「朧眼風土記」と書いて「ろうがんふどき」と読みます。
五年前に子供を授かりました。
共に時間を過ごすうちに、子供の想像力、空想力、ものの見かたに、私自身が子供の頃に感じていた「見えていた景色」などを朧げながらも少しずつ思い出し、共有するようになりました。
それらは、懐かしく、楽しく、時には不思議で、怖くもありました。
私の写す写真は、いつも、そんな子供の頃からの、もう忘れかけていた記憶の積み重ねを現出させたものです。
以前、展示をしたときに、国籍を問わず、私の写真を見た多くの方が口にする言葉がありました。
それは、「なつかしい」「なつかしい物語」という言葉でした。
これらの写真は、私の子供の頃の記憶を、写真をかりて現したものですが、写真にふれた皆さまそれぞれの「なつかしさ」「物語」を、朧げにでも感じ思い出していただけましたら幸いです。
よろしくお願いいたします。
(安掛 正仁)
1969年 東京都生まれ
1990年代初めより、海中の撮影をきっかけに写真撮影を本格的に始める。
2003年 初個展
2009年 写真自主ギャラリー「サードディストリクトギャラリー」設立に運営メンバーとして参加。以降個展を中心に活動。
2021年よりフリーで活動。
展示略歴
個展
2003年 うつし世は夢(PLACE M)
2005年 ああ、わたしはどこへ行くのか知らない(PLACE M)
2008年 霰弾(ギャラリー蒼穹舎)
2009年 露情(サードディストリクトギャラリー)
2010-2016年 蛞蝓草紙(なめくじそうし) (サードディストリクトギャラリー、UP40ギャラリー、新宿ニコンサロン・大阪ニコンサロン、ポスターハリスギャラリー)
2015・2017年 IL libro della lumaca (蛞蝓草紙) (Kokonton Gallary/ベネチア・イタリア)
2016-2017 かごめかごめ(サードディストリクトギャラリー、UP40ギャラリー)
2017-現在 朧眼風土記 (ろうがんふどき)
現在まで個展40回以上 他グループ展多数
掲載誌 月刊 日本カメラ 他
写真集
2014年 蛞蝓草紙外伝(なめくじそうしがいでん)(蒼穹舎 刊)
2016年 蛞蝓草紙(なめくじそうし)(蒼穹舎 刊)