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撮影者プロフィール
東京都生まれ。カルチャーセンターにて写真を学び、その後、中谷吉隆氏に師事。2008年、初個展「観音様の掌」(エプソンイメージングギャラリー epSITE)開催。中谷写真塾・全日本写真連盟所属。
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観光地であり娯楽の場であり信仰の場でもある浅草に集う人々は、まるで観音様の掌の中で見守られているかのように思えます。幸せを求める人々の無邪気な、そして切なる姿に、そこにいる自分も幸福感を共有しながらシャッターを切りました。また、以前は「観音様の掌で繰り広げられる出来事を客観視してとらえていましたが、今回は意識して人物に焦点を当て、人々の思いにより迫って撮影しました。
広角レンズで近づいて撮影することが多かったので、コミュニケーションは必須です。約3年間の撮影にあたってモチベーションを保ち続けることに苦労しました。観光地なので他の場所に比べると撮影を断られることは少ないほうですが、やはり不審がられることもありました。
浅草での撮影はライフワークとして続けていくつもりです。国際化が進み、清潔感がある街に変わりつつありますが、人間臭さや独特の猥雑さが失われていくことは少し残念です。これからの浅草の変化を楽しみにしつつ、新たなテーマにもチャレンジしたいと考えています。
浅草の観音様として、参拝者や観光客で賑わう浅草寺境内周辺を3年余りの歳月をかけて丁寧に撮られた作品。老若男女、大道芸人、外国人観光客などさまざまな人々が繰り広げる、まるで「観音様の掌」を舞台にしているかのような幸福感にあふれた人間模様を、温かい愛情に満ちた眼差しで見つめています。楽しそうに撮っている姿が身近に感じられ、作品を見る人まで幸せにしてしまう、理屈なしにエネルギーが伝わってくるステキな写真展です。