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日向 ひかり x D3400

おしゃれでステキな家族写真を撮る

子どもの行事や友だちとのお出かけなど、さまざまな場所で撮影を楽しむようになったひかり。そんなひかりの様子を見ていたママ友からある日、「今度、私たちの家族写真を撮ってもらえない?」と撮影のお願いが舞い込んできました。「私でよければ、喜んで!」と意気込んだものの、「しっかり撮ってあげられるかな…」と不安もある様子。というわけで今回は、年賀状などのグリーティングカードにも使えるような、おしゃれでステキな家族写真の撮り方をご紹介します。

撮影監修:斎藤 勝則

Step1 グッとステキになる、家族写真の撮り方ポイント

撮影前にまず、撮影場所を検討しましょう。普段生活している家の中は家族のリラックスした表情が撮れるだけでなく、家の中の雰囲気でそのときの思い出が垣間見れるような1枚を撮ることができます。ただし、背景の選び方によってはごちゃごちゃと煩雑な写真になりがち。なるべくスッキリと、壁の前など整頓された場所を背景に選びましょう。また室内撮影は暗くなりがちですので、自然光の入る窓の近くなど日中でも明るい場所がおすすめです。
屋外で撮るなら公園など、広々とした場所がよいでしょう。木々に囲まれた場所よりも空が大きく見えるような場所、奥行きが感じられるような場所で撮ると背景や明るさをあまり気にすることなく撮ることができます。

家の中では背景がスッキリ見える壁の前などで、また自然光の入る明るい場所がおすすめ。日差しが強い場合は、レースのカーテンなどで光量を調整すると肌色がよりキレイに写ります。

屋外では公園などの奥行きが感じられる広い場所を選びましょう。人の多い場所では背景に他の人が写りこまないよう注意しましょう。

カメラと相手の目線を合わせよう

「家族写真を撮るんだ」と構えてしまうと、表情も雰囲気も硬くなりがちです。特に子どもは、思い通りにさせようすると余計にうまくいかないもの。無理強いはせず遊びの延長のような雰囲気で、ひいては大人も「写真撮影、楽しみ!」とワクワクした気持ちで臨めるよう、楽しんで撮影をしましょう。
撮影する際、カメラは撮影相手の顔を少し覗き込むくらいの高さに構え、目線を合わせるように撮りましょう。撮影者と相手の距離も近づき、より生き生きとした表情を撮ることができます。撮影に夢中になるとつい、立った状態のままカメラを向けシャッターを押してしまいがちですが、撮影相手と同じ目線の高さまでアングルを下げることを心がけておきましょう。

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「撮るよ」と声をかけたものの、どこか硬い表情です。また座っている家族を立った状態で見下ろすよう撮っているため、撮影者と相手との間に距離を感じさせる写真になってしまいました。

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目線の高さにカメラを構え、「もっと笑って! にっこり~!」と気分を盛り上げパシャリ。一気に表情も良くなりました。アングルを下げたことで相手にグッと近づいた印象になりました。

並び方のコツは三角形

家族写真で意外に難しいのが並び方です。特に子どものいる家庭など背の高さに差がある場合はバランスが取りづらく感じます。並び方の基本は、“三角形”を意識すること。立ち位置や顔の位置を調整し、画面の中に三角形を作るように並ぶとバランス良く、安定感のある構図になります。また並んだときにお互いぎゅっと寄ってもらうことで、仲良し家族の雰囲気を演出することができます。「こんなに近づくの?」と感じるくらい近くに寄ってもらうのがコツ。写真では、思い切って寄ってもらったほうがステキな1枚になりますよ。

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全身を入れて撮影。立ち位置が悪いと構図が安定せずバランスが悪く見えます。自然に立っているつもりでも、3人とも正面を向いた棒立ちで不自然なイメージに。

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子どもを真ん中にパパ、ママの頭の位置で三角形を作るように立って撮影、構図が安定しました。ぎゅっと寄って立ってもらうことで、まとまりある1枚に。

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さらに顔を寄せてもらい、アップで切り取りました。身長差がなくなることで密集感が増し、家族の温かな雰囲気がより濃く出た作品になりました。

Step2 家族写真は明るく、ピントを合わせて

複数人を一緒に写す家族写真では、全員にしっかりとピントを合わせることが大切です。前後に並んで立つ場合や動きのあるシーンなどは、「絞り」を絞る(F値を大きくする)ことで全体にピントが合うようになるので安心です。ただし、絞りを絞るとシャッタースピードが遅くなりますので、室内など暗い場所での撮影は手ブレしないよう、ISO感度を上げて対応しましょう。
逆に、ごちゃごちゃした背景を整理したり人物を印象的に写したりしたい場合は、絞りを開き(F値を小さくし)背景をボカして撮るのもおすすめ。ただし、絞りは開けば開くほど(F値が小さいほど)ピントの合う範囲が狭くなりますので、全員にピントが合っているかしっかり確認しながら撮影しましょう。
なお、カメラの撮影モードは基本的に、[A(絞り優先オート)]に設定しておき、撮影シチュエーションに合わせて絞りを変えながら撮影するとよいでしょう。

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絞り値:f/9
一斉にジャンプしたところを、タイミングを合わせ撮影。動きのある撮影では全員にピントが合うよう絞りを絞り、また広角で撮影することで、ジャンプする家族が画面内から外れてしまうという失敗を減らすことができます。

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絞り値:f/4.8
背景にマンションや公園の植え込みがあったため絞りを開き、さらに望遠レンズを使い背景をボカして撮影。背景が整理され、人物が浮き立った印象的な1枚になりました。

顔を明るく写すには

室内での撮影は、日中の明るいうちでも窓からあまり日が入らなかったり、斜光や逆光気味だと顔に影ができ暗く写ってしまったりする場合があります。顔が暗いなと感じたら、露出をプラス補正して撮影するとよいでしょう。
また日中の屋外でも、晴天時の逆光などはどうしても顔が暗く写ってしまいます。その場合はカメラの内蔵フラッシュを発光させて撮る「日中シンクロ撮影」がおすすめ。露出補正は背景も含め全体を明るくしますが、日中シンクロは背景の明るさはそのままで人物を明るく写してくれます。

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露出補正:0段
露出補正をせずに撮影したもの。サイドの窓から射す光で顔に影ができ、全体に暗い印象に。

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露出補正:0.7段
そこで、顔の影が気にならないくらいまで露出をプラスに補正し撮影。影も気にならず、全体に明るい印象の写真になりました。

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晴天時、逆光の状態で撮影。背景は明るく写っていますが、人物全体が影になり暗くなってしまいました。

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日中シンクロで撮影。背景の明るさはそのままに、人物部分にフラッシュが当たり明るく写すことができました。

Step3 家族写真のステキな撮り方アイデア

そのときどきの思い出や歴史が刻まれていく家族写真。おしゃれに、ステキに、さまざまな形で残しておきたいですね。ここではそんな、家族写真の撮り方アイデアをご紹介します。年賀状用に家族写真を撮りたいという場合は文字を載せる位置を想定し、あらかじめスペースを空けた構図で撮影するとよいですよ。

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着るものをおそろいにするとグッとおしゃれ度がアップ。おそろいでなくとも、着るもののテイストや色味は合わせておくとよいでしょう。ガーランドや各々の名前を書いたボードなど、何か小道具を持って撮るのもステキです。

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目線アリの並んだ写真だけでなく歩いたり遊んだり、家族が自然体で過ごす様子を捉えたスナップカットも残しておきましょう。撮影相手がカメラを意識しないよう、遠くから望遠レンズで撮影しました。

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家族写真というと立つか座るかというポージングにかたよりがちですが、ゴロリと寝っころがってみるのもおすすめ。リラックスしたポーズは和やかな雰囲気を演出します。

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父の大きな手と子の小さな手を重ねた写真は、表情を写していなくとも親子の愛情を感じます。「こんなに大きくなったよ」という子どもの成長記録にもなる1枚です。

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母が子に笑いかける、そんな日常のシーンもモノクロームで撮るととても新鮮に映ります。[ピクチャーコントロール]を[モノクローム]に変更するだけで撮影できますので、ぜひ気軽に試してみてください。

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モノクロームで写す家族写真はどこかストーリーを感じさせるような、余韻を感じる1枚になります。背筋を伸ばし、少しちゃんとした雰囲気でポートレート風に撮影しました。

ワンポイントアドバイス

人物を明るく撮ることができるフラッシュ撮影ですが、内蔵フラッシュはストレートに発光されるため不自然な写りになったことはありませんか? そんなときおすすめなのが、外付けスピードライトです。プロの機材のように思うかもしれませんが、実は初心者でも簡単、外付けスピードライトを使った「バウンス撮影」という方法ならば、自然な明るさで人物を撮ることができる優れものなのです。
その他にもさまざまに使え、よりよい写真が撮れるようになる外付けスピードライト。お持ちの方は少ないかもしれませんが、1台あるととても便利ですのでそろえてみてはいかがでしょうか?

初心者にも使いやすく、ひとつあるとさまざまに使えるスピードライトSB-300。

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内蔵フラッシュを使って撮影した1枚。暗い室内でも明るくブレずに撮ることができました。

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スピードライトを使って、天井に光を反射させて写すバウンス撮影で撮った1枚。明るいだけでなくより自然な色味で、肌色も美しく写すことができました。

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