東京写真月間 2015 巡回展
日本写真協会
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アジアの写真家たち 2015 ネパール
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10/1 (木)
~10/7 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
本展は、ヒマラヤ登山の表玄関で、世界の登山愛好家の間で人気があるネパール連邦民主共和国の19名の写真家による写真展のひとつであり、Narendra Shrestha(1974年生)、Nayan Tara Gurung Kakshapati(1982年生)、Prasit Sthapit(1988年生)、Kishor Sharma(1983年生)の4名の作品を展示する。
ネパールは東、西、南の三方をインドに、北部は中国チベット自治区に接する山岳国家で、国土面積は約15万平方キロメートルで北海道の約1.8倍、人口は約2900万人である。歴史的には長い間続いてきた王政に代わって、2008年に大統領を頂点とするネパール連邦民主共和国を建国した。
国民の構成はインドアーリア系住民とチベットミャンマー系住民が共生する多民族、多言語国家である。宗教はヒンズー教が80%と圧倒的に多く、他に仏教徒、アニミズムが混在している。経済基盤は国民総生産のうち、農業が主産業で66%と多く、繊維関連産業を手始めに工業化を進め、経済成長率も5.5%と比較的高い水準を続けているが、1人あたりの国民総生産は700ドルと低い発展途上国である。
また、古くからヒマラヤ登山の玄関口として世界中から登山愛好家が集まり、ヒマラヤ山麓の自然と見事に調和した世界遺産も多く、仏教寺院が建つカトマンズ盆地や釈迦の生誕地のルンビニなど、観光客の人気を集めている。
日本とネパールの関係は、皇室とネパール王室間の親密な交流、国会議員の交流や経済、技術交流が積極的に行われてきた結果、両国の関係は非常に良好である。特に経済面では、同国に対する援助額では英国、米国に次いで世界3位である。
今年で創設以来20周年を迎える本展では、同国の写真家が捉えた、ネパールの自然の景観、ネパール独得の神事や祭りに代表される文化風俗、厳しい生活環境を耐えて暮らす人々の様子等、我々日本人があまり目にしなかったネパールの姿を体感できる作品を展示する。
カラー・モノクロ47点。
第21回酒田市土門拳文化賞受賞作品展
坂巻 ちず子写真展
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ファールボール
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10/8 (木)
~10/14 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
高校球児と作者との付き合いが10年を超えた。10年を境に、作者の撮影の対象が変わり、野球を主題にしながら、球児たちが追いかける心と物に焦点が移ってきた。彼らの野心や願望が、球場や練習場、それから場外に、様々な形をして転がっていることに気づいたからだ。
昔も今も、作者が通い詰めている高校の球児たちは、卒業後、ほとんどが野球から離れ、別の道を歩んでいる。社会というバッターボックスに立った彼らは、クリーンヒットを目指して一歩を踏み出すのだが、ジャストミートする人もいればファールボールばかりを打っている人もいる。チームのために振りぬいたバットが空を切ることもある。
作者の視界から去った球児ばかりではなく、目の前で声を張り上げる十代の選手にしても、試合や学校生活の中で、何度も何度もファールボールを打つことになる。ファールを打ちながら軌道修正しようとする彼らの姿に感銘を受けないではいられない。ファールボールは何度打ってもアウトの通告を受けるわけではない。彼らは厳しい練習を通して、あきらめず繰り返し挑戦することの大切さを身につけていく。
野球の世界や世間から飛んでくる速球や変化球はとても手強いものだ。その球を打ち返すための野心や成らなかった願いが、愛おしい光景として作者の写真活動を支えている。カラー30点。
選考委員講評
組写真は30枚の写真で一点の物語を創らなければならない。確固たる主題の選定で勝負が決まる。野球好きの坂巻さんは10年間高校球児を撮影しているうちに球児たちの人間性まで洞察し、「心と物」を追求して写し続けている。
「ファールボール」は何度打ってもアウトにならない。人生はファールボールの連続なのだ。
しっかりした観点に立って写した一枚一枚の写真と構図にはブレがなく、全くスキがない。新しい視点で生まれた写真群から、若い人の作品を想像していたのであるが、76歳であると聞き選考委員一同脱帽である。坂巻さんは第10回奨励賞を受賞し、5回目の応募で、ついに文化賞を射止めた。 (藤森 武)
作者のプロフィール
坂巻 ちず子(サカマキ チズコ)
1989年頃よりアマチュア写真家の父のもとで写真を始める。2002年から14年までの7年余、熊切圭介(日本写真家協会副会長)ゼミで主に組写真を学ぶ。05年水谷章人(日本スポーツプレス協会会長)主催、JCIIスポーツ写真家プロ育成セミナー「水谷塾4期」卒業。06年8月、写真雑誌「フォトコン」の「一生懸命フォトグラファー列伝」に取り上げられる。11年にNPOで全国の障害者野球チームの活動を取材。
主な写真展に、06年7月「球児たちの高校野球」(旧富士フォトサロン/東京・銀座)、同時開催「女子硬式野球部」(ギャラリー・アートグラフ/東京・銀座)がある。
11年8月「ヨコハマトリエンナーレ2011」にて、飯沢耕太郎ゼミ有志により、開催地の一つである新・港村で「横浜を撮る!捕る!獲る!アペルト」に参加。その他グループ展多数。
受賞歴に、1997年~2009年視点展特選他入選5回、01年~10年JPS展金賞他入選2回、03年、04年国際写真サロン入選、04年第10回酒田市土門文化賞奨励賞、千葉県展など入選多数。
土門拳文化賞奨励賞
第21回土門拳文化賞奨励賞は下記の方々が受賞されました。
奥田 恭子(おくだ きょうこ)氏 「バングラデシュに生きる」
鈴木 渉(すずき わたる)氏 「鎮魂そして再生への祈り-福島、大地の祭り-」
宮本 遼(みやもと りょう)氏 「幻影」
全日本写真連盟
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全日本写真展 2015
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10/15 (木)
~10/21 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
本展は、「国際写真サロン」、「日本の自然」とともに全日本写真連盟が主催する代表的な公募写真コンテストで、一般の部、高校生の部の2部門で作品を募っている。
43回目を迎える今年のテーマは、身のまわりの暮らしや風俗、人間の営み、政治経済に至るまで、“あなたのセンスで現代を切りとろう”である。展示する作品には、変貌する都市や農村、地方に残る昔ながらの暮らしなど、全日本写真連盟の会員をはじめとする全国のアマチュアカメラマンや高校生が、足で歩いて捜し出した“現代のひとコマ”が写し出されている。
本展では、入賞作品一般の部113点、高校生の部44点、合計157点を展示する。大阪ニコンサロンや全国の主要都市を巡回するほか、全入賞作品を収録した作品集の制作も行う。
モノクロ・カラー計157点。
グループのプロフィール
全日本写真連盟は1926年(大正15年)に創設され、朝日新聞社が後援する全国的な組織で、現在約1万4,000人の会員を擁する写真愛好家の団体である。
有元 伸也写真展
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Tokyo Debugger
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10/22 (木)
~10/28 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
人類は近代に至り、山を切り崩し、また森を切り開き街を作った。そして自らのテリトリーを確保し、外界を遮断するかのように密閉し生活を営んでいる。……つもりではあるが、少しでも油断しようものなら、彼らはいつでも外界よりの侵入を試みる。
「むし」は、日本神話における産霊(むすび)の「むす」と同源で、この地球上に生み出された初期の生物の意味を持つ。
彼らの誕生から幾星霜の歳月を経たいまここで、私たちは彼らと同じ時を生きている。我々人類とは明らかに違う生態を持ち、また異なる形態の生き物たち。そんな彼らに対して覚える畏怖こそは、この惑星に暮らす遥かなる先輩たちへの尊敬の念である。
モノクロ40点。
作者のプロフィール
有元 伸也(アリモト シンヤ)
1971年大阪府生まれ。94年にビジュアルアーツ専門学校 大阪卒業後、フリーランスの写真家としてのキャリアを開始。5年間にわたるチベットでの制作をまとめた写真集『西蔵(チベット)より肖像』を99年に出版。同作にて第35回太陽賞を受賞。現在は東京在住。国内外で精力的に個展やグループ展を開催するとともに、自身のギャラリー(TOTEM POLE PHOTO GALLERY)を運営し、そこでの連続展を中心に活動を行い、定期的に写真集を出版している。
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「ニコン フォトコンテスト 2014-2015」 受賞作品展
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10/29 (木)
~11/4 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
「ニコン フォトコンテスト(NPC)」は、「世界中の写真愛好家が、プロフェッショナルとアマチュアの枠を越えて交流できる場を提供し、写真文化の発展に貢献すること」を目的に、株式会社ニコン(社長:牛田一雄)が1969年から開催している、歴史ある世界最大規模の国際写真コンテストである。本展ではその受賞作品を展示する。
35回目の開催となる今回は、スマートデバイスを含むあらゆるデジタル撮影機器で撮影した作品の応募を可能とし、また、動画部門を拡充し、6秒から180秒までの長さの映像作品を対象にしている。さらに、19歳以下の若い世代が対象の賞「Generation N賞」を新設した。今回は、世界164におよぶ国と地域から、合計2万1,100人、8万8,737点の作品の応募があり、応募者の国と地域の数では過去最高を記録した。
その中から、写真映像を通して伝えたいストーリーの強さ、普遍性、新しさ、多様性の点で優れた作品が受賞作品として選出された。
このコンテストが目指しているのは、優れたクリエイティビティで、人々に影響を与え、「伝える力」の強い表現を生み出すフォトグラファーたちのコミュニティをサポートすることである。映像を愛し、その表現と真剣に向き合う世界の仲間が、お互いの視点に刺激を受け、認め合い、切磋琢磨する場を提供することで、映像文化をより身近なものにしていきたいと考えている。映像という世界言語を通して大切な物語を伝え、人々の考え方に影響を与えるフォトグラファーを支え合う、向上心あふれるコミュニティが育まれることを願っている。
審査員は、Mr.Stephen mayes(写真部門委員長)、Mr.John C Jay(動画部門委員長)、Ms.Marine Cabos、Mr.Stefen Chow、Ms.Alice Hawkins、小林紀晴氏、Mr.Thyago Nogueira、Mr.Swapan Parekh、Mr.Chris Rainier、Ms.Yue Ren、Ms.Sophie Stafford、Mr.Sandro、Mr.Wang Leiが務めた。