江戸時代から多くの職人が暮らし伝統文化を連綿と受け継いできた街、蔵前。製造や卸の拠点としても歴史を持つこの街にここ数年、多くの若いクリエイターたちが拠点を構え、おしゃれなカフェやショップが続々とオープンしています。今回は、「ものづくりの街」として注目を集めている蔵前へ、新たに発信し始めた街の魅力にふれるカメラ散歩に出かけました。
その場で作れるオリジナルノートが人気
“手で書くこと”をコンセプトにした文房具店
「カキモリ」と書かれたモダンな雰囲気の看板に惹かれて入った店内には、便箋や万年筆をはじめとする文房具がずらり。ここは2010年に蔵前にオープンした人気の文房具店です。もともと蔵前には革製品など製造業の下請け業者が多く集まっており、文房具関連のメーカーもあったことから、この街を選んで店をオープンしたのだそう。
メールが主流になった今だからこそ“手で書くこと”の楽しさを再認識してもらいたい、そんな思いで並べられたカキモリの文房具たち。オリジナルのノートや便箋、インクを作ることもできるそうで、杏ちゃんも早速ノートをオーダーすることに。表紙、中紙、リングや留め具などのパーツを選んだら、その場で製本し完成です。かわいく、大人っぽく、シンプルに、カラフルに……組み合わせ方でガラリと印象を変えるオリジナルノート。自分好みに仕上がった1冊に、愛着もひとしおです。
江戸時代から続くものづくりの町で
伝統工芸にふれ、箸づくりにチャレンジ!
江戸文化発祥の地として栄えた台東区。当時から多くの職人たちが暮らし、伝統の技を磨き受け継いできたのだといいます。そんな伝統工芸のひとつ、鉄釘を使わず木材を組み立てて家具や和小物などを作る“江戸指物”の工房・茂上工芸にやってきました。指物について教えてくださったのは、伝統工芸士の茂上豊さん。作り方や特徴をうかがいながら、木のぬくもりと江戸の粋が感じられる逸品をじっくりと見学することができます。
そして工房では箸づくりを体験することができます。箸の大きさの木を“豆カンナ”を使って細く削って箸に仕上げていきます。これがなかなか難しく、アドバイスを受けながらようやく箸を完成させることができました。ノミやノコギリが並ぶ工房で、木の芳香に包まれながら一心にカンナをかける、そのひととき……ものづくりの街、蔵前のルーツにふれたような体験でした。
サンフランシスコ発、日本1号店が蔵前に
こだわりの「ビーン・トゥ・バー」チョコレート
次に訪れたのは「ダンデライオン・チョコレート ファクトリー&カフェ蔵前」。2010年にサンフランシスコで創業、カカオ豆の選別から板チョコまで工程のすべてを自分たちで行う“ビーン・トゥ・バー”という製法でチョコレートを作っているお店です。日本出店に際し、ファクトリーのスペースが確保できる場所をあちこち探したそうです。そしてたどり着いた蔵前は、こだわりのチョコレートを作るお店の雰囲気にぴったりと合った街でした。
カフェスペースでいただいたのは、カカオの風味が存分に楽しめる「ハウスホットチョコレート」と、スクエア型の焦がしたマシュマロの上にチョコレートを乗せた人気のスイーツ「パプアニューギニア・スモア」。流行に敏感な若い人だけでなく地元の方々の憩いの場にもなっているお店は、とてもアットホーム。穏やかな空気が流れるなか、思い思いにゆっくりとした時間を過ごすことができます。
古いビルに交じって新しい店舗が並ぶ蔵前
秋風に吹かれながら隅田川沿いを歩く
古いビルをリノベーションした雰囲気あるショップやカフェ、コーヒースタンド、お茶やさん、若いアーティストのアトリエ……街を歩くと、古くからある問屋や卸業者のビルに交じってあちこちに気になるお店を見つけることができます。蔵前近辺の約2km四方ほどのこの小さなエリアには、新しい蔵前の魅力がギュッと詰まっていました。
そして散歩の最後に訪れたのは隅田川です。現在の蔵前を称して“東京のブルックリン”と呼ぶ人もいるのだとか。「なるほど、大きな橋と水に面したこの風景が、ブルックリンを連想させるのかもしれないなぁ…」。そんなことを感じながら、広々とした川面の風景を秋の空と一緒にカメラに収めたのでした。
1994年9月17日生まれ。バイクが大好きな現役美大生。写真は撮るだけでなく、展覧会など鑑賞も大好きです。これからも写真を勉強しながら、フォトジェニックな場所を紹介していくのでよろしくお願いします!
趣味:モータースポーツ観戦、サーフスポーツ、食べ歩き&飲み歩き
好きな場所:サーキット、海
蔵前は下町というイメージだったので、こんなにもクリエイティブで洗練された街だとは思いませんでした。文房具などステキな“もの”をたくさん見つけたので、自分へのご褒美に、誰かのプレゼントに、また買い物に来たいです。余談ですが、おしゃれなお店は店員さんもみんなおしゃれ! 美男美女にもたくさん出会えたお散歩でした♪
撮影地マップ | |
---|---|
|
Nikon 1初の自分撮り可能なチルト式液晶モニターを備えたレンズ交換式アドバンストカメラ。開放F値1.8の明るい単焦点レンズを使えば、美しいぼけあじのある作品もタッチパネルで直感的に撮影することができます。
Nikon 1 J5専用、ネックストラップ付きのキャメルカラーのボディーケース。ボディーケースを装着したまま、バッテリーやmicroSDカードの交換、HDMI端子やUSB端子への接続が可能。NFC対応スマートフォンとのWi-Fi接続も行うことができます。
※ こちらに掲載している情報は2016年10月20日現在のものです。