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ニッコールクラブ会員展

「ぶらり大阪環状線」石津武史

撮影者プロフィール

1943年生まれ。大阪府出身。学生の頃から写真を始め、ニコンサロンbisでの展示は3回目となる。第61回ニッコールフォトコンテスト・モノクロームの部でニッコール大賞. 長岡賞受賞。

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インタビュー

作品のテーマは?

大阪で生まれ育った私にとって環状線は身近な存在であり、よく利用しています。環状線周辺は前々から撮影していたのですが、60年間ほど慣れ親しんできたオレンジ色の車体がリニューアルするというニュースを新聞で知ったことをきっかけに、ずっと生活の側にあった列車と人々の暮らしをテーマに据えて、改めて撮影しました。

全ての写真が縦位置で、オレンジ色の車体が入っています。

環状線は天王寺~新今宮の1区間を除いた全てが高架上の線路なので、人々の頭上に環状線が走る構図を意識しました。いつもは何となく車窓から景色を眺めて乗っています。しかし、この終着駅のない列車からぶらりと降りてみると、そこには車窓からは見えなかった地元の人々の飾らない普段の生活がありました。町や車のスナップと車体を交えて撮ることで、後々見返したときに「オレンジ色の環状線が走っていた時代はこんな生活だったのだ」と、時代性を読みとってもらえれば嬉しいです。

これからの目標は?

別の作品として、大阪の西成地区を長年撮り溜めています。未発表のまま纏められていないので、いつか一つの作品に仕上げて発表したいです。

顧問講評 織作峰子

オレンジ色の列車がいずれの写真にも入っています。この光景が近い将来消えてしまうとニュースで知り、だから今撮らないと……という感情は、写真家だからこそ芽生える思い。環状線と周辺で暮らす人々との関わりに対し、常に愛情をもって長年撮影されてきた石津さんの実績と、歩いた経験値によって作品へ作り上げた確かな実力を感じます。