暑い、暑い日本の夏。昔の人たちはどうやってこの暑さを乗り切っていたのでしょうか。今回は、江戸の風情を感じることができる街、浅草と日本橋をめぐりながら、“涼”を感じるスポットを探しました。暑い夏を楽しみながらしのいでいたという江戸の人々にならい、夏の風情を味わうべく涼しげな浴衣を着て、夏のお散歩に出かけました。
訪れたこの日、ちょうど浅草寺でほおずき市が開催されていると聞き、さっそくのぞきに行きました。7月9日と10日の2日間に浅草寺を参拝すると、四万六千日(しまんろくせんにち)分の参拝に相当するご利益があるといわれ、江戸時代から多くの人がこぞって参拝に訪れていたそうです。そしてご利益あるこの両日に合わせ、ほおずき市が開かれるようになったのだとか。毎年、梅雨の終わりごろに開かれるため、夏を告げる風物詩として親しまれています。
約120軒のほおずき売りの露店が建ち並ぶ境内は、多くの人で賑わいを見せていました。威勢のよい売り子さんのかけ声と、目にも艶やかな朱色のほおずきを楽しみながら境内をそぞろ歩いていると、鉢や露店につるされた風鈴があちこちで揺れ始めました。チリン、チリンと涼やかな音色を響かせる風鈴に、ひとときの涼を味わいます。
川面に吹く風を感じながら
隅田川から東京の街を眺めてみよう
次に訪れたのは隅田川です。“舟遊び”をしながら涼をとっていたという江戸の人々にならい、水上バスに乗って水辺から東京遊覧を楽しみましょう。早速、小型水上バス「カワセミ」に乗り込みます。ゆらゆらと波に揺られ心地よい風に吹かれながら、浅草、両国などの下町風景をのんびりと眺めます。
吾妻橋、蔵前橋などの大きな橋の下をくぐりながらその橋を間近で見ることができるのも水上バスの楽しみのひとつ。そして見えてきたのは、隅田川に架かる橋で一番優美なデザインだといわれる清洲橋です。下町にすっかりなじんだタワーのある風景をバックに、その美しい橋の姿を写真に収めました。
いくつもの橋をくぐって日本橋に到着
ぶらり散策した先で見つけた神社とは?
墨田川から日本橋川へ入ると広々とした風景から一変、小さな川の両側にビルがずらりとそびえます。日本橋川の入り口にかかる豊海橋は、はしごを横に倒したような構造の全国でも珍しいデザインの橋。水面から橋桁までの高さが低く、小型水上バス「カワセミ」だからこそくぐることのできる橋なのだとか。
ビルの裏側を横目にいくつもの低い橋をくぐり高速道路の真下を進んでいくと、まるで東京の街の裏側を探検しているような気分になります。そして到着したのは日本橋。江戸時代から商業の中心として栄え、東海道など五街道の起点としても知られる日本の中心ともいえる場所です。
しばし日本橋を散策していると、「福徳神社」という神社を発見。“福徳”というなんとも縁起のよさそうな社号。聞けば、宝くじの当選祈願に訪れる方や、「芽吹神社」とも呼ばれていることから新しい門出を願い参拝する方も多いのだとか。そんな神社に偶然にも参拝できたご縁にうれしさを感じつつ、ふと目をあげると、青々とした夏色のもみじがキラキラと光っていました。
最後はやっぱり冷たいもので涼を!
老舗でいただく絶品和スイーツ
訪れたのは天保8年創業という老舗の甘味処「初音」。散歩の最後は甘くて冷たいもので"涼"を楽しみましょう。創業当時はふかしたさつまいもで作った蜜を使い甘味を提供していたという初音ですが、現在の夏の一番人気はやはり、夏期限定のかき氷です。
お手製の杏シロップと杏煮をのせたかき氷、「氷あんず」は杏の甘みと酸味の絶妙なバランスが氷によく合う一品です。また初音の定番人気メニュー「クリームあんみつ」は、あずき、寒天、黒糖など、使われている素材すべてを厳選し、口に入れたときの調和を大切にしながら甘さや口あたり、寒天の大きさにもこだわって作られているのだとか。趣ある店内で食べる絶品和スイーツで、昔ながらの"涼"を最後までたっぷり味わうことができました。
撮影地マップ | |
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初めての一眼レフカメラでも、カンタンに撮れるガイドモードつきの安心カメラです。解像力の高いNIKKORレンズとセットで細かいところまで鮮明に再現してくれるので、その場の空気感までしっかり写します。
※ こちらに掲載している情報は2015年8月20日現在のものです。