寒さの中にも少しずつ春の足音が聞こえ始める季節。千葉県鋸南町では「頼朝桜」と呼ばれる河津桜が満開を迎えました。「日本一の桜の里」を目指し、保田川や佐久間ダム湖親水公園などを中心にさまざまな種類の桜約14,000本が植えられているこのまちでは、一足早く春を満喫することができます。というわけで今回は、Z 30と一緒にピンク色に染まる桜の里を巡り、頼朝桜が織りなすさまざまな春景を楽しみました。
頼朝桜巡りのスタートは、「源頼朝上陸地」とされる竜島海岸。小さな記念碑が、今日の1枚目です。石橋山の戦いに敗れた源頼朝がこの海岸に上陸したという史実にちなんで、鋸南町では河津桜を「頼朝桜」の愛称で呼んでいるのだそうです。
そこから車なら数分、保田川の中流から上流にかけて約600本の頼朝桜が植えられた「保田川頼朝桜の里」に到着です。トライポッドグリップを握って、桜を眺めながら川沿いをてくてく。どの木も比較的背が低いので、間近で観察しつつトライポッドグリップで桜がきれいに見えるアングルをさがすのが楽しい! ピンクで小ぶりの花がとってもキュートで、シャッターボタンからなかなか指を離せません。
春色に染まる並木道を歩いていると、やがて川岸一面に菜の花の広がるスポットに! 鮮やかなピンクと黄色、その早春色のコントラストに、気分はすっかり春爛漫。桜や菜の花に近寄ったり、レンズを望遠ズームに換えて遠くから撮ったり、頼朝桜のいろいろな表情をZ 30と一緒に楽しみました。
桜を撮ったとき、思ったよりも花が暗く写ってしまったことはありませんか。原因は2つ。1つは、下から見上げて撮ることが多く逆光になってしまうため。もう1つは薄ピンクの明るい色の花をカメラが「明るすぎる」と判断してしまい、実際よりも暗めに写してしまうためです。思ったより花が暗く写っていると思ったときは、露出補正を+(プラス)に補正して明るく写してみましょう。
また広角と望遠、2本レンズをお持ちならぜひ両方とも持っていきましょう。広角では桜の木の全景を撮影したり、満開の花の枝ぶりを少し引いて撮影したり。望遠では高い位置に咲く花を大きく捉えたり、望遠だからこその圧縮表現や大きなボケ味を活かした写真を撮ったり。桜はさまざまな表情を持つ春ならではの被写体。レンズを換えて桜の撮影をもっと楽しんでみてください。
次に訪れたのは、「佐久間ダム湖親水公園」。貯水量127万トンの農業用ダム「佐久間ダム」の湖畔周辺を整備した公園で、ここには約400本の頼朝桜が植えられています。早咲きの頼朝桜からはじまって、ソメイヨシノやシダレザクラ、神代あけぼのなど約2,200本の桜が咲くお花見の名所となっています。
園内を歩いていると、売店でお花見団子を発見! とってもやわらかくてほんのり甘く、なんだか優しい気持ちになります。ちなみにお団子が3色なのは、ピンクが桜、白が白酒、緑がよもぎと、どれも春を表しているとか、ピンク(花)が春、緑(新緑)が夏、白(雪)が冬を表し、食べても飽きが来ないから「秋」がないとか、いろんな説があるんですって。
満開を迎えた頼朝桜、風もあったこの日はちらほら花びらも舞い始めていました。というわけで動画にもチャレンジ。舞い散る花をスローモーションで撮ってみたら、とてもステキな動画になりました! これもZ 30のおかげです。
Z 30ならスローモーション動画も簡単に撮影できます。MENUボタンを押して[動画撮影メニュー]のタブを選択、[画像サイズ/フレームレート]を選び、撮影イメージにあわせて[1920×1080 30p 4倍スロー]、[1920×1080 25p 4倍スロー]、または[1920×1080 24p 5倍スロー]のどれかを選んでOKボタンを押せば設定は完了。これでスローモーション動画を撮影することができます。
選んだ[画像サイズ/フレームレート]によって、スローモーションの速度が変わります。少しだけスローにしたいのかよりゆっくり見せたいのか、被写体に合わせて好みの[画像サイズ/フレームレート]を選びましょう。今回は小さな桜の花びらが被写体。細かな動きまでよりゆっくり見せたかったため、[1920×1080 24p 5倍スロー]に設定しました。暗い色の背景で撮影すると、舞い落ちる花びらがいっそう際立ちます。
山間の公園に夕闇が降りてくると、「お花見広場」にあかりが灯りました。訪れたときにちょうど行われていたのが、「佐久間ダム 頼朝桜と竹あかり」と題するイベント。さまざまなデザインの竹灯籠がなだらかな小径に沿って並べられていて、ライトアップされた桜と相まって神秘的な雰囲気です。こんなに暗いシーンでも、Z 30はカメラまかせで大丈夫。きれいな写真を撮ることができました。
Z 30と一緒に頼朝桜を巡った1日。印象的だったのは、今回訪れた川やダム以外でも、まち中のいたるところで桜を見つけることができたこと。鋸南町は2019年の台風で被災し、残念なことに頼朝桜をはじめ多くの桜も被害に遇いました。それでもまちの方々は「日本一の桜の里」を目指して、そこから復旧・復興に取り組んだのだそうです。その名の通り、まるでこの地で再起を誓った源頼朝のようだと思いを巡らせながらの旅となりました。来年はもっときれいに咲くのかな。またぜひ来てみたいです。もちろんZ 30と一緒に。
1999年9月16日生まれ。
カメラは好きで、高校時代に買ったニコンのカメラで自然風景や人物を撮っていました。Z 30の手軽さはとてもいいですね。演じることが好きなので、自分らしい演技のできる役者を目指したいと思っています。
このギャラリーでは「てくてくカメラ」で撮影した作品を掲載しています。
保田川は、鋸南町を流れる全長5kmほどの小さな川。その中流域と下流域に約600本の頼朝桜が植栽され、桜の観賞スポットとなっている。
モニュメント広場、ロックガーデン、じゃぶじゃぶ池、八つ橋、展望広場など親水施設が整備された公園。2月の頼朝桜を皮切りに、ソメイヨシノやシダレザクラなどさまざまな桜が楽しめ、例年4月上旬に「桜まつり」が開催される。
住所:千葉県安房郡鋸南町大崩39
電話:0470-55-8115(佐久間ダム湖売店ポラリス)
※桜まつりシーズンのみ
※ こちらに掲載している情報は2023年04月20日現在のものです。
撮影地マップ |
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