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撮影者プロフィール
1956年生まれ、埼玉県在住。埼玉県美術家協会会員、写団うらわ主宰。各写真雑誌などで年度賞1位を多数受賞(『アサヒカメラ』2002年・モノクロプリントの部、『nikkor club』2007年・サロン・ド・ニッコール、『デジタルカメラマガジン』2009年・モノクロプリントの部、『アサヒカメラ』2014年・組写真の部)。過去の展示に「少年時代」(2011年・ニコンサロンbis新宿)、「記憶のカタルシス」(2016年・ニコンサロンbis新宿、ニコンサロンbis大阪)がある。
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2011年の「少年時代」では子どもたちの姿、2016年の「記憶のカタルシス」は心象風景のイメージを展示しましたが、今回の展示はまた別の切り口でまとめています。ほとんどが昭和の終わりから平成にかけての上野、浅草、新宿、銀座を中心に撮影したスナップです。すべてフィルムカメラで撮り、200~300枚ほどプリントした中から選びました。
仕事で東京に行く機会が多々あり、その際常に持ち歩いていたカメラで気になる光景を撮り集めていました。疲れたサラリーマンやホームレスの人びと、下町の情景、場外馬券売り場の男たちなど、華やかな東京の裏側を感じさせるようなものです。それらに自身の葛藤や悩み、悲しみを投影するうち、自然と答えが見つかるような気がしました。
光と影が混ざり合って形づくられる東京の街角に、さまざまなものを重ねて観ていただければと思います。また、展示の構成に変化を付けているので、最後までご覧いただければ嬉しいです。
時代の憂鬱さと面と向かった時、人間は個としてのアイデンティティを必死で貫き守り通そうとするものかもしれません。この時代を呼吸し、生き抜かなければならない宿命を担う人びとに立ち会いながら、作者自らが自分探しを実践しているようです。