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第20回(2018年度)三木淳賞受賞作家 新作写真展 田川基成写真展「見果てぬ海」を開催

ニコンプラザ東京・大阪の写真展会場「THE GALLERY」にて、田川基成写真展「見果てぬ海」を2020年11月17日(火)より開催いたします。

作家のコメント

人生の半分を育った島から離れて暮らした。ちょうど三十歳を過ぎた頃だったろうか。ふと故郷の海のことをもっと知りたくなった。

私は長崎県西彼杵(にしそのぎ)半島の沖合に浮かぶ小さな島で育った。あたりの海域はリアス式の複雑に入り組んだ地形で、日本の中でもっとも離島が多い。そこは有人島が70あまり、無人島も含めると約600もの島々が点在する多島海だ。島の西の沖には、遠く五島列島が連なっている。幼い頃からその海の向こうを見続けてきた。

島々は大陸に近く、古くから様々な人間や文化、宗教が海を越えて交わってきた。仏教は中国からもたらされ、神社も各地に存在する。大航海時代には、ポルトガル人やスペイン人がこの地にキリスト教を伝えた。そして、弾圧を生き延びたかくれキリシタンたち。この海では今もそうした信仰が混在し、共生する。人々は信じるものにかかわらず、同じその海で魚や鯨を獲り、急峻な土地を耕してきた。その営みの積層の上に、今の私たちは在る。

私は大人になったある日、はじめて目の前に広がる海を旅してみようと思った。(田川基成)

田川基成(たがわ もとなり)氏プロフィール

1985年生まれ、長崎県の離島出身。北海道大学農学部森林科学科卒業。自身のルーツと暮らしてきた土地や旅の経験を通し、「移民」と文化の変遷、土地と記憶、宗教などに関心を持ち作品を撮る。2018年、千葉に住むイスラム教徒の移民家族の5年間を写した「ジャシム一家」で第20回三木淳賞受賞。

写真集 『見果てぬ海』(赤々舎、2020年)、個展 「ジャシム一家」 (新宿/大阪 THE GALLERY、2018年)、「ジャシム一家」 (札幌市教育文化会館、2018年)、「ジャシム一家」 (銀座/大阪ニコンサロン、2017年)

第20回(2018年度)三木淳賞受賞新作写真展 田川基成義写真展「見果てぬ海」

なお、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため当面の間、以下の対応を取らせていただきます。

ご来場の前に

「THE GALLERY」について

「THE GALLERY」は2017年に東京・大阪に開設された写真文化の普及・向上を目的とする写真展示場です。ニコンの機材を用いて著名な写真家が制作した質の高い作品を展示する企画展の他、ニッコールクラブ会員展、写真団体展などを開催します。

以上

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