まだ寒さの残るある日、一足早い春を探しにマザー牧場へやってきたしほり。広い斜面いっぱいに広がる菜の花畑だけでなく、イチゴ狩りをしたり春の出産ラッシュを迎え誕生している子羊を見たりと、春を満喫しながら春らしい写真もたくさん撮れそうです!
外に出歩くのもおっくうになりがちな寒い冬が終わり、カメラを持ってのお出かけに気持ちのよい季節がやってきました。しほりと一緒に、春をイメージできるようなやわらかな雰囲気の写真撮影にチャレンジしてみませんか?
撮影監修:斎藤 勝則
まずは春らしい被写体を探してみましょう。春に咲く花や鳥、春を連想させるアイテム、春に行われる行事、晴れていれば少しぼんやりと霞がかかった空なども春らしさを連想させますね。また、パステルカラーの被写体も淡くやわらかな雰囲気になります。その他どのようなものがあるか、カメラをもって春らしいものを探しながら歩く散歩を楽しんでみてください。
ボケを入れた写真は入っていないものよりやわらかな印象になるため、春らしい写真を撮るのにおすすめです。
ボケを作るにはいくつかの方法がありますが、今回は30-110mmの望遠ズームレンズを使ってボケの写真を撮ってみましょう。望遠レンズは背景がボケやすいレンズです。特に、望遠側で撮影すると、より大きくボカすことができるのです。
背景をボカすことを「背景ボケ」といいますが、手前の部分をボカした「前ボケ」という撮影方法があります。これは、主役となる被写体の手前にピンボケさせた被写体を入れて撮影する方法です。前ボケを作るコツは、主役となる被写体と手前に入れるピンボケの被写体の距離をなるべく離すこと。ボケさせる被写体はレンズのすぐ前に近づけ、主役となる被写体はレンズから遠くに置くようなイメージで撮るとよいでしょう。
なお、ボケが大きいということはそれだけピントが合う範囲が狭いともいえます。合わせたい場所にしっかりピントが合っているか、撮影時に注意が必要です。
今回の撮影で使った機材はNikon 1 J4 ダブルズームキット。標準ズームレンズの他に110mmまで撮れる望遠ズームレンズがついています。
「どの花にピントを合わせようかな?」ピントを合わせる位置をどこにするかでボケの位置が変わり、写真の印象も変わります。
やわらかい写真を撮るためにカメラの機能を使ってみるのもよいでしょう。たとえば、「クリエイティブリング」は、カメラが自動で画づくりをしてくれるアーティスティックな機能です。撮りたい被写体を見つけたら液晶モニターに表示されるリングを指で回転させ、回転に合わせ変化する効果を見ながら「やわらかい雰囲気だな」と思ったところでシャッターボタンを押すだけ。また、「ソフト」は画像全体を少しボヤかし、やわらかな雰囲気に仕上げてくれます。
どちらも細かい設定を行わずとも、そのモードに切り替えれば簡単に撮影することができますので気軽に使ってみてください。
手順1
撮影モードダイヤルを(クリエイティブモード)に合わせます。
手順2
ロータリーマルチセレクターの (フューチャー)を押して メニューを表示、[クリエイティブ]を選んでOKボタンを押します。
手順3
ロータリーマルチセレクターを回しながらソフトを選び、OKを押せば設定完了。ソフト効果のかかった作品を撮ることができます。
手順4
なお、メニューでソフト効果の強さを変えることができます。
「これはやわらかい雰囲気で撮れそう!」と思って撮影したのに、オート撮影では思ったより暗めに写ってしまう場合があります。そんなときは露出補正で写真を明るくしてみましょう。ロータリーマルチセレクターの (露出補正)ボタンを押してプラスに補正すれば、写真全体を明るく、ふんわりやわらかなイメージに仕上げることができます。