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てくてくカメラ

早春の伊豆高原で絶景と生きものに出会う旅

2018年にユネスコ世界ジオパークに認定された伊豆半島。その中でも大室山を中心とした伊豆高原付近は大自然が生み出した絶景スポットが点在し、動物たちや植物とふれあえる施設も満載です。今回は伊豆高原から心和む風景をお届けします。

1、ル・フィヤージュ → 2、伊豆シャボテン動物公園・動物たち → 3、伊豆シャボテン動物公園・シャボテン温室 → 4、ニューヨークランプミュージアム&フラワーガーデン・城ヶ崎海岸
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1. ル・フィヤージュ

伊豆高原の静かな雑木林に囲まれたテラス席で
焼きたてのパンが食べられるベーカリーカフェ

早春の伊豆高原の旅は、雑木林の中にあるベーカリーカフェからはじまります。
「ル・フィヤージュ」はテラスカフェがあるベーカリーで、店内には売場から見える工房で作られた80種類以上の手作りパンが並んでいます。素材本来の風味を最大限に引き出し、保存料や化学調味料を一切使用せずに焼きあげられたパンはどれもおいしそうで、何にしようか迷ってしまいます。
ブルーチーズを包んで焼いたフランスパンに蜂蜜がかけられた「トリュオンフ」とダークチェリーとキャラメルのヴィエノワズリ(菓子パン)「キャラメルグリオット」のふたつを選んで、木立に囲まれたテラス席でいただきます。カリッと焼かれたトリュオンフはブルーチーズと蜂蜜の組み合わせが最高で、ちょっとワインが飲みたくなる味わい。キャラメルグリオットはダークチェリーに洋酒のキルシュが効いていて、大人のヴィエノワズリといった感じ。木に囲まれ鳥のさえずりをBGMに、よりいっそうパンがおいしく感じられました。

2. 伊豆シャボテン動物公園・動物たち

さまざまな動物たちと距離感ゼロでふれあえる!
冬期には元祖カピバラの露天風呂も!

ル・フィヤージュでブランチを終えた後は、伊東市のシンボル「大室山」の麓にある「伊豆シャボテン動物公園」へやってきました。この動物公園はその名のとおり世界中のサボテンや多肉植物が栽培されている温室があり、そして140種を超える動物たちに至近距離でふれ合うことができるのが特徴です。
まずはメインゲート近くにあるバードパラダイスへ。ここには東南アジアやアメリカ、アフリカなどに生息する鳥が自然に近い環境で飼育されています。中にいる鳥たちは人を怖がる様子もなく、頭に金色の羽をもつ「ホオジロカンムリヅル」や色鮮やかな「ベニイロフラミンゴ」などめずらしい鳥たちを間近に眺めることができました。
バードパラダイスを出てしばらく歩くと、ロックガーデンへと辿り着きます。このガーデンは大室山の側火山としてできた岩室山の火口跡の地形を利用し、サボテン原産地の景観を再現しています。サボテンの合間にはメキシコ政府から寄贈された古代遺跡のレプリカが置いてあり、幻想的な景観を眺めているうちに古代メキシコへタイムスリップしてしまったような気分になりました。

ロックガーデンで古代遺跡の雰囲気を味わった後は、ボートに乗りながら動物を観察できる「アニマルボートツアーズ」へ。
園内中央にある池の中の9つの島をボートで巡るツアーで、ガイドの説明を聞きながら池を1周するコースと島へ上陸してリスザルまたはワオキツネザルとのふれあいを楽しむコースがあります。今回はワオキツネザルの島へ渡って、エサやり体験ができるコースに挑戦です。
ボートに乗って池の奥にあるワオキツネザルの島へ上陸、島に着いた途端にサルたちが寄ってきます。物怖じしないサルたちは次々とRieちゃんの肩へ。乗ってきてエサはないの?と手を覗き込む様子がかわいくて、とっても和みました。

ツアーを終えてボート乗り場を離れると、目の前に人だかりが。覗いてみるとカピバラが露天風呂に入っていました!
TVなどでも見かけるその姿、実はシャボテン動物公園のカピバラ風呂が”元祖”なんです。1982年の冬、飼育スタッフがお湯で展示場を掃除していたらカピバラたちがそのお湯が溜まっているところでくつろいでいることに気づいたのが始まりで、今では冬の風物詩となり、11月下旬から4月初旬の期間にその姿を見ることができます。
この露天風呂では変わり湯も見どころになっていて、週末には様々なものを湯舟に浮かべるそう。この日はゴージャスな「バラの湯」で、カピバラたちもお湯が気持ちよいのか、バラの香りにうっとりしているのか、とってもリラックスした表情を見せています。あまりにも気持ちよさそうなので、一緒に浸かってみたくなりました。

3. 伊豆シャボテン動物公園・シャボテン温室

「シャボテン狩り」もできる!
1500種のサボテンや多肉植物が見られる温室群

カピバラの露天風呂で和んだ後は、いよいよ「シャボテン温室」へ。温室への入口は迫力のある「高原竜」。この高原竜はTVの特撮シリーズなどにも出演(?)しているそうで、ここで記念写真を撮る人も多いのだとか。また、5つにわかれた温室をつなぐ地下通路壁面の岩組は火山の噴石でできているところもあり、通路を歩いているうちに地底探険をしている気分になってきました。

温室では「南アメリカ館」、「アフリカ館」、「森林性シャボテン館」、「マダガスカル館」、「メキシコ館」と、それぞれの地域に生息するサボテンや多肉植物を展示しています。
ジャングルに生きるサボテンなどを展示している森林性シャボテン館では、さらにフクロウやミミズクたちが暮らしています。間近で写せるチャンスとRieちゃん、フクロウに話しかけてしっかりと目線をもらっていました。

5つのうちの最後、メキシコ館は園内で最大の温室で、西部劇に出てくるような柱サボテンから小さな花のような多肉植物などいろいろ栽培されています。
なかでも、サボテンの中でも大型になる玉サボテンの「金鯱」の大株は見応え充分!な迫力です。日本で一番大きいサイズの約170歳にもなる大株もあり、自分が小さくなったような錯覚を覚えました。

5つのサボテン温室を抜けると、世界でここにしかない、サボテン狩りが体験できる「シャボテン狩り工房」があります。足元にはさまざまな色や形のサボテンが並んでいて、そこから自分で好きなサボテンを選んで寄せ植えにしてもらうシステムになっています。
Rieちゃんはオレンジ色のポップな感じのサボテンとほか2種類をチョイス。植える鉢はシャボテン動物公園にちなんでカピバラポットをチョイス。選んだサボテンと鉢をスタッフに渡して可愛い寄せ植えにしてもらいました。カピバラとサボテンの組み合わせ、シャボテン動物公園に来たいい記念となりました。

4. ニューヨークランプミュージアム&フラワーガーデン・城ヶ崎海岸

海を望む花畑とアンティークランプの楽園
そして大自然の驚異を感じる城ヶ崎海岸

シャボテン動物公園で動物たちとふれ合った後は、山から海へと移動です。海辺にある「ニューヨークランプミュージアム&フラワーガーデン」は海沿いの断崖の上にあり、四季折々の花々を見ることができます。
入口をくぐり色とりどりの花と海とのコントラストを楽しみながら、城ヶ崎海岸の門脇灯台や伊豆大島が望める岬の花畑へ。そこは満開の菜の花で辺り一面黄色く染まっていました。菜の花の香りに包まれると春の気配が感じられ、ずっとのんびりと海を眺めていたくなる美しさです。
次に訪れたのは、敷地内の「ニューヨークランプ&ティファニーミュージアム」。ここはアメリカンアールーヌーボー期に流行した、アンティークティファニーのステンドグラスランプなどが展示されています。明かりが灯ったアンティークのステンドグラスランプは艶やかで、外の花々とはまた違った色彩の光が照明を落とした室内で煌めいています。凝った意匠のランプをひとつひとつじっくりと眺めていくのは楽しく、時がたつのも忘れてじっくりと見入ってしまいました。

「ニューヨークランプミュージアム&フラワーガーデン」で花とアンティークランプを堪能した後は、先ほど岬の花畑から見えた灯台のある城ヶ崎海岸の「門脇埼(かどわきざき)」を目指します。フラワーガーデンの脇に門脇埼への遊歩道「城ヶ崎ピクニカルコース」の入口があり、海沿いを約20分散策しながら進むと絶景ポイントとして有名な「門脇つり橋」に到着します。
城ヶ崎海岸は約4000年前の大室山噴火で流れ出した溶岩が海へ流れ、海水によって冷やされて固まり波に浸食されてできあがった岩石海岸です。ごつごつとしたむき出しの岩場は、その昔の激しい噴火活動を思い起こさせます。その岩場へと架かる門脇つり橋の上からの眺めもまた絶景で、岩場に打ち付ける波はフラワーガーデンで菜の花に囲まれて見た春を感じさせる海とは違って激しい波しぶきを上げています。大自然によって作られた景観をじっと眺めているとそのまま大地と海のエネルギーが伝わってくるようで、高さ23mの断崖絶壁に架けられているつり橋の上ということも忘れてその景色に見入ってしまいました。
伊豆高原を巡る旅はひと足早い春を感じながら、さまざまな生きものに間近でふれ合い、自然にしか創り出せない絶景を発見する旅となりました。

5年間にわたって続いてきた「てくてくカメラ」は、今回の旅で最後となります。長年にわたってご覧いただき、ありがとうございました。ご紹介したスポットはもちろん、皆さんの周りにもフォトジェニックな場所、写したくなる被写体はたくさんあると思います。ぜひカメラをもって、"てくてく"とお散歩へ出かけてくださいね!

ナビゲーター Rie(りえ)

1994年3月14日滋賀県生まれ。負けず嫌いな性格で、目標のために努力は惜しみません。演技の仕事も始めていて、これからは動画制作などクリエイターとしても活動していきたいです。モデルの仕事はもちろん、オールマイティに活躍していくのが目標です!
趣味:映画、ビリヤード
好きな場所:カフェ

お散歩の感想

「ル・フィヤージュ」の焼きたてのパンの香りから旅は始まりましたが、木立の中でおいしいパンを食べるのは新鮮な感じでした。「伊豆シャボテン動物公園」のワオキツネザルの島への上陸は絶対外せません!動物たちは人懐っこく、家族連れにはおすすめですね。お風呂でリラックスするカピバラもかわいかったです。「ニューヨークランプミュージアム&フラワーガーデン」の満開の菜の花はきれいだったし、展示室では幻想的な雰囲気にひたることができました。「城ヶ崎海岸」のつり橋は下を見ていると吸い込まれそうになりましたが、打ち寄せる波と溶岩の岩場に自然のパワーを感じることができました。

撮影スポットの紹介

撮影地マップ

機材・グッズ紹介

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お散歩関連情報

撮影のマナーと注意

エリアガイド

1. ル・フィヤージュ

伊豆高原の雑木林に囲まれたベーカリーカフェ。店内に並ぶ80種類以上のパンは売場の横にあるパン工房によって焼きあげられ、店内のイートインコーナーや木立の中のテラス席で焼きたてを食べることができる。パンのほかに厳選されたドリンクメニュー、11時からは季節に合わせたランチメニューも用意されている。
住所:静岡県伊東市八幡野1305-75
電話:0557-53-3953
営業時間:9:00~17:00、ランチタイム11:00~14:00(LO16:00)
定休日:火曜日

2.3. 伊豆シャボテン動物公園

伊東市のシンボル的存在「大室山」の麓にある動物公園。約1500種類の世界各地のサボテンや多肉植物を集めた温室があり、約140種類の動物たちが飼育されている。園内ではクジャクなどが放し飼いにされているほか、さまざま動物たちと至近距離でふれあうこともできる。”元祖”であるカピバラの露天風呂は冬期限定で、11月下旬~4月初旬に行われている。
住所:静岡県伊東市富戸1317-13
電話:0557-51-1111
営業時間:9:00~17:00(3月~10月)、9:00~16:00(11月~2月)
定休日:年中無休

4. ニューヨークランプミュージアム&フラワーガーデン

勇壮な海岸線と伊豆大島を望むオーシャンビューが堪能でき四季折々の花が咲くフラワーガーデンと、約120年前に作られたアンティークティファニーランプなど70点ほど展示する「ニューヨークランプ&ティファニーミュージアム」を併設。ミュージアムのカフェではフラワーガーデンをイメージした、エディブルフラワーを使ったスイーツも楽しめる。
住所:静岡県伊東市富戸841-1
電話:0557-51-1128
営業時間:9:00~17:00(3月~10月)、9:00~16:00(11月~2月)
定休日:年中無休

4. 城ヶ崎海岸

伊豆半島ジオパークの一部で、約4000年前の大室山噴火によって流れ出した溶岩が海を埋め立てて形成された海岸。全長9キロにおよぶピクニカルコースと自然研究路があり、起伏に富んだ海岸線をもつジオサイトの「門脇埼」にかかる「門脇つり橋」からは、柱のような形をした岩「柱状節理」の観察ができ、「門脇灯台」の展望台からは360度のパノラマ風景が楽しめる。
住所:静岡県伊東市富戸

※ こちらに掲載している情報は2020年3月27日現在のものです。

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