沖縄の八重山諸島に浮かぶ小さな島と小さな集落で2013年から2023年にかけて撮影した写真です。どちらの地域も住んでいる人の数は50人ほど。そこには信号や横断歩道もなければ食料品を買える店もありません。民宿や観光客相手の店を営む以外にはこれといった産業もなく、目の前の海で魚を獲ったり小さな畑で野菜を作ったり、猟の期間には山でイノシシを獲ったりして半自給自足的な暮らしをしています。それでもここに住む人たちは大都会東京に住む私などよりはるかに豊かな暮らしをしていると感じます。
島の人は言います。「なにもないけどなんでもあるさ。」
敬愛する沖縄の写真家平敷兼七さんが亡くなる二日前に遺した言葉があります。
「人生の結論は身近にあり。
身辺の人物たち 身辺のものたち
それらを感じることができるかが問題なのだ。」
島の日々は様々な行事こそあれ淡々と過ぎてゆきます。
取るに足らない事と思ってしまいがちなことも撮る意味があると思っています。
(山下 恒夫)
1961年 東京都生まれ
1984年 日本大学芸術学部写真学科卒業
個展
2024年 日々Ⅴ ギャラリー冬青
2022年 田園都市 ソニーイメージングギャラリー銀座
2022年 七月の応援席 OMシステムプラザ
2020年 多摩川のほとりで キヤノンギャラリー銀座
2019年 日々Ⅳ ソニーイメージングギャラリー銀座
2018年 Fragments of journey 1993-1997 ギャラリー冬青
2017年 15歳の日々 Roonee 247 fine arts
2016年 日々Ⅲ エプサイトギャラリー
2015年 続島想い コニカミノルタプラザ
2012年 島想い コニカミノルタプラザ
2009年 もうひとつの島の時間 ギャラリー冬青
2008年 日々Ⅱ Roonee 247 Photography
2007年 もうひとつの島の時間 コニカミノルタプラザ
2005年 島の時間3 コニカミノルタプラザ
2004年 日々 銀座コダックフォトサロン
2003年 島の時間2 コニカミノルタプラザ
2001年 島の時間 コニカプラザ
2000年 Déjà-vu キヤノンサロン 銀座、梅田、仙台、福岡
2000年 海辺のフォトグラフィー 銀座コダックフォトサロン
1997年 Fragment ミノルタフォトスペース
1980年 高校日記 キヤノンサロン 銀座、広島
著書
島の時間 クレオ 2006年
もうひとつの島の時間 冬青社 2008年
島想い リバーサイドブックス 2012年
南島記 リバーサイドブックス 2024年
コレクション
東京都写真美術館
日本大学芸術学部