人の内面性とそれを内包する「静けさ」というものに興味を持っている。
「静けさ」というものは表象的なイメージであり、
その者を形成する根底的な“何か”かもしれない。
それを知る為に、私は身近な範囲を改めて見てみようと思った。
住んでいる土地、目の前の景色、人との繋がりを。
会津と東京。二つの土地で写真を撮った。
土地の持つ性質は人が生きていく上で強い影響力を持っている。
会津ではそのことを深く知ることとなった。
人の醸し出す空気は魅力そのものであり、土地に生かされるという本質に触れた気がした。
東京では、個の主観的な独立性を感じる。
土地という観念はなく、個としてどう生きるかという意思を感じさせた。
人はそれぞれの人生を歩む。その経過の中で内面と向き合っていくのだと思う。
撮影を通し内包される心象が「静けさ」のイメージを連想させ、
またその本質に触れた感覚を得た。
(道先 潤)
1984年 山口県生まれ
写真事務所、カメラマンアシスタントを経て独立
2018年 第18回写真「1_WALL」 百々新氏 審査員奨励賞
2019年 第20回写真「1_WALL」 姫野希美氏 審査員奨励賞
2021年 Portrait of Japan入賞