2015年 ニコンサロン特別企画展
Remembrance 3.11
畠山 直哉写真展
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陸前高田 2011―2014
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4/30 (木)
~5/13 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
作者は1958年に陸前高田市で生まれ、筑波大学で大辻清司氏に写真を学んだ後、東京で写真家として活動していたが、2011年3月11日に大津波が東北地方を襲ってからは、頻繁に故郷に帰り、日々変わりゆくその姿を写真におさめるようになった。これまでにも東京都写真美術館、3331アーツ千代田、水戸芸術館、中京大学Cスクエア(名古屋)、ハウスマルセイユ写真美術館(アムステルダム)、ボストン美術館(米国。本年4月5日より)など、折に触れて発表されてきた震災後の陸前高田の風景が、昨年12月までの撮影分の中から60点余りセレクトされ、今回展示される。
東日本大震災のあと作者は、津波以前にあった故郷の平和な眺めと、津波によって激変した眺めを対置させる方法を試みてきた。それは2012年に河出書房新社から出版され、その翌年フランスでも翻訳出版された写真集「気仙川」によく表れている。そこでは震災がもたらした時間的な亀裂が主題となっていた。
今回の「陸前高田 2011-2014」は、その亀裂の後になお続く時間、というものが主題となっている。被災物が片づけられ、廃墟が取り壊され、大規模な土木工事が始まり、新しい建物が少しずつ出来、と、停止してしまったかに思われていた時間は、実は刻々と動いていた。地面に伏した人間がよろよろと起き上がる姿を見るようであるが、これは陸前高田が津波という亀裂の後で、自身の過去を何とか新しく制作しようとしている姿とも言える。こうやって日々制作され積み上げられる過去から、やがて未来が現れてくるようにと、作者は願っているようだ。
カラー約60点。
作者のプロフィール
畠山 直哉(ハタケヤマ ナオヤ)
1958年岩手県陸前高田市生まれ。東京在住。筑波大学芸術専門学群にて大辻清司に師事。1984年に同大学大学院芸術研究科修士課程修了。以降東京を拠点に活動を行い、自然・都市と写真のかかわり合いに主眼をおいた、一連の作品を制作。2001年に中村政人、藤本由紀夫とともにべネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館にて展示。2011年に東京都写真美術館で個展「畠山直哉 ナチュラル・ストーリーズ」(平成23年度芸術選奨文部科学大臣賞受賞)を開催など、国内外の数々の個展・グループ展に参加。2012年、べネチア・ビエンナーレ国際建築展の日本館に参加(国別参加部門金獅子賞受賞)。作品は、国立国際美術館、東京国立近代美術館、東京都写真美術館、サンフランシスコ近代美術館、ヒューストン美術館、ヨーロッパ写真館(パリ)、ビクトリア・アンド・アルバート美術館、テート(ロンドン)などに収蔵されている。
(PHOTO : Marc Feustel 2009)