Nikon Imaging
Japan
プレミアム会員 ニコンイメージング会員

<ニコンサロン>
黄 麗穎
彼のこと、今でも知らない

会期

2024年6月25日(火)~2024年7月8日(月) 日曜休館

10:30~18:30(最終日は15:00まで)

開催内容

中国の一人っ子政策時代、母は私より先にもう一人子供を妊娠していた。でも、思いがけず死産となってしまった。民間伝承によると、胎内で死んだ子は仏の眷属で、前世の因果から一時的な縁で両親と繋がっていたという。私の母親はそれを信じて、毎年霊山に登り、お線香をあげて祈る。子供の頃、兄弟が存在すると想像したことがあったが、今考えると、彼が無事に生まれたら、私はこの世にはいないのだろう。
2016年からの二人っ子政策、さらに2021年中国政府は 3 人目の出産を認め、一人っ子家庭は、滔滔と流れる長江に沈んしまったようである。皮肉なことに、一人っ子政策の時期の親達は子供がたくさん欲しかったのに、今ではほとんど産めない状況で、現在の若者たちは逆に産みたくない状況である。そんな反転した時代に、生まれることができなかった兄弟が存在しているようで存在していない家を撮影し、河に沈んだ「一人っ子世代」を掘り起こすように、過去と現在、記憶とイメージの隙間から、「不在」を写し出すことを探求する。

(黄 麗穎)

プロフィール

黄 麗穎(コウ レイエイ)

1998年 中国の四川生まれ
2018年-2022年 東京工芸大学写真学科 卒業
2022年-2024年武蔵野美術大学映像·写真コース修士修了

受賞
2020年 写真学科スペシャル特別審査員賞 伊藤ヒロコ賞
2022年 フォックスタルボット賞 佳作
2023年 APAアワード2024 文部科学大臣賞
2024年 武蔵野美術大学修了制作 優秀賞


グループ展
2020年 「写真学科スペシャル アワード2020」 ソニーイメージングギャラリー
2022年 「東京工芸大学卒業展」 東京工芸大学中野キャンパス
2022年 「フォックスタルボット賞 受賞写真展」 写大ギャラリー
2022年 「武蔵野美術大学小林ゼミ展」 ルデコギャラリー
2023年 「T3 STUDENT GALLERY 2023」 JR東京駅
2024年 「武蔵野美術大学 卒業修了制作展」 武蔵野美術大学鷹の台キャンパス
2024年 「APA AWARD 2024公募展」 東京都写真美術館
2024年 「武蔵野美術大学 卒業修了優秀作品展」 武蔵野美術大学美術館

ニコンイメージングプレミアム会員
ニコンイメージング会員