私は廃校に関心があり、2013年には「廃校の行方」という写真展を開催、同名の写真集も出版しました。それが縁で知人から福島の相馬市立玉野小中学校を紹介されました。少子化に加えて震災による原発事故の影響で在校生が少なくなり、2017年に廃校となった学校でした。それが作品「12人の詩」となり、2018年に写真展を開催しました。
その頃、全町避難の浪江に避難指示解除がだされ、新しい学校「なみえ創成小中学校」が出来ることを知ったのです。
浪江は震災から3年目にNPOの案内で歩いたことがあります。その時の残像を思い出しながら、私は消えてゆく学校ではなく、新設された学校で震災のハンデを背負って、たくましく成長していく10人の生徒たちの姿を記録しようと思ったのです。
(吉田 功)
1944年埼玉県飯能市生まれ。1977年「フォトコン」テープサークルで写真を学ぶ。1981年三軌展入選。1984年二科展入選。2008年JPS展入選。2010年二科展特選会友推挙。
一般社団法人日本写真作家協会会員、一般社団法人 二科会写真部会員
個展
2013年「廃校の行方」(ニコンサロンbis 新宿)
2015年「廃校・大滝小最後の一年」(ニコンサロンbis 新宿)
2018年「一人きりの卒業生 相馬市立玉野小は、5・6年生が一人ずつ」(ニコンプラザ新宿 THE GALLERY 2)