ある晴れた日、ぽかぽか陽気に誘われて、ひかりは息子の一真(かずま)と一緒に公園にやって来ました。広い原っぱやたくさんの遊具に一真も大はしゃぎ。これまでもイベント事や旅行などで子供の記念写真を撮ってきましたが、楽しそうな子供の様子に「よし、今日は自然体で遊ぶ姿を撮ってみよう!」と思い立ったひかり。ところが、元気に動き回る一真に大苦戦!ブレたりボケたりと失敗続きの様子。「でも子供はじっとしていられないし、ポーズを取らせると自然な表情にならないし…」。自然な表情の子供を撮るコツ、教えて!
撮影監修:斎藤 勝則
S:シャッター優先オート
モードダイヤルを回して「S:シャッター優先オート」にし、シャッタースピードを速く設定するとブレにくくなります。シャッタースピードは晴天の屋外であれば1/500秒~1/1000秒が目安。
曇天時など光量が足りない場面ではシャッタースピードを速く設定できないことがあります。その際は「ISO感度(カメラが光を捕らえる能力のこと)」の数値を上げると、その分シャッタースピードを速く設定できるようになります。なおISO感度を上げるのは最大でも400を目安にしましょう。
「フォーカスモード」は「AF-C/コンティニュアスAFサーボ」
シャッターボタンを半押しにしている間、カメラが動き回る子供に合わせてピントを合わせ続けてくれるモードです。
ISO感度の設定およびフォーカスモード、AFエリアモードの設定は、いずれもモニター左下の(アイ)ボタンから、それぞれの項目を選んで設定しましょう。
「AFエリアモード」は「ダイナミックAF」
ファインダー内の数か所でピント合わせのポイントを探してくれるため、同じく動き回る子供にピントが合いやすくなります。
子供の撮影で揃えておきたいのが望遠レンズ。少し離れた場所から撮ることができるので、子供の遊びを邪魔することなく自然な表情を狙うことができます。また、レンズの焦点距離が長くなると、その分背景をボカした撮影ができるようになるのもうれしいポイントです。
今回はD3200ダブルズームキットについている2本のレンズで撮影を行いました。背景をボカしたり、遠くから狙って撮影したい場合は55-200の望遠ズームレンズで、広々とした風景を背景に入れたり、子供に寄って撮影したりする場合は標準ズームレンズで。撮るシチュエーションと仕上がりのイメージに合わせてレンズを変えながら撮影することを覚えると、表現の幅もぐんと広がっていきます。
レンズ交換はゴミやホコリが入らないようボディのマウント部分を下に向けて、風上に背を向けて行おう。風の強いところでは交換しないこと
望遠側で撮影した1枚を撮ったのはこの位置から。望遠のズームレンズを使えばこんなに遠く離れていても表情までバッチリ!運動会などでも活躍しそうな1本
カメラを向けるとヘンな顔をしたりそっぽを向いたり、あちこち動き回って撮れなかったり……子供の自然な表情が撮れないと悩む方は多いのではないでしょうか。ですが、大人だってカメラを向けられると自然でいられなくなるもの。子供を思い通りに動かそうとするのではなく、まず子供が楽しい環境を作ることが大切です。親子で一緒に楽しみながら、遊びの一環としてカメラを向けましょう。
その他、子供の撮影でおすすめなのは、食べ物を食べているとき。子供が食べ物に集中するため、じっとしていられない子供を撮る絶好のシャッターチャンスです。また、笑顔ばかりを狙うのではなく、遊びに夢中になっているときの真剣な眼差しなども撮っていくと、表現のバリエーションが広がります。そして時には子供の目線までカメラを下げて撮影をしてみてください。子供が見ている視界の高さから撮ってみると、より生き生きとした子供の表情が見えてくるはずです。
「撮るよ!」と声をかけて撮ると、撮られることを意識してしまうので表情が硬くなってしまうことも
子供と同じ目線になって撮ってみよう。いつも似たようなアングルになってしまうという方にもおすすめ
走る、ボールを蹴る、自転車に乗るなどの速い動きには「連写」での撮影がおすすめ。連写撮影は、シャッターボタンを押している間、約4コマ/秒の速さでシャッターを切り続けます。速い動きの間に1回のシャッターチャンスを狙って撮るより、一連の動きを撮影した数枚の写真の中から、子供の動きや表情などのタイミングが合った1枚を選ぶ方が失敗も少なく簡単です!連写を上手に使って、決定的瞬間を逃さず撮りましょう。
なお、連写を撮るには、モニターの右下にあるボタンを押し、「連写(連続撮影)」を選びOKボタンで設定します。