今日は友達の香織ちゃんと公園へのんびりピクニック。実は瞬、たまに友達をモデルに撮影の練習をしているようで「香織ちゃん、今日も写真撮っていい?」とお願いをしたのですが、「うーん、可愛く撮ってくれるならいいけど…」とあまり乗り気ではない様子。どうやらこの間撮った写真があまり気に入らなかったようで……。香織ちゃんが喜んでくれるような写真、どうやって撮ればいいんだろう?
撮影監修:斎藤 勝則
屋外撮影で女性に喜んでもらえるような写真が撮りたいなら、晴れた日に逆光(光源が人物の背面)で撮影をするのがおすすめ。顔を明るく撮ろうと順光(光源が人物の正面)で撮影をしがちですが、鼻や顎の下などに濃い影が出るためコントラストが高く強い印象のポートレートに。一方、逆光は影も薄くなり肌の質感が出てやわらかい雰囲気の写真になります。さらに人物の輪郭が光の中に浮き上がり人物を強調した印象にもなります。
逆光撮影では背景の明るさにカメラが露出を合わせてしまうため人物が暗く写ってしまいます。そこで撮影モードを「A:絞り優先オート」に設定し、人物が明るく写るまで+側に補正して撮影を行いましょう。また、昼間の逆光時に内蔵フラッシュを使う「日中シンクロ」撮影もおすすめ。露出補正は人物だけでなく背景も明るく補正されてしまうため、場所によっては人物に合わせて補正すると背景が明るく飛んでしまうことがありますが、日中シンクロならば背景も見た目通りの自然な明るさで写ります。
フラッシュは瞳にキャッチライトが入るためより活き活きした表情に
ポートレートは目にピントを合わせるのが基本。撮影したら拡大して確認を
お互いに撮影に慣れてきたら、身体の向きや手の位置、目線など彼女に声を掛けながらいろいろと変化をつけてもらうと写真に動きが出ます。また慣れないうちは人物をただ真ん中に置く単調な構図になりがちです。中心から外したり、アングルを変えたりと構図にも変化をつけるよう意識してみましょう。
やわらかな雰囲気を出すために、絞りはなるべく開いて(F値を小さくして)撮影をします。背景をぼかすことで人物をより強調させることができ、印象的な写真に仕上がります。多少背景がうるさい場所だったとしても、背景をぼかすことで人物が際立って見えるはずです。
ポートレート撮影の際は、ピクチャーコントロールの「PT:ポートレート」モードに設定しておくと良いでしょう。ピクチャーコントロールとは、コントラスト、彩度、明るさ、色合いなどをモードに合わせてカメラ独自で画像調整を行う機能です。ポートレートモードは人物の肌の描写をきれいになめらかに、自然な色合いに調整します。また髪の毛の影の部分を比べるとわかるように、シャドー部分がつぶれないよう、濃くなり過ぎないように調整しているので肌をよりやわらかな印象に仕上げてくれます。