小須田 翔写真展
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TOKYO Riverbed
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1/26 (火)
~2/1 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休
写真展内容
本展では、東京の都市部を取り巻くように存在する、荒川および多摩川の河川敷を撮影した写真を展示する。
土手道を歩きながら、ふと開けた河川敷の隅に目をやると、草木が隆々と茂っている場所がある事に作者は気づいた。それは河畔(かはん)林(りん)と呼ばれる場所で、河川に沿うように繁茂した森林を指す。都市部では防災上の観点から定期的に伐採されることが基本であるが、自然保護の目的で残されていたり、水生生物や野鳥の生態系を保つために人工的に作られることもある。
闇に浸っている河畔林に作者は足を踏み入れる。
シルエットだけが残された木々の間から、色づいた不自然な夜空が見える。手の届く距離にある物体を認識できないのに、遠くの明かりがやけに光って見えることを不思議に感じる。どこか遠い場所に来てしまったようで、作者の恐怖心をより一層引き出すのであった。
子供の頃に見た木々の細部や、風に揺れる葉先も、暗やみの一部としてほとんどが隠されている。作者には捉えることができない秘密めいた日常が、違った形で送られているようだった。
私たちが眠るすぐそばで、私たちの意思とは関係なしに、植物たちは好き勝手に繁茂と枯渇を繰り返しているのであった。カラー約30点。
作者のプロフィール
小須田 翔(コスダ ショウ)
1985年東京都生まれ。2010年日本写真芸術専門学校フォトアートコース卒業。
受賞歴に、14年「キヤノン写真新世紀」佳作、15年「写真1_WALL」審査員奨励賞がある。
ホームページ http://toiii.org
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第15回 フォトシティさがみはら2015
プロの部入賞作品展
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2/2 (火)
~2/15 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
休館:2/11(木)・12(金)
写真展内容・受賞作品について
<相模原市総合写真祭「フォトシティさがみはら」について>
写真は、芸術写真から家族写真まで広い地盤を持ち、その卓越した記録性と豊かな表現機能により、多くの人に感動を与えるものであるとともに、私たちの生活にとても身近な存在である。
相模原市では、豊かな精神文化が求められる新しい世紀の幕開けにあたり、写真文化にスポットをあて、これを「新たなさがみはら文化」として全国、世界に発信することを目指して、総合写真祭「フォトシティさがみはら」を2001年にスタートさせた。
この写真祭は、新たな時代を担うプロ写真家の顕彰と、写真に親しむアマチュアに作品の発表の場を設けるとともに、市民が優れた芸術文化に触れたり、それぞれの場に参加できたりする市民参加型の事業で、写真をキーワードとして、時代と社会を考え語り合うことで、新世紀における精神文化の育成に貢献することを基本理念にしている。
また、06年日本写真協会より「日本写真協会賞・文化振興賞」、11年日本写真家協会より「日本写真家協会賞」に、写真文化の振興、発展に貢献したとして、相模原市総合写真祭フォトシティさがみはら実行委員会が選定された。
<受賞作品について>
本写真展では、2015年10月に開催された第15回写真祭プロの部において、広義の記録性の分野で活躍している中堅写真家の中から選出された「さがみはら写真賞」1名、新人写真家の中から選出された「さがみはら写真新人奨励賞」2名、また、アジア地域で活躍している写真家を対象にした「さがみはら写真アジア賞」1名の受賞作品を展示する。
「さがみはら写真賞」には、鈴木理策氏の「意識の流れ」が選出された。「見るという行為に身を委ねると、とりとめのない記憶やさまざまな感覚が浮かんできて、やがて一つのうねりのような感情をもたらすことがある」という作者の言葉通り、写真や言語を超え、人間の意識を形作るプロセスやその背後のダイナミックな力の存在を明らかにしようとする意欲的な試みである。
「さがみはら写真アジア賞」には、台湾の張 照堂氏の「歳月」が選出された。同氏は、独自の精神の抽象化を試みる実験的写真で注目される、台湾写真界のトップランナーである。受賞作品では、情動の動きを現実と交錯させ、新しい視覚言語の創造を展開している。
「さがみはら写真新人奨励賞」には、下道基行氏の「torii」と、村越としや氏の「火の粉は風に舞い上がる」が選出された。
前者は、かつて日本の植民地だったアジアや太平洋に残る鳥居やその痕跡を撮影した連作である。本来の機能を失い、日常に埋もれる鳥居を淡々と撮影し、その旅のプロセスで体験した複雑な思いを、過去と未来を繋ぐ風景に透かしだそうとしている。後者は、福島出身の作者が郷里を襲った惨劇に衝撃を受けながら、故郷の撮影を粛々と継続し、静謐な風景に潜む闇の火の粉を見つめた作品である。
さがみはら写真賞
鈴木 理策(スズキ リサク)
1963年和歌山県新宮市生まれ。87年東京綜合写真専門学校研究科修了。90年初の個展「TRUE FICTION」(吉祥寺パルコギャラリー/東京)を開催。2000年第25回木村伊兵衛写真賞受賞。06年第22回東川賞国内作家賞、平成18年度和歌山県文化奨励賞受賞。08年日本写真協会年度賞受賞。06年から東京藝術大学美術学部先端芸術表現科准教授を務める。主な写真集に、98年『KUMANO』(光琳社出版)、99年『PILES OF TIME』(光琳社出版)、00年『Saskia』(リトルモア)、02年『Fire: February 6』(Nazraeli Press)、04年『Mont Sainte Victoire』(Nazraeli Press)、07年『熊野 雪 桜』(淡交社)、08年『Yuki Sakura』(Nazraeli Press)、12年『雪華図』(SUPER DELUXE)、同年『White』(edition nord)、13年『Atelier of Cézanne』(Nazraeli Press)、15年『海と山のあいだ』(アマナサルト)がある。
さがみはら写真アジア賞
張 照堂(チャン・チャオタン)
1943年台湾板橋生まれ。台湾で写真家として初めて国家文芸賞(2013年)を受賞。台北市立美術館での回顧展が年間最優秀展覧会(13年度)に選出された台湾を代表する写真家である。1960年代から精力的に写真を発表し、その独自の精神の抽象化や断片化で注目を集めた。また対象と構図の緊張関係や自らの身体感情を核とする独創性に富む視覚言語を編み出し、戦後台湾写真第二世代のトップランナーとしての位置を確立し、現在も台湾写真界の第一線で活躍し続けている。自己の情動や神経を現実にさらしながら画像を調律してゆくようなその写真表現は、1980年代、1990年代、2000年代と深みを増し、近年では写真の内部で哲学的な思索をめぐらすかのような特異な視線を生成させている。台湾写真史の研究にも尽力し、台湾の写真家35人の作品をまとめた『影像の追尋/台湾写真家写実風貌』(上下巻)を刊行。サンフランシスコで「看見と告別/台湾写真9人像」を企画。
さがみはら写真新人奨励賞
下道 基行(シタミチ モトユキ)
1978年岡山県生まれ。2001年武蔵野美術大学造形学部油絵科卒。03年東京綜合写真専門学校研究科中退。07年武蔵野美術大学パリ賞受賞。12年光州ビエンナーレ2012NOON芸術賞(新人賞)受賞。13年第6回岡山県新進美術家育成「I氏賞」大賞受賞。14年鉄犬へテロトピア文学賞受賞。主な写真展に、05年「下道基行展-戦いのかたち-」(INAXギャラリー2/東京)、07年「Pictures」(新宿眼科画廊/東京)、08年「Fantomes」(エスパスジャポン/パリ)、09年「Air/空」(梅香堂/大阪)、10年「日曜画家/Sunday Painter」(水戸芸術館クリテリオム79/茨城)、11年「bridge」(Gallery αM/東京)、13年「torii」(梅香堂/大阪)、14年「下道基行-紙の仕事」(Space Seed、岡山)、15年「bridge」(circle gallery & books、東京)がある。
さがみはら写真新人奨励賞
村越 としや(ムラコシ トシヤ)
1980年福島県生まれ。2003年日本写真芸術専門学校卒業。09年東京・清澄白河に自主ギャラリー「TAP」を設立。11年日本写真協会賞新人賞受賞。主な写真展に、「火の粉は風に舞い上がる」(武蔵野市立吉祥寺美術館)、「木立を抜けて」(タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム)、「大きな石とオオカミ」(B GALLERY)、「FUKUSHIMA」(空蓮房)がある。主な写真集に、「火の粉は風に舞い上がる」(リブロアルテ/spooky CoCoon factory)、「大きな石とオオカミ」(plump WorM factory)、「浮雲」(TAP)、「あめふり」(蒼穹舎)がある。
ニーモ 写真展
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sTILL LIVEs
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2/16 (火)
~2/22 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休
写真展内容
まなざしを向けること、もしくはそのまなざしを疑うことを意識して撮影したスナップ写真作品。
そのとき、そこにあったものへの機械的とも呼ぶべき愛情で向き合ったものです。
それ以外のものはカメラに預けました。 (ニーモ)
カラー約33点。
作者のプロフィール
ニーモ
1982年広島県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。同校芸術学校空間映像科卒業。
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2015日本カメラフォトコンテスト展
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2/23 (火)
~2/29 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休
写真展内容
本コンテストは、1950年創刊の『日本カメラ』における誌上月例写真コンテストがはじまりで、著名な写真家が1年間を通じて審査を担当し、毎月誌上で発表、さらに毎月の入賞得点を年間集計して、年度賞(「ビギナーズ」は年間優秀作品賞)を競うところに特徴がある。
部門は、「モノクロプリント」「カラースライド」「カラープリント」「ビギナーズ」の4部門で、2015年度の審査員は、モノクロプリントの部を北井一夫、カラースライドの部を吉村和敏、カラープリントの部を長倉洋海、ビギナーズの部をミゾタユキの4氏が務め、総応募点数は6万5千点にのぼった。
団体のプロフィール
【日本カメラ社】
1948年東京・銀座に光芸社として創立。同年に隔月刊誌『アマチュア写真叢書』を創刊。50年『日本カメラ』に改題、51年に月刊誌となる。71年に旧・西久保巴町から日本橋人形町へ移転。2010年に創刊60周年を迎え、“写真とカメラのいまを発見する雑誌”として現在に至る。
現在、月刊誌のほか、日本カメラMOOK各種、『写真の教室』、『カメラ年鑑』、写真集、単行本などを出版。