日本に暮らす様々な国籍の人は、私の知らない文化や習慣をもっているのだと思います。
作品の軸となるEpin Mulyadiana氏とSupriadi patrio Adi氏、彼らもそんな二人です。彼らが生まれ育ったのはインドネシア、ジャワ島西部の山奥にあるCiptagelar村、そこは世襲により王が代々続き、自然への崇拝、民族衣装など彼ら自身の文化を大切にしてきました。
二人は沖縄の糸満市へ技能実習生として農業を学びにきましたが、沖縄での生活に溶け込んでいくなかで、彼ら自身の文化は薄れていきます。
多文化が混ざり合ういま、日本では互いの文化の違いに関心をもつ事が重要だと言われています。
私は相手の文化を知り、日本との違いを表現する事が大切だと思いました。故郷Ciptagelar村と糸満市、二つの記録から、彼らの変化を可視化しようと試みました。
(山下 裕)
■<トークイベント>2021年8月17日(火)ニコンサロンで収録いたしました、山下裕(写真家)氏と大村祐大(写真家)氏によるトークイベントを公開いたします。ぜひご覧ください。
【トークイベント】山下裕×大村祐大(2021年8月17日収録)
1988年東京都生まれ。
筑波大学大学院卒業。
2019年、インドネシアで採掘される化粧品原料(硫黄)を題材とした作品『Cosmetic』で第21回三木淳賞を受賞。
2016年 個展 『チベット・ハレとケ』(POINT WEATHER)
2018年 個展 『Cosmetic』(銀座ニコンサロン・大阪ニコンサロン)
2019年 清里フォトアートミュージアム 作品収蔵
2019年 第21回三木淳賞 受賞