Nikon Imaging
Japan
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THE GALLERY 企画展
小林 紀晴
深い沈黙

会期

2021年7月20日(火)~2021年8月16日(月) 日曜休館、8月12日~8月15日休館

10:30~18:30(最終日は15:00まで)

2021年9月30日(木)~2021年10月13日(水) 日曜休館

10:30~18:30(最終日は15:00まで)

開催内容

冬枯れした山を見て育った。冬のあいだ、どんよりと曇った空の下に、色のない風景が広がっていた。すべての視界をそれらに包まれ、幼いながら死の匂いを濃厚に感じた。誰かに教えられたわけでもなく直感としてあった。だからだろうか、みずからそのことについて口を開いたことも言葉を交わした記憶もない。
できることなら、目を背けたかった。でも視界を覆っているのだから、そうすることはできない。それでいて不思議なことに、ずっと凝視していると妙に心が穏やかになっていくのだった。何故なのか。どうしても自分では説明がつかなかった。
あるとき哲学者、文学者のヴァルター・ベンヤミンが著した文章に触れたとき、やっと答えにたどり着いた気がした。
「植物がわずかに葉の音をたてているところにさえ、つねにその嘆きが共鳴している。自然は黙するがゆえに悲しむのである。」
多くのことが腑に落ちた。

引用:ヴァルター・ベンヤミン 「言語一般および人間の言語について」
『ベンヤミン・コレクション1 近代の意味』久保哲司訳、ちくま学芸文庫 

(小林 紀晴)

■小林紀晴氏が本展の紹介をいたします。

【写真展紹介】小林紀晴写真展「深い沈黙」

■<トークイベント>2021年7月30日(金)ニコンプラザ東京 THE GALLERYで収録いたしました、小林紀晴(写真家)氏とGOTO AKI(写真家)氏によるトークイベントを公開いたします。 写真に対する両者の考えが交錯する大変興味深いお話でした。ぜひご覧ください。

【トークイベント】小林紀晴×GOTO AKI(2021年7月30日収録)

プロフィール

小林 紀晴(コバヤシ キセイ)

1968年長野県生まれ
東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。新聞社カメラマンを経て1991年独立。アジアを多く旅して作品を制作する。また近年は日本国内の祭祀、自らの故郷である諏訪地域などを撮影している。
紀行、ノンフィクション、小説なども執筆。近著に『まばゆい残像』『孵化する夜の啼き声』『深い沈黙』など。
1997年『DAYS ASIA』で日本写真協会新人賞、2013年『遠くから来た舟』で第22回林忠彦賞を受賞。2021年に初監督映画作品『トオイと正人』で国際ニューヨーク映画祭、南京国際映画祭入賞。
東京工芸大学芸術学部写真学科教授
ニッコールクラブ アドバイザー

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