色とりどりの花が咲きそろう華やかな季節を迎えました。ガーデニングが趣味のひかり、今日は緑豊かに整備された欧風庭園を見ることができる「京王フローラルガーデン アンジェ」にやってきました。
自宅のガーデニングの参考にしようとカメラを持ってきたひかりですが、いつしか美しい花を写真に収めることに夢中になっている様子。「今日はこのレンズ1本だけしか持ってこなかったけれど、私でもきれいに花を撮れるかな?」。というわけで今回は、18-35mmのレンズ1本で花の撮影にチャレンジ。いろいろな花を多彩に、美しく撮る方法をお伝えします!
撮影監修:斎藤 勝則
花はそれだけで絵になるとてもフォトジェニックな被写体です。そのまま撮ってもきれいに写すことができますが、ちょっとした撮影のコツや工夫を知ればさらにきれいに、人からも褒められるような花の写真を撮ることができます。
たとえばきれいな花壇を見つけ撮りたいと思ったとき、その場に立った状態でファインダーをのぞいてただ漠然と全体を撮ってしまうと、どこか物足りない、つまらない写真になってしまいがちです。そこで撮りたい花をひとつ決め、その花が主役になるよう花に近づいて大きく写すだけで、写真にメリハリが出ます。立ったまま、ただその場でシャッターを押すのではなく、花によって真上から撮ってみたり、下からあおるように撮ってみたりと撮影位置や角度を変える意識を持つだけで写真の印象がぐっと変わります。
今回ひかりが持ってきたのはD3300 18-55 VRII レンズキット。小型で軽いレンズとのセットなので、気軽に持ち歩くことができます。18-55mmのレンズ1本でどんな写真が撮れるかな?
存在感のある美しい花を見つけたら、その一輪の花を主役に撮影してみましょう。花の微妙な色合いや模様、花びらの造形や質感などをしっかりと写し撮ってあげることで、花の美しさをストレートに表現できる作品を撮ることができます。
一輪の花を撮る際のポイントとして、まず主役となる花を際立たせるために、背景がシンプルになるような構図を探します。背景を大きくボカしたりしてもよいでしょう。また基本的にピントは花の"しべ"に合わせます。花びらの模様を見せたいときなどは、あえて花びらにピントを合わせて撮影しても面白いと思います。
手順1
ボタンを押し、フォーカスモードを「AF-A(AFサーボモード自動切り換え)」に設定します。被写体が静止しているとき、動いているとき、自動でそれぞれの状況に適したピントの合わせ方に切り替えてくれるモードです。
手順2
次にAFエリアモードを「シングルポイントAF」に設定します。D3300には11点のフォーカスポイント(ピントを合わせる位置の基準となるポイント)がありますが、フォーカスポイントを一か所、自分で自由に選ぶことができるようになります。
手順3
撮りたい花を見つけたら、ファインダーをのぞきながらマルチセレクターを上下左右に動かし、フォーカスポイントを移動させてみましょう。この場合、左側の白い花にピントを合わせたいので、フォーカスポイントを花の位置のポイントに移動させ撮影しています。
屋外で花の撮影をしていると、茎の長い花などはわずかな風でもゆらゆらと揺れるため、構図がうまく定まらない、シャッターを切った瞬間に花が揺れてピントがずれてしまうといった経験をした方も多いのではないでしょうか。
そんなときは、AFエリアモードを「3Dトラッキング」に設定してみましょう。この設定にしてからピントを合わせると、被写体が動いていてもシャッターボタンを半押ししている間ずっとその被写体を追ってピントを合わせ続けてくれるのです。風が止んだ瞬間のシャッターチャンスを待って、すぐにシャッターを切ることができます。
手順1
撮りたい花の構図を決めたら、マルチセレクターでフォーカスポイントを選び、"しべ"にピントを合わせます。
手順2
シャッターボタンを半押しの状態にします。風で花が揺れている間もずっと"しべ"を追ってピントを合わせ続けてくれます(※)。
手順3
風が止んだ瞬間を狙ってシャッターを切ります。ピントを合わせ直す必要がないので、シャッターチャンスを逃しません。
曇りの日などはシャッタースピードが遅くなるため、被写体ブレだけでなく手ブレも心配です。手ブレを起こす場合は「3Dトラッキング(11点)」だけでなくISO感度を上げることをおすすめしますが、連写撮影も効果的です。液晶モニター左下にあるボタンを押して、レリーズモードを「連続撮影」に設定、揺れる花を連写で撮影してみましょう。数撃てば当たる……的な方法ではありますが、なかなかうまくシャッターチャンスをモノにできないという方は、試してみてはいかがでしょうか?