2021年5月11日(火)~2021年5月24日(月) 日曜休館
無人島だった小笠原諸島父島に1830年に最初に定住した欧米系先住民の事を知り、また彼らのロマンに惹かれ、私は島に渡った。初めて出会った子孫の一人が「俺達は日本人でもアメリカ人でもない、小笠原人(Bonin Islanders)だ」と言った。
小笠原の歴史は複雑だ。世界各地から父島に移り住んだ人々が、半ば強制的に帰化させられ、第二次大戦では島が要塞島となり全島民が日本本土に強制疎開、戦後23年は欧米系先住民のみ帰島が許され米軍の占領下で生活し、また突然日本に返還。
政治に翻弄され続けた彼らから出た“小笠原人”という言葉。『小笠原人(The Bonin Islanders)』をテーマに、彼らのアイデンティティーに迫った。
(長沢 慎一郎)
1977年 東京都生まれ
2001年 藤井保氏に師事
2006年 独立