写真好きなみんなが実践している思いやりマナー。基本的なルールを見直しながら、どうしたらみんなが気持ちよく過ごせるかを、あなたもいっしょに考えて行動してみませんか。あなた自身をリスクから守るためにも、スマートに撮影を楽しみましょう。
撮影場所のルールを守るのはもちろんですが、被写体となる人の行動にも十分に気を配り、常識の範囲内で安全に撮影を楽しみましょう。ルールを守らないで撮影した写真は、披露した際に、マナーの在り方が問われる可能性も。被写体の方だけでなく、自分にもみんなにもうれしい写真を撮りましょう。
Q. 花に囲まれた写真を撮りたい場合は、どうしたらいい?
A. 撮影者が撮影する位置を変えたり、アングルや構図を工夫することで解決できます。
傾斜のある場所では…
丘陵に花畑が広がる自然公園などでは、花畑の中に観賞用の歩道があります。撮影者が、被写体がいる歩道の上や下の歩道に移動して撮影することで、簡単に花に囲まれたような写真を撮影できます。歩道で撮影する際は通行人の妨げにならないように注意することも重要です。画角を自由に変えられる高倍率ズームレンズやF値の明るい望遠レンズを使うとより撮影しやすくなります。
平地では…
被写体にしゃがんでもらい、撮影者は立ったままで背景に入る花の面積が多くなるアングルや構図を探してみましょう。立ったままの被写体と同じ目線で撮るよりも、花に囲まれた写真が撮りやすくなります。ハイアングルで撮影する場合は広い花畑の場合は広角レンズ、狭い花畑の場合は標準から中望遠レンズがオススメです。
フォトジェニックな被写体と出会うと、誰もがシャッターをきりたくなるもの。でも、それが見ず知らずの他人やペットの場合は、細心の注意が必要です。感情的、法律的トラブルを防ぐためにも、自分がされたくないと思うことはグッと控え、事前に撮影や掲載の許可を得ることを忘れずに。
Q. ペットなどの動物を撮るときに、注意した方がいいことはありますか?
A. ペットだけでなく動物を撮影するときには、スピードライト撮影はもちろん、大きな音を出したり、しつこく追い回したりするなど、ストレスを与えてしまう行為はやめましょう。
Q. お祭りなどで撮影した写真をSNSやコンテストで使用したい場合は、どうしたらいい?
A. お祭りに参加中の演者の撮影は、多くの場合、トラブルになる可能性は低いですが、迷惑にならない場所から、被写体となる方がイヤな気持ちにならないよう、常識的な構図で撮影しましょう。
お祭りの演者の方は、常識的な範囲内で撮影の被写体になり得ることを想定されている場合が多いですが、観客の方はそうではありません。最近のコンテストでは、応募要項に明記されているケースもあります。トラブルとなる可能性があるので、SNSやコンテストの応募には細心の注意を払いましょう。
撮影に夢中になると、周囲が目に入らなくなったり、観光客や近隣の住人の方、ほかの撮影者に注意が向かなくなることがあります。あなたが美しいと感じる多くの場所は、みんなも美しさを楽しみたい場所。三脚禁止の場所や狭い場所、公道での三脚使用はやめましょう。また、三脚を使って仲間の場所取りをするのもトラブルのもとですので注意しましょう。人が集まる場所でも、自分だけの撮影スポットでも、みんなが気持ちよく過ごせるよう心配りが大切です。
撮影者同士のコミュニケーションは、世界が広がって楽しいもの。適切なアドバイスや情報交換は、お互いのためになりますが、深追いはマナー違反です。相手の撮影スタイルを尊重し、自分の意見を相手に押し付けないように気をつけましょう。
仲間との撮影では、会話も盛り上がってしまいがち。撮影スポットで大声で話したりすると、周囲の迷惑になるので、話し声のボリュームに気をつけましょう。
撮影にお出かけの際にはゴミが出ることを想定して、ゴミ袋の準備をしておきましょう。近隣のゴミ箱に捨てたりせずに、できるだけ持ち帰って捨てるのがスマートです。
自動車で出かける際には、路上駐車は厳禁。地元の方や緊急車両の通行の妨げになるので、必ず利用可能な駐車スペースを使用しましょう。
監修
上田 晃司(フォトグラファー、映像作家、ニコンカレッジ講師)