子どもの行事や友だちとのお出かけなど、さまざまな場所で撮影を楽しむようになったひかり。そんなひかりの様子を見ていたママ友からある日、「今度、私たちの家族写真を撮ってもらえない?」と撮影のお願いが舞い込んできました。「私でよければ、喜んで!」と意気込んだものの、「しっかり撮ってあげられるかな…」と不安もある様子。というわけで今回は、年賀状などのグリーティングカードにも使えるような、おしゃれでステキな家族写真の撮り方をご紹介します。
撮影監修:斎藤 勝則
撮影前にまず、撮影場所を検討しましょう。普段生活している家の中は家族のリラックスした表情が撮れるだけでなく、家の中の雰囲気でそのときの思い出が垣間見れるような1枚を撮ることができます。ただし、背景の選び方によってはごちゃごちゃと煩雑な写真になりがち。なるべくスッキリと、壁の前など整頓された場所を背景に選びましょう。また室内撮影は暗くなりがちですので、自然光の入る窓の近くなど日中でも明るい場所がおすすめです。
屋外で撮るなら公園など、広々とした場所がよいでしょう。木々に囲まれた場所よりも空が大きく見えるような場所、奥行きが感じられるような場所で撮ると背景や明るさをあまり気にすることなく撮ることができます。
「家族写真を撮るんだ」と構えてしまうと、表情も雰囲気も硬くなりがちです。特に子どもは、思い通りにさせようすると余計にうまくいかないもの。無理強いはせず遊びの延長のような雰囲気で、ひいては大人も「写真撮影、楽しみ!」とワクワクした気持ちで臨めるよう、楽しんで撮影をしましょう。
撮影する際、カメラは撮影相手の顔を少し覗き込むくらいの高さに構え、目線を合わせるように撮りましょう。撮影者と相手の距離も近づき、より生き生きとした表情を撮ることができます。撮影に夢中になるとつい、立った状態のままカメラを向けシャッターを押してしまいがちですが、撮影相手と同じ目線の高さまでアングルを下げることを心がけておきましょう。
家族写真で意外に難しいのが並び方です。特に子どものいる家庭など背の高さに差がある場合はバランスが取りづらく感じます。並び方の基本は、“三角形”を意識すること。立ち位置や顔の位置を調整し、画面の中に三角形を作るように並ぶとバランス良く、安定感のある構図になります。また並んだときにお互いぎゅっと寄ってもらうことで、仲良し家族の雰囲気を演出することができます。「こんなに近づくの?」と感じるくらい近くに寄ってもらうのがコツ。写真では、思い切って寄ってもらったほうがステキな1枚になりますよ。
複数人を一緒に写す家族写真では、全員にしっかりとピントを合わせることが大切です。前後に並んで立つ場合や動きのあるシーンなどは、「絞り」を絞る(F値を大きくする)ことで全体にピントが合うようになるので安心です。ただし、絞りを絞るとシャッタースピードが遅くなりますので、室内など暗い場所での撮影は手ブレしないよう、ISO感度を上げて対応しましょう。
逆に、ごちゃごちゃした背景を整理したり人物を印象的に写したりしたい場合は、絞りを開き(F値を小さくし)背景をボカして撮るのもおすすめ。ただし、絞りは開けば開くほど(F値が小さいほど)ピントの合う範囲が狭くなりますので、全員にピントが合っているかしっかり確認しながら撮影しましょう。
なお、カメラの撮影モードは基本的に、[A(絞り優先オート)]に設定しておき、撮影シチュエーションに合わせて絞りを変えながら撮影するとよいでしょう。
室内での撮影は、日中の明るいうちでも窓からあまり日が入らなかったり、斜光や逆光気味だと顔に影ができ暗く写ってしまったりする場合があります。顔が暗いなと感じたら、露出をプラス補正して撮影するとよいでしょう。
また日中の屋外でも、晴天時の逆光などはどうしても顔が暗く写ってしまいます。その場合はカメラの内蔵フラッシュを発光させて撮る「日中シンクロ撮影」がおすすめ。露出補正は背景も含め全体を明るくしますが、日中シンクロは背景の明るさはそのままで人物を明るく写してくれます。
そのときどきの思い出や歴史が刻まれていく家族写真。おしゃれに、ステキに、さまざまな形で残しておきたいですね。ここではそんな、家族写真の撮り方アイデアをご紹介します。年賀状用に家族写真を撮りたいという場合は文字を載せる位置を想定し、あらかじめスペースを空けた構図で撮影するとよいですよ。
人物を明るく撮ることができるフラッシュ撮影ですが、内蔵フラッシュはストレートに発光されるため不自然な写りになったことはありませんか? そんなときおすすめなのが、外付けスピードライトです。プロの機材のように思うかもしれませんが、実は初心者でも簡単、外付けスピードライトを使った「バウンス撮影」という方法ならば、自然な明るさで人物を撮ることができる優れものなのです。
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