会員ギャラリー

トップへ戻る

ニッコールクラブ会員展

「ミャンマー・女性たちの今」楠瀬彰彦

撮影者プロフィール

1935年、東京都生まれ。慶應義塾大学卒業。定年後に写真を始める。
多くの写真コンテストで入賞多数。全日本写真連盟関東本部委員· 築地クラブ会員。

読み込み中です。

インタビュー

撮影当時、ミャンマーの印象は?

ミャンマーへ撮影に行った時期は、ちょうど25年ぶりの総選挙が行われ、アウン・サン・スー・チー党首率いる国民民主連盟 (NLD) が軍事政権を覆した前後です。一部の民衆のテンションは高揚していました。「これからは外国の投資が増えて生活が豊かになるだろう」と都市部で期待が高まる一方、地方での生活はそう簡単に変わらないようでした。

特に印象深かったものを教えてください。

最も印象に残ったのは女性たちの姿です。家庭を守る女性の逞しさやしなやかさ、強さ、優しさ。これらは、どの時代においても揺るがないものなのだと感じました。また、若い尼僧たちの寄宿舎を訪れる機会があったのですが、彼女らが食事をしたり町へ買い物に行ったりする姿を微笑ましく思うと同時に、時勢が変わっても、変わらぬ人々の生活や文化に想いを馳せました。

楠瀬さんはこれまでに何度も東南アジアを訪れて撮影していますが、次の目標は決めていますか?

まだ、次にどの国を撮るかは決めていません。しかし、これからもひとつ場所を決めて、その国に暮らす人々の生活やありのままの姿を撮っていきたいと考えています。

顧問講評 小林紀晴

ミャンマーはさまざまな変貌を遂げる国です。そのなかで楠瀬さんは女性の姿をいきいきととらえています。子ども、母子、尼さん、老人などさまざまな世代に眼を向けています。笑い声、囁き、祈りの声といったものが写真から聞こえてくるかのようです。その場に溶け込んで撮影しているからでしょう。なかでも働く女性の姿が印象的でした。身体から発せられる感情といったものが写真から強く感じられ、「身体性」について深く考えさせられます。