写真展内容
写真展名のε、ε0は誘電率と呼ばれる物理定数であり、電気部品のコンデンサーに関わる定数のことである。ε0はとくに真空(≒空気)の誘電率を示し、「対象と自分が空気(誘電体)を挟んでコンデンサーを形成し電荷の代わりに、記憶、気配や兆しを誘起している」ということに由来する。
“対象に誘起されて記憶が顕れる” あるいは“対象に誘起されて気配や兆しを感じる”
その時の光景を作者は写真に捉えている。
そして、その写真は鑑賞者にとって場所も時間も知らない無関係なものだが、個人的な記憶、気配や兆しを誘起できることに作者は魅力を感じている。モノクロ40点。
作者のプロフィール
長谷川 冬樹(ハセガワ フユキ)
1964年愛知県生まれ。87年から2009年まで半導体開発/設計に従事。08年渡部さとる氏のワークショップ2B受講。10年から15年まで白岡順氏の講評講座受講。
写真展(個展)に10年「柘榴の街」(ギャラリー26moon/東京)、グループ展に09年「柘榴の街」(グループ展「2B25」)(ギャラリー・ルデコ/東京)、11年「石の街」(グループ展「2B25−2nd」)(ギャラリー ・ルデコ/東京)がある。15年の写真展「ε0」(What's up Photo Doc Y.P.Fブース LA BELLEVILLOISE/パリ)で、ベストギャラリー賞を受賞。
11年に「REBORN」がフランス国立図書館(パリ)のコレクションとなる。