「肖像権」とは、他人から無断で写真や映像を撮られたり、無断で公表され利用されたりしないように主張できる考えであると百科事典に書かれていました。
ここに並べた作品は、肖像権が話題になる以前から撮りためたものです。
肖像権という言葉が、よく聞かれるようになりましたが、スナップ写真で人物を撮るものにとっては頭が痛い問題です。誰でも私生活の姿を無断で撮影されたり、発表されたりするのは気分的に良くないと思う。それではどのようにして、人を撮るか。後ろ姿ばかりでは作品にならない。顔を隠せばいい、どのようにして顔を隠すか。過去の作品の中から、写真を探していた時に、顔の特定できない写真が数枚あることに気づきました。顔の隠れた瞬間をとらえた作品。これは、私は特に今まで意識して撮っていた瞬間ではありませんでした。しかし、それ以降私は、この顔の隠れた瞬間を意識して撮り始めました。常にこの撮り方を頭の片隅において出かけ撮影し、何とか発表できる枚数までに漕ぎつけることが出来ました。
作品をご覧いただければ幸いです。
(髙木 賢治)
1944年 大阪府生まれ。
1982年 全日写連東大阪支部に入会。
1985年 ニッコールクラブに入会。
1987年 全日本写真展にて金賞受賞。
1992年 第40回ニッコールフォトコンテストモノクロームの部にて大賞・長岡賞受賞。
1994年 朝日写真賞朝日大賞受賞。
2000年 ニッコールクラブ東大阪支部を設立。
2007年 第68回国際写真サロン審査員特別賞受賞。