Nikon Imaging
Japan
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大阪ニコンサロン 2015年11月

写真
「ニコン フォトコンテスト 2014-2015」受賞作品展
10/29 (木) ~11/4 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

「ニコン フォトコンテスト(NPC)」は、「世界中の写真愛好家が、プロフェッショナルとアマチュアの枠を越えて交流できる場を提供し、写真文化の発展に貢献すること」を目的に、株式会社ニコン(社長:牛田一雄)が1969年から開催している、歴史ある世界最大規模の国際写真コンテストである。本展ではその受賞作品を展示する。
35回目の開催となる今回は、スマートデバイスを含むあらゆるデジタル撮影機器で撮影した作品の応募を可能とし、また、動画部門を拡充し、6秒から180秒までの長さの映像作品を対象にしている。さらに、19歳以下の若い世代が対象の賞「Generation N賞」を新設した。今回は、世界164におよぶ国と地域から、合計2万1,100人、8万8,737点の作品の応募があり、応募者の国と地域の数では過去最高を記録した。
その中から、写真映像を通して伝えたいストーリーの強さ、普遍性、新しさ、多様性の点で優れた作品が受賞作品として選出された。
このコンテストが目指しているのは、優れたクリエイティビティで、人々に影響を与え、「伝える力」の強い表現を生み出すフォトグラファーたちのコミュニティをサポートすることである。映像を愛し、その表現と真剣に向き合う世界の仲間が、お互いの視点に刺激を受け、認め合い、切磋琢磨する場を提供することで、映像文化をより身近なものにしていきたいと考えている。映像という世界言語を通して大切な物語を伝え、人々の考え方に影響を与えるフォトグラファーを支え合う、向上心あふれるコミュニティが育まれることを願っている。

審査員は、Mr.Stephen mayes(写真部門委員長)、Mr.John C Jay(動画部門委員長)、Ms.Marine Cabos、Mr.Stefen Chow、Ms.Alice Hawkins、小林紀晴氏、Mr.Thyago Nogueira、Mr.Swapan Parekh、Mr.Chris Rainier、Ms.Yue Ren、Ms.Sophie Stafford、Mr.Sandro、Mr.Wang Leiが務めた。

鈴木 吼五郎写真展

写真
グローバリゼーション、その具体的現場の記録及び社会構造の或る断面の可視化
11/5 (木) ~11/11 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

本作品は2012年11月の写真展「鉱山、プランテーション、縫製工場」以降に作者が撮り貯めた写真を中心として纏めた作品群であり、グローバル化の進展に伴い世界規模で繋がるモノの生産、加工から流通、消費に至るサプライチェーンの具体的な現場を記録したものである。
このプロジェクトは各現場の精緻な記録、並びにそれらの集積による社会構造の一端の可視化を目的としたものであり、そこに何らかの物語を見出したり、ひとつの筋書きを得る事を意図して撮影したものではない。また、個人的な見解を述べる為に撮影したものでもないと、作者は言う。
カメラは私達の視覚、記憶を超えて等しく対象を記録し得るツールであると作者は考える。作者は、自身の被写体に対するイメージを記録したいからではなく、カメラが私の視覚や記憶を超えた光景まで記録してくれるからこそ、写真を撮るのだと言う。
写真という不器用で言葉足らずで生真面白なメディウムを抱えてそこに立ち、撮る。出来るだけ高性能なスキャナーとして、画像の隙間から陳腐なストーリーが溢れ出さないように被写体をピクセルで埋め尽くしたいと作者は願っている。カラー約30点。

作者のプロフィール

鈴木 吼五郎(スズキ コウゴロウ)
1972年宮城県生まれ。カメラマンアシスタントを経て2000年からフリーで活動。13年第38回伊奈信男賞を受賞。
主な写真展(個展)に、12年「鉱山、プランテーション、縫製工場」(銀座ニコンサロン)、13年「第38回伊奈信男賞受賞作品展」(新宿ニコンサロン)、14年「第38回伊奈信男賞受賞作品展」(大阪ニコンサロン)がある。

juna21 飯沼 珠実写真展

写真
FROM LE CORBUSIER TO MAEKAWA
11/12 (木) ~11/18 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

2013年に東京藝術大学に入学して以来、上野の森が作者の通学路になった。そこには、ル・コルビュジェの日本で唯一の建築、国立西洋美術館がある。それに向かい合う位置に前川國男の東京文化会館がある。前川國男は、ル・コルビュジェの弟子で、国立西洋美術館の建設をサポートし、またその別館を手がけた。その先を進むと、木々の隙間から、ダークトーンの赤紫色をした煉瓦の積み重なりが見えてくる。作者が上野の森で一番好きな前川建築、東京都美術館だ。
東京都美術館は、森と対話をしているようにみえると作者はいう。森が見せる多様な表情、毎日の天気や日差し、流れる季節と、繰り返す木々の繁茂と落葉、そういった自然の営みに、この建築は呼応しているように感じる。東京都美術館の呼吸、上野の森との関係性や距離感の調律は凛々しく、同時に日本人らしい奥ゆかしさがきらめいている。
前川建築を撮影していて、ふと「わたしもこんなふうに歳を重ねていきたい」と憧憬を抱いている自分に作者は気づいた。建築を撮っていたはずだが、それはどうやら人間を撮ることと、ほとんど同じことのようなのだ。カラー24点。

作者のプロフィール

飯沼 珠実(イイヌマ タマミ)
1983年東京都生まれ。2006年武蔵野美術大学卒業、08年多摩美術大学大学院博士前期課程修了。08年から13年までドイツ・ライプツィヒに滞在(10年度公益財団法人ポーラ美術振興財団在外研修員)。13年より東京藝術大学大学院博士後期課程およびシテ・インターナショナル・デザール・パリにて、研究制作活動に取り組んでいる。

juna21 岸本 絢写真展

写真
彼の地
11/19 (木) ~11/25 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

敷居を跨ぐと広がる景色は、作者に田舎の古民家を訪れた様な錯覚を抱かせた。海を渡った彼の地には、祖国の断片が残されていた。

終戦直後まで日本の統治下にあった台湾と韓国には、その当時日本人によって築かれた家屋が未だ現存している。戦後彼らは帰国を余儀なくされ、多くの家屋は取り壊される。一方残されたそれらは、現地の人々の住まいとして利用された。時を経て家屋は形を変えていく。それでもなお家々からは、祖国を離れた先人たちの生活の匂いを感じ取ることができる。

日本の外に今もなお生き続ける日本。そこに満ちる空気は、いびつに積もった時間を感じさせる。住居という空間を通して、植民地の歴史の痕跡を垣間見る。モノクロ約30点。

作者のプロフィール

岸本 絢(キシモト アヤ)
1989年大阪府生まれ。2012年上智大学外国語学部ポルトガル語学科卒業。15年日本写真芸術専門学校フォトフィールドワークゼミ卒業。

英 伸三写真展

写真
文革の残影 -中国 江南の古鎮を訪ね歩く-
11/26 (木) ~12/2 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

1965年の夏、中国側の呼びかけで行なわれた日中青年大交流に日本ジャーナリスト会議代表団の一員として作者ははじめて中国を訪れた。日中の国交が正常化される7年前のことで、北京、上海などの都市や農村を約一カ月間まわり、工場、人民公社などの生産現場で社会主義国家の建設に励む人々の姿を撮影した。
その翌年の5月、毛沢東共産党主席によってプロレタリア文化大革命(文革)が発動された。劉少奇国家主席ほかの党要人、学術権威者たちをブルジョア反動思想路線を歩むものとして徹底批判して、逮捕、拘禁し、過激な大衆闘争・階級闘争が中国全土で展開された。その後68年には文革の尖兵、紅衛兵や都市の知識青年など2,000万人の若者が動員され、大規模な農村への下放が強行された。しかし毛沢東の威信を背景にのしあがった、いわゆる四人組が76年9月の毛沢東の死後逮捕されるにおよび、66年から10年間、7億の人々を混乱におとしいれた文革は終焉を告げた。やがて中国は鄧小平の主導によって経済の現代化を第一とする時代へと大転換を遂げた。
作者は92年から上海や浙江省の江南一帯の明、清時代の面影を残す古鎮を訪ねて、変貌を遂げる街のたたずまいや人々の暮らしの撮影を続けている。その中で、民家のしっくいや煉瓦の壁、工場の建物などに赤ペンキで肉太に書かれた政治スローガンや毛沢東語録の一節が残っているのに気付いた。文革発動以来40数年、雨に打たれ、風にさらされ、文字は赤い汚れとしか見えないものも多いが、「毛沢東思想万歳」とはっきり読めるものもある。毛沢東の肖像の壁画が残されている農家もあった。
今、文革は完全否定され、当時の革命思想も過去の歴史のなかに埋没したかのようにみえる。しかし、全土で激しく展開された政治運動は残影として刻まれ、混乱と苦悩の日々のあったことを静かに物語っている。
今回の展示では、文革の残影をとらえた作品に、古鎮での日常の暮らしの場面を撮った作品を加えて構成した。カラー約58点。

作者のプロフィール

英 伸三(ハナブサ シンゾウ)
1936年千葉県千葉市生まれ。東京綜合写真専門学校卒。日本写真家協会会員。現代写真研究所所長。農村問題などを通じて日本社会の姿を追い続ける。92年から中国の上海と江南一帯の明、清時代の面影を残す運河沿いの鎮を訪ね、「改革・開放」の近代化政策によって姿を変えていく街のたたずまいと人々の暮らしぶりを記録している。
写真集に、71年『農村からの証言』(朝日新聞社)、78年『1700人の交響詩』(高文研)、79年『子どもたちの四季』(三省堂)、 83年『偏(や)東風(ませ)に吹かれた村』(家の光協会)、84年『新富嶽百景』(岩波書店)、89年『英伸三が撮ったふるさときゃらばん』(晩聲社)、89年『日本の農村に何が起こったか』(大月書店)、90年『一所懸命の時代』(大月書店)、95年『町工場・鋼彩百景』(日本能率協会マネジメントセンター)、 2001年『上海(しゃんはい)放生(ほうじょう)橋(ばし)故事(ものがたり)』(アートダイジェスト)、06年『上海(シャンハイの)天空下(そらのした)』(日本カメラ社)、07年『里と農の記憶』(農林統計協会)、12年『桜狩り 昭和篇』(日本写真企画)などがある。
受賞歴に、65年個展『盲人―その閉ざされた社会』と「アサヒカメラ」の《農村電子工業》で日本写真批評家協会新人賞、71年写真集『農村からの証言』で日本ジャーナリスト会議奨励賞、82年写真展『桑原史成 英 伸三ドキュメント二人展』で第7回伊奈信男賞、83年写真絵本『みず』でボローニャ国際図書展グラフィック賞などがある。

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