選定しました。
踏切の脇から奥に向かって線路が右に大きくカーブし、その向こうには山が広がっています。踏切に向かって左側の線路沿いには架線柱が並んで立っています。踏切から向かって右の線路は一直線に伸びています。電車がこちらに向かって走ってくる瞬間がここからなら安全に撮影できそうです。
まずはこちらの作例をご覧ください。
迫ってくる列車を写すことはできていますが、どこかパッとしません。何がよくないのでしょうか。
列車が主体の安定感のある作品にするためには、レンズはゆがみの出にくい望遠側にしてから撮影位置と構図を決め、レールの周辺に目障りなものがないか、画面の水平がとれているかなどをチェックしましょう。列車の前面を画面の真ん中に置いてしまうと進行方向に空間が空き過ぎてしまい不安定な印象になるため、すこし進行方向寄りに配置できるとベストです。列車がベストな位置に来る少し前から行き過ぎるまで連写するのをおすすめします。
これらに注意してもう一度撮影したのがこちらの写真です。
架線柱がどうしても写り込んでしまう位置ですが、1両目が柱を通り過ぎてからシャッターボタンを押し、目障りにならないようにしました。画面の水平に注意し、列車前面を画面いっぱいのベストポジションで写し込んだことで迫力のある一枚になりました。
カメラアングルを変えたり列車を横から写したりすることで作品に変化が生まれます。
広角も望遠も1本でカバーできる高倍率ズームならそれぞれの特徴を活かした作品をレンズを変えることなく撮影できます。イメージにあわせた写真表現ができると撮影はより楽しくなることでしょう。
列車が正面からやってくる位置では、長い区間で撮影ができます。ズームレンズを活用し、遠くにいるときには望遠側、近づいてきたら徐々に広角側にすれば、1本の列車で複数パターンが撮れます。カメラは手持ちで、列車が近づくのに合わせてフレーミングを調整してシャッターボタンを押します。ファインダーをのぞいたまま撮影を続けることになりますので、撮影位置は事前に列車の走行を妨げない場所か確認してから決め、撮影時はそこから動き回らないようにしましょう。
列車が自然の中を走る姿を撮影してみましょう。季節や時間帯ごとの光をうまく活かせば、詩情のある作品になります。
踏切や線路、駅などさまざまな鉄道施設にも目を向けてみましょう。とくにローカル線では、レトロな趣のある木造駅舎に出会えることがあります。列車の到着を持ちつつ、駅舎やそこにある時刻表など旅情あふれる光景にもレンズを向けてみましょう。
広角から超望遠の画角をカバーする、約16.7倍のDXフォーマット対応高倍率ズームレンズ。EDレンズ、非球面レンズを採用した高い解像感を実現する高画質設計。また、超望遠撮影時に効果を発揮する、ブレ軽減効果の高いVR機構を小型軽量ボディーに搭載。風景を広く写し込んだ広角撮影や、主要被写体に大胆に迫る超望遠撮影まで、1本のレンズで多彩な表現が可能です。
このギャラリーでは「レンズレッスン」で撮影した作品を掲載しています。
レンズの種類や目的で絞り込んで作品を検索することができますのでこの種類のレンズでどんな作品が撮れるのか、またお持ちのレンズの参考にしながらご覧ください。