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てくてくカメラ

大雄山線沿線で見つけた、夏の花を訪ねて

南足柄市にある大雄山駅と小田原駅を結ぶローカル線「伊豆箱根鉄道大雄山線」。「大雄山最乗寺」への参詣鉄道として開業し、今では地元の方々の足として長く親しまれています。その沿線をめぐった今回の旅では南足柄の歴史や伝承だけでなく、さまざまな季節の花にも出会うことができました。夏の小旅行にもぴったり、箱根外輪山の山麓に広がる南足柄の豊かな自然風景をお楽しみください。

1、大雄山最乗寺 → 2、天狗の小径・大雄山 茶屋 天んぐ → 3、大雄山駅と沿線撮影スポットめぐり → 4、ひまわり畑と小田原フラワーガーデン

1. 大雄山最乗寺

清らかな空気と老杉林が出迎える
天狗伝説が残る関東の霊場

「大雄山最乗寺」は広大な敷地内に30ほどの堂塔が建つ、了庵慧明禅師(りょうあんえみょうぜんじ)が開山した歴史あるお寺です。周囲には樹齢4~500年にもなるという杉がうっそうと茂り、澄んだ空気が満ちた境内は霊験あらたかな雰囲気。本堂や多宝塔などの堂塔のほか、病を癒すといわれる湧水「金剛水」など多くのパワースポットがあることでも知られています。

怪力や神通力を使って寺の創建を手助けしたといわれるのが了庵慧明禅師の弟子、妙覚道了。道了はそののちに寺を永久に守るため天狗になったという伝承が残されており、最乗寺の守護神となっています。道了大薩埵を祀る「御真殿」の周囲には大小さまざまな高下駄や羽うちわが奉納され、中でも約3トンあるという大きな高下駄はお寺の見どころのひとつ。くぐると夫婦円満などのご利益があるのだとか。

杉林の中、天に伸びるかのような急な階段を上った先。最乗寺の最も高い場所にあるのが道了大薩埵の御本地が奉安されている「奥之院」です。ゆっくりと階段を上りながら参拝に向かうと、その途中に大天狗と小天狗の像が参拝者を見守るように立っていました。そこから見上げた風景の幻想的な雰囲気にただただ圧倒されながら、静かにシャッターを切ったのでした。

2. 天狗の小径・大雄山 茶屋 天んぐ

入口の門から続く天狗の小径はあじさいの名所
風情ある茶屋でいただく甘味で、ほっと一息

最乗寺の参道を約2kmほど下ったあたりに、鮮やかな朱色の「仁王門」があります。ここから最乗寺まで続く遊歩道を「天狗の小径」といい、老杉並木に囲まれた歩道と車道の周囲には約1万株のあじさいが植えられています。「大雄山あじさい参道」とも呼ばれるあじさいの名所で、6月初旬~7月初旬には花に囲まれながらのハイキングを楽しむことができます。

そして、参拝の帰りに寄ったのは仁王門のすぐ脇に店を構える「大雄山 茶屋 天んぐ」です。趣ある和の雰囲気の店内では小豆や餅米などこだわりの素材で作られた「道了餅」や「下駄まんじゅう」など、最乗寺にちなんだお菓子を販売しています。

店内の茶房では、ランチにぴったりの御膳やぜんざい、わらび餅などの甘味をいただくことができます。Rieちゃんが選んだのは見た目にもかわいい、味の違うお団子が並んだ「五色だんごセット」。窓の外に青々と茂るもみじを眺めながら、もちもちのお団子とまろやかな甘みの宇治茶をいただいてしばしの休息。英気を養ったところで、次のスポットへ向かいましょう。

3. 大雄山駅と沿線撮影スポットめぐり

レトロでかわいい復刻カラーの“赤電”
沿線をめぐり走る電車を写真に収めよう

最乗寺の最寄駅「大雄山駅」から電車に乗り、沿線を散策してみましょう。駅では1996年まで大雄山線を走っていたという赤とベージュの通称“赤電”の復刻カラー車両や、検査車両を引っ張る際に使われる“コデ”という工事電車を見ることができました。黄色の車体に青の稲妻マークがかわいいコデ。通常運行をしておらず、またタイミングが合わなければ大雄山駅でも普段はあまり間近で見ることができないそう。偶然の出会いに感謝しながら、かわいいレトロな2つの電車をバッチリカメラに収めました。

その土地の風景の中を走る電車の姿を撮るのもローカル線ならではの楽しみ方。狩川を渡る大雄山線は、天気が良ければ背景に富士山を見ることができる場所。線路の近くまで行くこともでき、迫力あるアングルで電車を撮ることができます。飯田岡駅と穴部駅の間、狩川の土手上からは水を張った田んぼ越しの大雄山線を撮ることができました。初夏から夏、秋へと稲の成長に合わせた季節感も演出できる撮影スポットです。

4. ひまわり畑と小田原フラワーガーデン

早咲きのひまわりでひと足早く夏を満喫
最後は季節の花に出会える、フラワーガーデンへ

沿線のフラワースポットを求めてやってきたのは「TOMIOファームユートピア農園」です。訪れたのは6月初旬。こんな季節にも関わらず、そこには目にも鮮やかな黄色のひまわりが一輪、また一輪と花を咲かせていました。あと1週間もすれば満開になり、辺り一面が黄色に染まるのだとか。初夏の日差しを浴び光り輝くひまわりに出会い、ひと足早く夏を味わうことができました。

「小田原フラワーガーデン」は温室と屋外の園庭を含み、1年を通して四季折々の花が楽しめる施設です。温室ではちょうど魅惑的なブルーの花穂が美しいヒスイカズラの2番花が開花し、また屋外の池ではスイレンやハナショウブが見頃を迎えていました。涼しげな色合いの水辺の花は、水面に映る姿もまた美しいものです。今日出会った南足柄の美しい自然風景を思い返しながら、旅の余韻を楽しむように池の周囲をゆっくり散策したのでした。

ナビゲーター Rie(りえ)

1994年3月14日滋賀県生まれ。負けず嫌いな性格で、目標のために努力は惜しみません。水原希子さんが大好きで、彼女のようにかっこよくオールマイティに活躍できる人になりたいです。実は今カメラに興味津々、いつか一眼レフカメラを手に入れるぞ!
趣味:ビリヤード
好きな場所:カフェ

お散歩の感想

最乗寺は本当にパワーのあるお寺でした。特に奥之院に続く長い階段のところでは、澄んだ空気の中に立つ天狗像の迫力に圧倒されました。そうそう、「天んぐ」では温かいお茶を頼むとお茶の葉の“おひたし”がついてくるのですが、ほんのりお茶の香りがしておいしいんですよ。茶房で甘味をいただくときには、こちらもぜひ食べてみてください!

撮影スポットの紹介

撮影地マップ

機材・グッズ紹介

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お散歩関連情報

撮影のマナーと注意

エリアガイド

1.大雄山最乗寺

1394年に了庵慧明禅師が開山、曹洞宗の三大祈祷所にもなっている由緒ある寺。境内には30以上の堂塔があり、建立に協力したという了庵慧明禅師に弟子・妙覚道了にちなんで「道了尊」とも呼ばれている。四季折々の花や自然も楽しむことができ、あじさいや紅葉の名所としても知られる。
住所:神奈川県南足柄市大雄町1157
電話:0465-74-3121(代表)

2.大雄山 茶屋 天んぐ

最乗寺の門前に店を構える茶屋として、最乗寺の故事や名所にちなんだお菓子を販売。防腐剤は一切使わず、素材にもこだわって作られた「道了餅」や「下駄まんじゅう」は南足柄のお土産としても人気。茶房も併設されており、参拝客や地元の方などで日中はいつも賑わっている。
住所:神奈川県南足柄市大雄町1125-2
電話:0465-42-9976
営業時間:10:00~16:00
定休日:水曜日、木曜日

3.大雄山駅

伊豆箱根鉄道大雄山線は最乗寺への参詣鉄道として1925年に開業、小田原~大雄山駅の9.6kmをつないでいる。終着駅である大雄山駅の外には足柄のシンボルとなっている金太郎像が出迎え、開業時のままだという三角屋根の駅舎は「関東の駅100選」にも選ばれている。復刻カラーの赤電は2017年7月現在、1編成が運用されている。
住所:静岡県三島市大場300番地(伊豆箱根鉄道株式会社 鉄道部運輸課)
電話:055-977-1207(平日9:30~16:30)

4.TOMIOファームユートピア農園

早生品種の桃や糖度の高いホワイトコーンなど希少な果物や野菜を栽培、毎週火曜日の朝には直売も行っている。品種改良した桜や初夏と晩秋に咲くひまわりなども育てており、自由に見学することができる。早咲きのひまわりは毎年5月末~6月上旬に見頃を迎える。
住所:神奈川県南足柄市塚原3009番地先

4.小田原フラワーガーデン

「花と緑の生活文化の創造」をテーマに、四季を通じて花が楽しめる植物公園として1995年にオープン。トロピカルドーム温室ではヒスイカズラなどの南国の花々が楽しめるほか、約200種480本の梅園、春と秋に花を咲かせるバラ園、ハナショウブ池やアジサイなども見どころ。
住所:神奈川県小田原市久野3798-5
電話:0465-34-2814
開園時間:9:00~17:00(入園は16:30まで)

※ こちらに掲載している情報は2017年07月20日現在のものです。

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