ニコンプラザ東京・大阪※の写真展会場「THE GALLERY」にて、古賀絵里子写真展「BELL」を2020年10月23日(金)より開催いたします。
平安時代に成立した『安珍清姫物語』は、日本で最も有名な悲恋の伝説として、現代に伝わっています。能楽や人形浄瑠璃、歌舞伎や日舞などの伝統芸能にとどまらず、絵画や小説、舞台や映画などにも登場し、表現の幅を広げながら観るものを魅了し続けています。
今でも和歌山県・道成寺を訪れれば、ご住職の絵解き説法を拝聴することができ、京都・妙満寺を訪ねれば二代目の鐘を拝観することができます。私たちにとって、求めれば手が届き、想像をふくらませる事のできる魅力的な伝説でもあるのです。
この物語は、愛や裏切り、執着や悲しみ、また生や死が盛り込まれることで、どの時代の人々の心にも響くような、普遍的なメッセージを放っています。そのテーマに惹かれた私は、物語から着想を得て、2018年から2020年にかけて『BELL』を制作しました。
女性が負った悲しみや秘められた強さを、現代を生きる私たちの中に掘り下げながら撮影しました。伝説に向き合い、現在の自分の家族や生活を見つめることで、より解き放たれた自由な生き方を探っています。
1980年福岡市生まれ。上智大学フランス文学科卒業。第20期写真ワークショップ・コルプス修了。2004年浅草のある老夫婦の日常を綴った作品『浅草善哉』で「フォトドキュメンタリーNIPPON」を受賞。2011年写真集『浅草善哉』(青幻舎)出版、翌年「さがみはら写真新人奨励賞」を受賞。2015年には、高野山を舞台にした二作目『一山』(赤々舎)を刊行し、同展で「KG+AWARD」グランプリを受賞。翌年、京都国際写真祭のメインプログラムにて、自身の妊娠と出産をテーマにした作品『TRYADHVAN』を展示。同年写真集『TRYADHVAN』(赤々舎)を出版した。他に写真絵本『世界のともだち12カンボジア』(偕成社)などがある。「日経ナショナルジオグラフィック写真賞」優秀賞、産経児童出版文化賞、Prix Virginia 2018 Jury’s Choice(フランス)などを受賞。国内外にて個展やグループ展を多数開催。2018年「Life Live Love」展を野村恵子氏と開催(入江泰吉記念奈良市写真美術館)。フランス国立図書館、清里フォトアートミュージアムなどに作品が永久収蔵されている。京都市在住。
ニコンプラザ東京 THE GALLERY
ニコンプラザ東京リニューアルオープン写真展
10月23日(金)~11月16日(月)
ニコンプラザ大阪 THE GALLERY
11月26日(木)~12月9日(水)
「THE GALLERY」は2017年に東京・大阪に開設された写真文化の普及・向上を目的とする写真展示場です。ニコンの機材を用いて著名な写真家が制作した質の高い作品を展示する企画展の他、ニッコールクラブ会員展、写真団体展などを開催します。
以上