「あの時、ああすれば良かった」
人間は後悔する生き物という言葉を聞いたことがあるが、私には未だに引きずる後悔がある。
感情に任せて修復せずに失った縁、二度と会う事が叶わない人へのたられば・・・そして、誰もが経験するだろう、人生の岐路。流れに任せて舗装道路を歩いた。心の底には行きたい悪路があったが、それを選ぶ覚悟がなかった。
そんな後ろ向きな感情が顔を出す時、息継ぎできる場所を探して、この止め処ない想いを継ぎはぎしている。
後悔、そして空しさの渦の中、心の空洞を穴埋めしてくれるモノが私の視界に入り、目の前にある。
それは例えば、慰めになるモノであり、自分自身を投影するモノ、支えになるモノ、寄り添いたいモノ・・・
そういったモノに、私はレンズを向け、シャッターを切り続ける。
人生という旅の真っ最中で、その無心になれる時間と多くのモノに助けを借りることで、今自分は此処に在ると感じる。
(入江 浩平)
1988年 東京都生まれ
2013年 横浜国立大学大学院 修了(修士課程)
自然科学のフィールドワークをきっかけに、写真を始める。
2015年より写真表現中村教室に在籍し、中村誠氏、小宮山桂氏に師事。