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ニッコールクラブ会員展

「何もない、これがいい」星川明美

撮影者プロフィール

ほしかわ・あけみ 1948年生まれ、奈良県在住。2014年度ニッコールクラブ会報フォトコンテスト「サロン・ド・ニッコール」年度賞1位。2016年には第64回ニッコールフォトコンテスト第1部モノクロームでニッコール大賞を受賞。

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インタビュー

第64回ニッコールフォトコンテスト第1部モノクローム・ニッコール大賞を受賞された作品と同じテーマです

受賞したことをきっかけに、もっと多くの方々に見ていただきたいと思い、展示することを決めました。4年半前に友人の紹介で知り合ったM子さんは荒れ地にビニールハウスや和製ゲルをつくり、2頭の馬と、1匹の犬とともに暮らしています。自宅から車で3時間ほど離れたM子さんの元へ、年に数回通って撮影しました。

写真展を通して伝えたいことは?

動物とともに暮らし、今やりたいことをする、という姿勢を私は羨ましく思いました。電気、ガス、水道のない最低限の生活は、なかなかできることではありません。モノが溢れる現代の中で、あって当然と考えているものがない、その暮らしの自由さを感じてもらえればうれしいです。

今後の作品制作について教えてください

遊牧民のような生活を理想として楽しむ彼女の姿を、これからも撮影しながら見守っていきたいです。また、動物が好きなので「人間と動物のかかわり」をテーマに撮影を続けたいと考えています。

顧問講評 大西みつぐ

2016年に「ニッコール大賞」に輝いた星川さんのモノクロ作品は組写真。時間をかけて取材されたM子さんの暮らしぶりは、やはりもっと多くの写真があることで、時間の経過、ディテール、さらには彼女の生き方そのものを描くことができます。今回の写真展では、カメラを通じて他者を理解していくという根本がここにあることを私たちに気づかせてくれます。技巧や表面的な見せ方を超えたストレートな写真は、人間とは何かという大きな課題を突きつけてくれそうです。