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2025年4月の星空

先月まで夕空に見えていた金星が夜明け前の東天に移り、「明けの明星」として輝きます。新年度の始まりに合わせたかのように切り替わる光景を楽しみましょう。夜桜と一緒に月や火星、しし座や北斗七星なども眺めて、星空の春を感じてみてください。

星空写真

長野県白馬村 野平地区にて
「野平の一本桜」の愛称で親しまれているオオヤマザクラと後立山連峰、星空の共演を薄明開始後に撮影しました。全体の色調がブルーになり、サクラのピンクが際立つ描写になりました。また、アクセントに国際宇宙ステーションの光跡と姫川の川霧が加わり、心が揺さぶられる星景になりました。

2023年4月20日 4時03分
ニコン Z6II+NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct(ISO1600、露出3秒×10枚を合成、f/2.0)
撮影者:高岡 誠一

4月の星空

南の空

南の空

2025年4月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た南の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。
月は、満月(13日)の位置を入れてあります(時刻は21時)。

北の空

北の空

2025年4月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た北の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。
月は、上弦(5日)の位置を入れてあります(時刻は21時)。

天文カレンダー

1日(火) 宵、細い月とプレアデス星団が並ぶ
5日(土) 上弦(日没ごろに南の空に見え、夜半ごろ西の空に沈む)
夕方~翌6日未明、月と火星、ポルックスが接近(「今月の星さがし」で解説)
8日(火) 夕方~翌9日未明、月とレグルスが大接近
12日(土) 宵~翌13日明け方、月とスピカが接近
13日(日) 満月。次の満月は5月13日です
夕方~翌14日未明、月とスピカが接近
16日(水) 深夜~翌17日明け方、月とアンタレスが接近
21日(月) 下弦(夜半に東の空から昇り、明け方に南の空に見える。下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)
22日(火) 水星が西方最大離角(明け方の東の低空に見えます)
25日(金) 未明~明け方、細い月と土星が接近、金星が並ぶ(「今月の星さがし」で解説)
26日(土) 明け方、細い月と水星が接近
28日(月) 新月(下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)
29日(火) このころ、未明~明け方に金星と土星が接近(「今月の星さがし」で解説)
夕方~宵、細い月とプレアデス星団が大接近
30日(水) 宵、細い月と木星が並ぶ

4月の惑星

水星

中旬ごろから、明け方の東の低空に見えます。

日の出30分前(東京で4時30分ごろ)の高度は5度前後ととても低めです。水星の上のほうに金星が明るく輝いているので、金星との位置関係を手がかりにして水星の位置の見当を付けましょう。双眼鏡を使うと見つけやすくなります。

26日に、月齢27の細い月と接近します。

金星

「明けの明星」として明け方の東の低空に見えます。

日の出45分前(東京で4時20分ごろ)の高度は約10度とかなり低めですが、とても明るいおかげで、建物などに隠されていなければ簡単に見つかります。東の空が地平線近くまでよく見渡せるところで観察しましょう。

25日に、月齢26の細い月と並んで見えます。また、下旬から5月上旬にかけて土星と接近します。「今月の星さがし」で見え方を確かめて、早起きして眺めましょう。

火星

「ふたご座」から「かに座」へと動いていきます。20時ごろに西の空の高いところに見え、1時ごろに沈みます。明るさは約0.7等級です。

地球との最接近から3か月が過ぎ、当時と比べると暗くなりましたが、それでも1等級なのでよく目立ちます。「今月の星さがし」を参考に、「ふたご座」のポルックスとカストルとの並び方が変わっていく様子を追いかけましょう。

5日の夕方から6日の未明にかけて、月齢7の上弦の月と接近します。

木星

「おうし座」にあります。20時ごろに西の空の低いところに見え、22時ごろに沈みます。明るさは約マイナス2.0等級です。

天体望遠鏡での観察は、そろそろシーズンオフです。空が暗くなったら早めに観察しましょう。明るいので、肉眼で見るのはまだ楽しめます。

30日の宵に、月齢3の三日月と並びます。

土星

下旬から、明け方の東の低空に見えます。

日の出45分前(東京で4時10分ごろ)の高度は8度前後とかなり低めです。薄明るい空の低いところにあるため、肉眼で見るのは難しいかもしれません。双眼鏡で探しましょう。並んで見える金星が、よい目印となってくれます。「今月の星さがし」を参考にしてみてください。

25日に、月齢26の細い月と接近します。

今月の星さがし

宵空に明るく光る火星が星座の中を大きく動いていきます。日々の変化を追いかけましょう。金星は明け方の空に姿を現し、土星や細い月と並びます。

火星の動き

今年1月12日に地球と最接近した火星は、3か月の間におよそ倍ほどの距離まで遠ざかりました。そのぶん暗くなり、見かけの大きさも小さくなってしまいましたが、それでも1等星と同じ明るさなので、今月もよく目立ちます。宵の時間帯にはまだ西の空の高いところにあるので、この点でも観察しやすい状態が続いています。

惑星である火星は、星々の間をどんどん動いていきます。冬の間はずっと「ふたご座」の領域内を行ったり来たりしていましたが、今月の中旬ごろに「ふたご座」から「かに座」へと移っていきます。空の中に境界線が見えるわけではないので「この瞬間に星座を移った」とは実感しにくいですが、少なくとも「星々に対して動いている」ことはよくわかります。

4月2日から17日まで3日ごとの、21時の西の空の様子(場所の設定は東京)。5日の大きい円は拡大イメージ(視野6度)、小さい円はさらに拡大のイメージ(正立像、月と火星で拡大率は異なる)

今月はとくに「ふたご座」の2つの明るい星、1等星ポルックスと2等星カストルを目印にすると、火星の移動の様子がはっきり感じられるでしょう。3つの星がおおよそ一直線に並ぶのは11日ごろです。また、5日には上弦の月も接近し、にぎやかな眺めになります。

季節の星座に厳密な区分はないものの、おおよそ「ふたご座」までが冬の星座、「かに座」からが春の星座、とされます。いわば火星は今月「冬から春へ」と移動していくようなイメージですね。火星は今後も7月初めごろまで宵空に見えます。動きと、暗くなっていく様子(=地球から遠ざかっていく様子)を、ぜひ追いかけてみてください。

明けの明星と土星

先月まで夕方の西の空で「宵の明星」として明るく見えていた金星は、先月下旬に地球と太陽の間に位置する「内合」という状態を迎えました。内合の前後には太陽に近すぎるので金星は見えませんでしたが、それ以降は明け方の東の空に姿を見せ、「明けの明星」として私たちの目を引く存在となります。

4月25日から5月1日まで2日ごとの、日の出45分前の東の空の様子(場所の設定は東京)。大きい円は拡大イメージ(視野6度)、25日の小さい円はさらに拡大のイメージ(正立像、月と惑星で拡大率は異なる)

下旬に入ると金星の近くに土星も見えるようになります。金星はとても明るいのですぐに見つかりますが、土星は(夜明け空の中で見るには)暗いため、簡単には見つかりません。金星との位置関係を確認してよく探しましょう。双眼鏡があると見つけやすくなります。また、どちらの惑星も低いので、見晴らしが良い場所で観察しましょう。25日には細い月が両惑星の近くに並び、美しい3天体の共演を見せてくれます。こうした共演を、地上の風景と一緒に眺めたり撮影したりするのも楽しいものです。

新年度の始まり、これまで以上に早起きして新生活を送ろうという方もいらっしゃるのではないでしょうか。夜明け空に金星の輝きを見て、気持ち良い一日のスタートをお迎えください。

今月の星座

しし座

7月下旬から8月中旬ごろに誕生日を迎える人の星座として名前が知られている「しし座」、見やすいのは春の時期です。4月中旬の20時から21時ごろ、南の空の高いところに見えます。

「しし座」「こじし座」(銀河の画像クレジット:ESO DSS2 (AURA))

ライオンの胸に輝く青白い1等星レグルス、頭の位置に光る2等星アルギエバ、尾の位置にある2等星デネボラと、明るい星が3つあり、見つけやすい星座です。空の条件が良ければ、「ししの大鎌」と呼ばれるクエスチョンマークを左右反対にしたような星の並び(頭から胸のあたり)や、足の部分の星も見つけられます。元気よく星空を駆けるライオンの姿を思い描いてみましょう。

ギリシャ神話では人を襲う凶暴なライオンとされ、英雄ヘルクレスによって退治されました。「しし座」が西(右)を向いているのは、東の空に昇ってきた「ヘルクレス座」から逃げているからかもしれませんね。

また、「しし座」の上には「こじし(小獅子)座」があります。暗い星ばかりですが、忘れずに探してみてください。

二重星アルギエバ

肉眼では1つの星にしか見えないアルギエバを天体望遠鏡で観察すると、オレンジ色の2等星と黄色の4等星が並ぶ二重星であることがわかります。望遠鏡をお持ちの方はぜひご覧ください。

M66銀河群、M96銀河群

ライオンの後ろ足の付け根あたりに「M65、M66、NGC 3628」という3つの銀河が集まっています(MやNGCは天体カタログを表す符号です)。また、お腹のあたりにも「M95、M96、M105」という3つの銀河が集まっています。空の条件の良いところでは口径10cm程度の望遠鏡で見ることができます。

この3つずつの銀河はそれぞれ、見かけ上の位置が近いだけでなく宇宙空間内でも実際に近い距離にあり、このような小規模の銀河の集まりを「銀河群」と呼びます。大きく写した画像では、お互いの重力の影響で銀河の形が歪んでいる様子もわかります。

真夜中の星空

夜遅く帰ってくる人のため、ちょっと夜更かしの人のため、真夜中の星空をご案内しましょう。

図は4月中旬の深夜1時ごろの星空です。5月中旬の深夜23時ごろ、6月中旬の夜21時ごろにも、この星空と同じ星の配置になります(惑星は少し動きます/月が見えることもあります)。

2025年4月中旬 深夜1時ごろの星空

「しし座」が地平線に向かって西の空を駆け下りています。宵のころ頭上に広がるライオンは躍動感にあふれていますが、沈んでいく姿も絵になりますね。尾の星デネボラと「おとめ座」のスピカ、「うしかい座」のアルクトゥールスを結ぶと、南西の空に大きな「春の大三角」が描けます。スピカとアルクトゥールスは、北斗七星から続く「春の大曲線」の一部でもあります。

南東の空には「さそり座」が見え始めました。「しし座」の胸に輝く青白いレグルスと、「さそり座」の胸に光る赤いアンタレス、どちらのハートも美しく見えますね。東の空には「夏の大三角」も見え始めました。

新年度は何かとあわただしいものです。深夜まで起きてしまっていたら、星々や月を一目ご覧になって、少しリラックスしてからお休みください。

星空観察のワンポイントアドバイス

季節の星座や天体の動きを観察する星空観察。実は、ちょっとした知識や下準備で、得られる楽しさが大きく変わります。ここでは、流星の見つけ方や星座の探し方、場所選びや便利なグッズなど、星空観察をよりいっそう楽しむためのポイントをご紹介します。

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