かつて中国連雲港市の塩業は、連雲港市の柱産業として、連雲港の人々に雇用機会を提供した。連雲港の人は、工場を中心として学校、病院を建てた。その時の連雲港は広大な製塩工場だったと言える。山積みになった塩が、連雲港の歴史を語り、地元の人々の帰属意識を育て、連雲港の人々にしか味わえないロマンチックな世界をもたらした。
しかしながら、時代の変遷とともに、古くなった工場は徐々に淘汰された。塩水に浸された歴史の記憶も、人々のため息とともに時代の激流に消えた。かつて 330平方キロメ-トルだった塩田は、現在では 100 平方キロメ-トル未満である。新しい時代の背景と秩序の下で、私はこの土地のわずかに塩味のある空気を深く吸い込み、静かでゆっくりと吐き出し、写真を通じて、広大なものの終焉を述べたいと思う。
(曹 岳川)
1998年 中国江蘇省生まれ
2016年 浙江伝媒学院 撮影専攻 卒業
2022年 上海撮影芸術中心 媒体部担当
2023年 東京造形大学 デザイン専攻 入学
展覧会
2018年 宁波杭州湾撮影展 浙江省
2020年 「分寸·芸行」 浙江省