2021年4月15日(木) ~ 2021年4月28日(水) 日曜休館
2021年6月8日(火) ~ 2021年6月21日(月) 日曜休館
あの惨禍を、言葉で表すことは難しい。それは、写真も同じである。だから、私は被災地に足を運び、記録を紡ぐしかなかった。
東日本大震災から10年がたつ。いずこも同じ時を刻んできたはずなのに、深刻な放射能禍に見舞われた福島では、生まれ育った大地に立つことさえできない人が数多くいる。華々しく掲げられた「復興五輪」のスローガンも、地元不在の官製のコピーでしかなかった。
されど、ふるさとの大地は、眠ってはいない。
行き着く先はまだ見えないが、日々を記憶し、記録を更新している。
私は、地元の漁港で出会った古老の言葉が忘れられない。
「復興に不安はあるさ。だが、一歩、一歩と進んでいることは確かだ」
私たちには、自らの暮らしに由来する事故の因果に向き合う責任がある。一歩、一歩のあゆみを見届けるのは、私の努めである
(渡辺幹夫)
1958年生まれ、浜松市出身、千葉大学卒業。
1982年朝日新聞社入社。東京、大阪、名古屋、西部(福岡)各本社写真部等で勤務。湾岸戦争(91年)、米大統領選挙(92年)、アトランタ五輪(96年)など取材。
東日本大震災発生時を含む2010年から2013年3月まで、東京本社報道局写真部長就任。映像ディレクターや、デジタル担当補佐を経て、ジャーナリスト学校ディレクターに従事。2018年1月退職。
2018年4月から、東京写真記者協会事務局長に就任。
大震災発生の3月11日に合わせ、直近一年の様相をテーマに2017年からギャラリー・アートグラフにて毎年開催していた。
日本大学芸術学部写真学科 非常勤講師。(公社)日本写真家協会(JPS)会員。(公社)日本写真協会(PSJ)会員。(公社)日本記者クラブ会員。