古橋 宏之写真展
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水を呼ぶ -Priming Water-
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2/25 (水)
~3/10 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
自宅から数分歩くと多摩川が流れていて、岸辺から洗濯板のように波打った白い川底を作者は見ることがある。調べてみるといくつかの記事が見つかり、およそ100万年前に深さ30メートルほどの海底だった面が現在の川底になったらしい。雨がしばらく降らないと、すぐ上流にある可動堰が閉じたままになるから水がほとんど干上がってしまい、川底であるその面が姿を現すのだった。
しばらくすると作者から川床の形状に対する興味は薄れていき、やがて自分が立っている場所と、その延長面上に広がる空間へと興味が移っていった。
人為的な堰の開閉は川の流量を大きく変化させて、地表も激しく水に晒される。古代層に直接触れるようにしてわずかばかり堆積していた新たな地表面は、水や風や自分も含めた様々な要因で攪拌され続けていて、草木も一雨毎にその重なり具合を変えてしまう。
モノクロ約30点。
作者のプロフィール
古橋 宏之(フルハシ ヒロユキ)
東京生まれ。東北大学理学部中退。円谷プロダクション、セントラルアーツなどで撮影助手を務める。2004年ムービーカメラマンとして独立。
百々 武写真展
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草葉の陰で眠る獣
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3/11 (水)
~3/24 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休
写真展内容
作者は東京から奈良に生活の場所を移し、日々の暮らしのなか、緑豊かな奈良は単純に美しいと思った。
奈良盆地から吉野へ向かうと熊野古道が現れる。林道を登り辿り着いた山間の集落で、土や水に触れながら暮らす人に出会い、すべてが圧倒的な存在でこちらにむかってきた。
台風や大雨による崩土による被災、大雪などの自然災害。産業がないことで進む少子高齢化、切実な現実がある。しかし自然とともに根を張った人の暮らしが強烈で、生き生きと輝いていた。
自然や動物、人間も交わりながら、あるがままを受け入れ生きるもの同士が、ただ生命を生きている。気の遠くなるような時間を渾然一体となって風土の形成は続く。
風景は人がいることで成り立つことを教えてくれる。自然とともに生きることの豊かさを体感させてくれる人との出会いが僕の記憶を呼び起こす。季節が巡るように生命が巡り、生と死のグラデーションが土地に生命を芽吹かせ、世界に豊かな色彩を与えていた。奈良県吉野以南を巡り奈良の風景というより日本の原風景にたどり着けたように思う。カラー80点。
作者のプロフィール
百々 武(ドド タケシ)
1977年大阪生まれ。ビジュアルアーツ専門学校・大阪卒業。自然と密接に関わりながら独自の風習を育んでいる日本列島に点在する離島を巡る作品を写真集、写真展で発表。奈良県吉野以南を主に撮影した写真集「草葉の陰で眠る獣」は2015年1月、赤々舎より刊行。
主な写真展に、2001年「西蔵行路」(新宿ニコンサロン)、05年「潮のみち」(再春館ギャラリー)、07年「矢切の渡し」、09年1月「波浪」、2月「波流」(以上ギャラリー街道)、7月「島へ」(ビジュアルアーツギャラリー・大阪)、10月「Voyages」(パリ日本文化会館/フランス)、12月「Voyages 日本の新進作家展」(東京都写真美術館)、10年「八咫烏」(1月ギャラリー街道・4月こどじギャラリー)、4月「海流のなかの島々」(心斎橋アセンスギャラリー)、11年「島波」(ビジュアルアーツギャラリー・大阪)、12年「海流 Quiet Boys展」(MIO PHOTO OSAKA)などがある。