張 笑秋 写真展
-
-
Time after Time -平静の市場
-
4/25 (火)
~5/1 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休
写真展内容
今日の日本でも古い市場が存在している。市場で客と店主は物の売り買い以上の交流が生まれ、お互いの関係を深めていく。しかし時代の変化に伴い、施設の老朽化、衛生面の問題などにより、昔からある市場は、スーパーマーケットやコンビニエンスストアへ変わり、生活の様子はすっかり変わってしまった。そして市場は衰退の一途を辿っている。
ひっそりとしている市場に入ると、かつては賑やかだったであろう昔の面影はない。現在の市場の厳しい状況の中でも、細々と営業を続けている店主らにとっては、今日も市場の時間は流れている。しかし、かつての面影は店舗の看板や店主の顔から感じ取ることが出来る。これらを目にした時、かつて繁栄していた市場にタイムトラベルしたかのようにその様子を想像することが出来た。今後も社会の発展に伴い市場の数が減少し、昔の雰囲気を感じるところはどんどんなくなっていくだろう。
私は外国人の視点から、日本の市場のもつ独特な美しさを表現した。これらは現在の日本の市場の佇まいに感動した私の視点である。 (張 笑秋)
カラー 35 点。
作者のプロフィール
張 笑秋(チョウ ショウシュウ)
1984年上海市生まれ。2008年上海工程技術大学 芸術設計学部写真学科卒業。同年同学同学部助教、16年九州産業大学芸術研究科造形表現専攻 写真領域修士修了、同年から同学同科造形表現専攻博士後期課程在学中。
写真展(グループ展)に、15年「フィラメント」(福岡県立美術館)、同年「交差する世界」(コニカミノルタプラザ/新宿)、16年「point」(福岡アジア美術館)、同年「島」(福岡アジア美術館)、同年「いち」(福岡市美術館)、同年第3回天神アートビエンナーレ「第二2回福岡・新世代アートフロンティア」展 」(福岡アジア美術館)がある。
受賞歴に、08年第9回上野彦馬賞「上野彦馬賞」、同年世界報道コンテスト(中国)入賞、09年中国第二回大学生芸術コンテスト二等賞、11年第一回上海青年写真芸術コンテスト最高賞、15年第16回上野彦馬賞最高賞「上野彦馬賞」がある。
寺崎 知水 写真展
-
-
気配
-
5/2 (火)
~5/8 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休
写真展内容
体調を崩して、2004年に実家に戻って約10年間、
病院にいく事はなかったが、ずっと鬱状態だった。
半年~1年位の任期付きの仕事を必死で探しては、
雇用が終了すると病床に伏してしまうような生活を何年も繰り返した。
部屋に籠りきり、カーテンを閉め切って、音や現象を排除した。
全ての痛いつらい記憶に蓋をするように
思考も感覚も鈍くなっていった。
時間が止まってしまったような状態が、何年も永く続いた。
生きているのか死んでいるのかが曖昧になっていくなかで、
私は、生の実感や実態を得たいと、もがいていた。
(ここに、ブログを通じて知り合った“友人”に感謝致します。
大変なご心配をおかけしてしまった事を謝罪し、写真を撮らせてくれ、
支えてくれた人達に感謝致します。 寺崎知水 )
カラー約35点
作者のプロフィール
寺崎 知水(テラサキ トモミ)
1975年 神奈川県生まれ
1999年 武蔵野美術大学卒業
1999年 沖縄県宮古島移住。宮古島東急リゾート勤務の傍ら、写真を撮り始める。
2002年 東京に戻る。
2007年 東京工芸大学芸術別科卒業
【受賞歴・写真展】
2001年 酒田市土門拳文化賞受賞 「生きる」(新宿ニコンサロン)
2001年 『MADO美術の窓(8月号)』、『月刊Hands(6月号)』に作品掲載。
2003年 「2002年度ヤングポートフォリオ展」(清里フォトアートミュージアム)
2006年 「東京写真月間2006」出品。
2007年 東京工芸大学芸術別科卒業展(ニコンサロンbis新宿)にて「女生(じょせい)」出品。芸術別科優秀賞受賞。
2015年 「酒田市土門拳文化賞20周年記念展」(ギャラリーシリウス)
土門拳記念館と清里フォトアートミュージアムに作品が収蔵されている。
PHOTO CULTURE WEEK CROSSING 企画展
宮崎 学 写真展
-
-
ヒトの傍らで―シナントロープから見た世界
-
5/9 (火)
~5/15 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休
写真展内容
シナントロープとはギリシア語の「syn(共に)」と「anthropos(人間)」を語源とする言葉で、人間社会の近くに生息し、人間や人工物の恩恵を受けて共生する野生の動植物を指す。簡単に言えば、スズメやカラス、タヌキ、ネズミなど人間の生活環境に依存している動物のことだ。例えば、森林だった場所を人間が田んぼや畑にして農地化すれば、その環境を歓迎して繁栄する生物や植物も増える。つまり、一般的には環境破壊と言われるような「自然撹乱」を必要としている生物たちが存在しているのだ。そんな視点で日本の自然環境を見つめれば、人間が自然の中で生きていくための多くの発見と示唆とヒントが見えてくる。「黙して語らない自然界」にどのような言葉を与えるかが問われているのだろう。
作者のプロフィール
宮崎 学(ミヤザキ マナブ)
1949年、長野県生まれ。1982年に『鷲と鷹』で日本写真協会賞新人賞、1990年に『フクロウ』で第9回土門拳賞、1995年に『死』で日本写真協会賞年度賞、同書と『アニマル黙示録』で講談社出版文化賞を受賞。2013年、IZU PHOTO MUSEUM(静岡)で個展「自然の鉛筆」を開催。2016年、カルティエ現代美術館財団(パリ)でグループ展に参加。写真集・著書は70冊余。本展キュレーターの小原真史との共著『森の探偵』(亜紀書房)を出版予定。長野県駒ヶ根市在住。
川嶋 久人 写真展
-
-
ヤクシマ ヤクシ
-中国新疆ウイグル自治区の今-
-
5/16 (火)
~5/22 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休
写真展内容
「ヤクシマ(こんにちは)!」
このひとことだけで、カメラを首に下げた私を不審に思っていた人も破顔してこう答える。「ヤクシ」(「ヤクシマ」の返答。他に「good」という意味もある)。この言葉が私をウイグルの世界へと誘い、ウイグルの写真を撮るきっかけとなった。
はじめてこの中国新疆ウイグル自治区を訪れたのは2009年夏。首府ウルムチで「ウイグル騒乱」といわれる、ウイグル族と武装警察、漢族が衝突し、多くの犠牲者がでた事件の直後だった。
以来十数回ウイグルを訪れているが、そのたびに感じるのは、イスラームを信仰するウイグルに対する政府の規制が厳しくなってきていること。またそれにともない、実際の撮影も難しくなってきていることだ。
しかし同時に、ウイグルを取り巻く環境がいくら厳しくなろうとも、はじめて訪れたときに魅了された彼らの日々の暮らしにおける文化、伝統はそう簡単に失われるものではないと気づかされたのも事実だ。私はそんな文化、伝統が生きる日々の暮らしにレンズを向けてきた。
最近「マスコミ」の報道でウイグルの問題をよく目にするが、そこからは見えてこない彼らの暮らしのありよう、生き方を少しでも知っていただけたらと思う。 (川嶋久人)
作者のプロフィール
川嶋 久人(カワシマ ヒサト)
1986年 千葉県生まれ
2012年 早稲田大学人間科学部卒業
2016年 日本写真芸術専門学校II部卒業
東京写真月間2017
日本写真協会
-
-
アジアの写真家たち2017 カンボジア
-
5/23 (火)
~6/5 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休
写真展内容
カンボジアの国土面積は日本の約2分の1で、経済成長率は7%台で推移している。農業が主力であるが工業では繊維、織物が基幹産業で日本への輸出額も他の国と比べ多い。
カンボジアは9~13世紀に、同国を統治したクメール王朝が最盛期を迎え、アンコールワットの寺院群が多く建造された。日本からは毎年多くの観光客がカンボジアを訪問するが、そのお目当ては世界遺産のアンコールワットで、日本人にとって、大変馴染み深い国の一つである。その後ヨーロッパの諸国からの侵略によって植民地時代が長かったが、クーデターを経てヨーロッパ諸国の支配から独立し、ポル・ポト政権が実権を握った1975年以降、崩壊するまでの数年間は政権が目指した政策遂行のために知識人、医者、文化人、芸術家など100万人~200万人ともいわれる人々が逮捕、虐殺された悲しい時代があった。このため、カンボジアの教育、文化、芸術、医療等あらゆる分野で、優秀な人材を失うことになった。1992年、民主化が実現したカンボジアは、新たな国造りのため、国の総力を挙げて取り組、その成果が実りだしている。
写真文化の世界に於いても将来性のある若手写真家が多く活躍するようになり、今後の飛躍が期待される。今回は6人の写真家による写真展を3か所のギャラリーで開催する予定である。写真展ではシェムリアップを中心にした観光地アンコールワットの華麗な表現とは異なるカンボジアの人々の暮らしぶりや若い感性で捉えられたコンセプチュアルな作品群は新たな感動を呼ぶものと期待する。一方で、華やかな世界とは異なる同国の人々の質素な暮らしの一面に接することにより、日本とカンボジア両国の相互理解が進むことを期待したい。 (日本写真協会)
新宿ニコンサロン出展作家:
PHILONG SOVAN (1986年生)
PHA LINA (1986年生)