中国の思想家・荘子は、蝶になった夢の中の自分が現実か、人間である現実が夢なのかという話を残した。
「夢は無意識の表象の一部」と聞いたことがある。
寝ている時以外にも不意に視界に入る「夢のようなイメージ」もまた、無意識の一部なのだろうか。
不穏な場面や不気味な形状、不可思議な存在に、無音の瞬間。
私の内なる無意識は、何かしらの「象徴」としてこのようなイメージを見せ、語りかけているようだ。
無意識が伝えたいことは何だろう。
夢か現か。間(はざま)に揺らぐ認識。
しかしカメラを通して記録されたイメージは、写真という物体、あるいはデータという細かな粒子の集まりとなって、現実として他者と共有することが出来る。
私の無意識が見せるイメージの解釈への道のりは未だ遠いが、写真という媒体を通し他者と共有することで、理解への道しるべが見えてくることを密かに願う。
(クガ ハルミ)
1995年 東京都生まれ
2022年 京都芸術大学芸術学部卒業
[主な活動歴]
2018年 「Cherry Blossoms」(グループ展、銀座奥野ビルGalerie La)
2022年 「玉響―tamayura―」(個展、IG Photo Gallery)
2023年 「2023年度ヤング・ポートフォリオ展」(清里フォトアートミュージアム)
[収蔵]
2023年 清里フォトアートミュージアム
2024年 清里フォトアートミュージアム